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「はじめて」だらけで成長痛な2022年を振り返る

激動の2022年もあと3日。
今年は『挑戦と成長痛』の年だったな、と振り返ることができます。

ざっくりまとめると、休学してゲーム会社の最前線で働いたり、日本最大のゲーム展示会で協力会社探しに奔走したり、ストアページ公開とゲーム展示会開催の期日が重なって地獄を見たりしました。

こんな(無意味な)ハードワークを経験した学生ゲームクリエイターはいないのでは?って感じの1年間を送りましたが、なんとか生き延びることができました。

その記録を書いてみます。どうか最後までお付き合いください!


この記事を書いた人

マチコー
大学3年生。インディーゲームスタジオ『SUPER STARMINE』代表。
好きなものはゲーム開発、女の子同士の関係性(今期アニメ最高です)。
魔法少女がたたかう弾幕バトロワゲーム『マジカオス』開発中!


はじめてのゲーム会社

2022年2月から8月末までの7ヶ月間、休学していた僕は某ゲーム開発会社にて開発プランナーとして働いていました。いわゆる企画職です。

配属先は運営型のスマホゲームプロジェクト。サービス開始当初からずっと遊んでいたので、配属の喜びはひとしおでした。

この7ヶ月で自分が主にやっていたことを並べてみます。

①機能開発ワークフローの見直し
②機能の仕様定義

③売上予測資料の作成
④全社会議でのプレゼン発表
⑤生放送やマーケ施策のお手伝い

太字は毎月行っていたこと


いちばん上手になったタスクは②機能の仕様定義でした。

複数の仕様書を受け持ち、上長と仕様を詰め、PMさん&エンジニアさん&デザイナーさんとスケジュール・実装内容をすり合わせ、QAさんと一緒にテストを行ってバグを潰し、次回バージョンのリリースに乗せる
……という一連の開発フローを何周もくぐり抜けたことは、非常に良い経験となりました。

特に後半では、元ある仕様のWHOとWHATを吟味し、ユーザーさんにもっとより良い体験を届けられるのではないか?と考えて自分から新しい機能を提案・実装することもありました。


以下のnoteに書いてあるフレームワークはちょうどこの頃にインプットしたもので、仕様策定フェーズで何度も自分を助けてくれました。

想定の10倍くらい読まれていてひっくり返りました


①機能開発ワークフローの見直しについては、配属直後に遂行したタスクなので非常に印象深いです。

この頃はサークルの方でも新企画がスタートしたばかりで、自分はチーム開発における開発ワークフローの整備や権限委譲のあり方に興味を持っていました。
それを上長に申し出たところ、「一緒にワークフローの整備と実行をやろう」ということになりました。

具体的にはガントチャートを柱としたタスクの見える化を進め、これが最新の状態に保たれるよう、とにかくオフィス内を駆けずり回ってコミュニケーションを図りました。
傍から見ればとても泥臭い業務ですし、実際のところこれを毎日行うのはなかなか骨が折れます。仕様書を書かなきゃいけないが、今抱えている開発仕様のマネジメントを優先させなければ……しんどい!

しかし、結果としてタスクの進捗状況が日々更新される状態になり、以前よりもPMさんの負担はかなり削減でき、無用なコミュニケーションロスを防ぐことができました。

また、コミュニケーションの接点を増やし、いろんなセクションの皆さんと仲良くなることで企画意図をしっかりと伝えたり、作業の手戻りを減らしたりもできました。


それから、業務には直接関係ありませんが、責任者として採用イベントを企画したりもしました。

こちらは「この先ゲーム開発はかなり高度化していくので、もっとゲームが好きな新卒社員が増えないと厳しくなりますよね〜」と人事に相談(ほぼ雑談)したところ、じゃあマチコーが責任者やってみる?無茶振っていただいた案件でした。

イベントの設計から社員さんのアサイン、他社さんとの折衝、ターゲット学生へのリーチ、当日の運営、……とやることは多く、加えて普通に開発プランナーとしての業務もあったのでハチャメチャに大変でした。


ただ、組織作りを学ぶという点でこれほど充実した体験はありません。
「弊社、ゲーム開発人材にこそピッタリなんじゃない?」という僕の予感は的中し、満足度90%超を達成できました。

このイベントを契機に本選考へ進んだ学生も多く、自分の想いが学生たちの将来へ良い影響を少しでも及ぼせていたらいいな、と思います。

しかし、なんというか、手を挙げれば本当にいろいろな経験をさせてもらえる会社です。学生という身ながら、非常に成長を実感できた7ヶ月でした。
(もし興味のある方はこちらからどうぞ。内定承諾の経緯はnoteにまとめています



はじめてのBitSummit

ゲーム会社での仕事が落ち着いてきた8月上旬。僕は京都にいました。

8月の京都は控えめに言って公衆サウナ

日本最大級のインディーゲームの祭典、BitSummitへ出展するためです。

入口にそう書いてありました
一際目を引いた任天堂さんのブース。つよい
『マジカオス』の出展ブース。のちに事件が起きます

詳しい説明は公式ページに譲りますが、このBitSummitには「MeetToMatch」というビジネスマッチングサービスがあります。

事前にスケジュールをすり合わせた会社さんやクリエイターさんと商談できる、というものです。もちろん一般のお客さんに向けたゲームの展示も大切ではありますが、僕たちの目的はむしろこちらにありました。

僕たちの狙いはパブリッシャー企業との関係作り。パブリッシャー企業とは、ゲームの配信・マーケティング・翻訳・デバッグ・……など、開発者の手の届かないところを請け負っていただく会社さんです。


結果として、国内外合わせて6社と繋がることができました。そのうちいくつかの会社さんとは今も連絡を取らせていただいており、親身にしていただいています。

なお、どうしてもお会いしたかった会社さんには、1日目に名刺とパンフレットを携えて「いつでもいいのでお時間いただけませんか」と直接企業ブースを訪問したりしました。

こんな怪しさ100%の僕の話を聞き届けていただけたので、この業界は本当に良い人ばかりです。


あと、最終日にはファミ通さんから取材を受けました。

ライターさんにはとてもお忙しい中、30分以上じっくりと取材を敢行していただきました。その節はありがとうございました!



はじめてのストアページ公開

毎年恒例、国内最大のインディーゲーム展示会「デジゲー博」がやってきました。

デジゲー博は3年連続での出展ということもあり、設営は手慣れたもの。
当日の『マジカオス』ブースは大盛況でした。

A1サイズのタペストリーを新調しました
初の試みとしてオリジナルパーカーを制作。混雑した会場でメンバーを見つけるのに便利


しかし、その裏では。

デジゲー博に合わせて準備していた『マジカオス』のSteamストアページが、当日朝になってもオープンしないというトラブルが起こっていました。


Steamストアページの作成には十数点の画像素材と日・英のテキストが必要なのですが、加えて審査に3営業日ほど必要なことを失念していました。

こういうのをたくさん作ります

「すごく大事なイベントがあるので、可能であれば早めに対応いただけませんか!!」という旨の嘆願を英語で添えて申請し、祈りが通じたのかはわかりませんが、結局ストアページの申請が通過したのはデジゲー博当日の午後2時のこと


メールに気づいた僕は横殴りの雨が降る中セブンイレブンに走り、生まれたてホヤホヤのURLでQRコードを作って印刷しました。

ツイートからも当時のライブ感が伝わってきます。大変だった……。


こうして大変な思いをしながらも、なんとか『マジカオス』のSteamストアページができました。
ウィッシュリスト追加していただけると大変励みになります!



プライベートあれこれ

そんなこんなで、会社でもスタジオでも泥臭く転げ回っていた1年間でした。
ここからはマチコー個人の振り返りです。


ゲームクリエイター甲子園で審査員を務めた

ゲームクリエイター甲子園2022 U-18部門の審査員を務めさせていただきました。

写真の背景は大学の部室棟

運営元のゲームクリエイターズギルドさんとは大学1年生の頃からのお付き合いで、2019年開催のコンテストでは弊スタジオが優勝したり、GC甲子園2020では総合大賞という大きな賞をいただいたりもしました。

これまでもGCGさんのイベントに出演させていただくことはありましたが、今回はU-18部門の審査員ということで感慨深く感じました。

自分自身も学生クリエイターとして活動していく中でプロとの見えない壁に悩まされたり、商業ラインに乗せる難しさを日々実感しているところです。しかし、そんな姿が後進のクリエイターにとってのロールモデルとなればと思い、引き受けることを決めました。


参加者の皆さんの作品は技術力の高さもさることながら、「これを作りたい!!」という熱量の乗った素晴らしいものばかりでした。

もちろん賞を取るために頑張ることも大切ですが、作ること/楽しませることそのものにモチベーションを感じ、作り続けるマインドを持つことの方がより重要だと考えています。
ぜひ、今後もゲーム作りを続けていってください!


ゲームコンテストで優勝した

東京工業大学で開催された『第15回 GAME^3』(読みはゲームキューブ)にて、会場投票により第1位をいただきました。


実はこのイベント、前回開催が2019年8月。僕がまだ大学1年生の頃で、スタジオ『SUPER STARMINE』を立ち上げた3週間後のことでした。

周りはしっかりと遊べるものを用意している中、そのときの展示はコピー用紙の企画書1枚のみ。
「こんなゲームを作ろうと思っています!どうですか!(?)」とプレゼンしていました。

無鉄砲さはこの頃からまったく成長してない気がします。

そんなわけで、いつかこのコンテストに凱旋して結果を残してやるぞ!と密かに思っていたので、リベンジを果たすことができて嬉しかったです。

ちなみに、前回大会の優勝はmumimumiさんのモチ上ガールでした。そりゃペライチで勝てるわけがないですよね。


このほか、Tokyo Indiesというイベントで登壇したり、とあるきっかけでベンチャーキャピタルや起業家の方とお会いしまくったり、クリエイターさんとのYouTubeコラボを積極的に行ったりと、相変わらず足を動かして人と会うことを大切にしていた1年間でした。

特に起業家界隈と接点を持ったことで、これまでよりも「自分の取り組みで社会にどんな良い影響を及ぼせるか?」をまじめに考えるようになりました。気が向いたら考えをまとめて記事にするかもしれません。


どうする2023年

せっかくなので2023年の抱負も書いておきます。

ゲーム制作もnote執筆も4年目になりましたが、お仕事でもプライベートでも「ユーザーさんの人生を豊かにする」コンテンツ作りを続けていきます。

今年もネット上では落ち込むようなニュースばかり流れてきたし、僕自身も将来についてはそれほど明るくないよな〜と悲観しています。
そんなとき、生活を彩るのはやっぱりエンターテインメントです。


現在僕たちが作っている『マジカオス』は対戦ゲームです。
感情と感情が本気で熱くぶつかる場を提供することで、ゲームにしか実現しえないコミュニケーションを創り、ユーザーさんの人生を彩っていきたいと考えています。

まずは、このマジカオスをしっかりと作り込んでリリースし、お客さんを楽しませることが目標です!

まだ公表できませんが、コンテストやイベントなどに向けた新しい展開も動き出しています。

これからもどうぞ応援をよろしくお願いします!

重ねがさねになりますが、ウィッシュリスト登録をお願いします!🙇‍♂️


それからほとんど趣味レベルになりますが、発信も頑張っていきたいです。なんだかんだ根っこはクリエイターなので、モノを作らないと生きた心地がしません。

特にノルマを課すつもりはないので発信は不定期になっちゃいますが、新しいことにどんどん飛び込みながら、また泥臭く転がっていきます。



最後までお付き合いいただきありがとうございました!

よろしければ、来年もまたTwitterでおしゃべりしましょう。良いお年を!



いただいたサポートは、明日のアセット代として大切に使わせていただきます。