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ゲームプランナー直伝!“刺さる”企画の作り方

クリエイターなら誰しも、「いいアイデアが出ない!」「アイデアが企画に繋がらない!」と悩んだことがあるでしょう。

それもそのはず。
なぜなら『アイデアとは手段だから』です。

このnoteではジャンルを問わず、アイデアに頼らないで企画を作る方法を紹介します。


はじめまして、マチコーです。
休学中の大学3年生で、インディーゲームスタジオ『SUPER STARMINE』の代表をしています。

また、株式会社サイバーエージェント内のスマホゲーム会社で、ゲームプランナーをしています。
ゲームに新しい機能を盛り込むための企画書・仕様書作成、UXデザイン、制作進行、クオリティチェックなどが最近の僕の仕事です。

インディーゲーム界隈からゲーム業界に入り、いちばん驚いたのは
『アイデアの出し方が体系化されていること』
でした。

今回はそのエッセンスを紹介します。
あなたの制作活動にほんの少しでも役立ててもらえたら、この上なく幸せです。


企画を構成しているもの

そもそも、あなたが作ろうとしている『企画』とは、一体何なのでしょう。

諸説ありますが、企画とは
「ターゲットにさせたい体験とその手段」
であると僕は考えます。
この流れが綺麗に整っていれば、“刺さる”企画と言えるでしょう。

要素別に分解すると、

WHO:ニーズを抱えているターゲット
WHAT:ターゲットが満足する体験、状況
HOW:WHATを達成するためのアイデア

となります。
これらはマーケティング用語ですが、もの作りでも同じことが言えます。

つまり、アイデアとはHOWにあたります。

本来ならターゲットを定め(WHO)、させたい体験を決め(WHAT)、そのあとに考えるべきものだったのですね。

それでは、それぞれ詳しく見ていきましょう。


WHO:ニーズを抱えているターゲット

一番最初に決めるべきはWHOです。
この順番はけっして前後してはいけません。

なぜなら、作品コンセプトやアイデアから先に考えてしまうと、
「作品にとって都合のいい、存在しないターゲット像」
を作り出しかねないためです。


では、どのようにWHOを考えればよいのか?
おすすめのトレーニングは、友人や家族など、実在する人物をターゲットとすることです。

実際、パズドラの開発過程では、開発スタッフの家族にプレイしてもらい、頻繁に意見を収集していたようです。

ガンホ―のルールだと、めちゃめちゃ社内で意見取りをします。
それに加えて開発スタッフ全員の嫁にプレイしてもらって、頻繁に意見を聞きました。
これを「嫁レビュー」と呼んでいます。
のちほど詳しくやりますが、カジュアルユーザが多いスマホで成功できた最大のポイントかなと思っています。

(中略)

で、嫁レビューを終えると、ターゲット層が拡大していました。
もともと「20~30代のサラリーマン」「女子中高生・主婦」と考えていましたが、「普段ゲームを全く遊ばない人」というのが加わりました。
パズドラは「今までゲームで遊ばなかったのにハマってます」という人が非常に多いんですが、それはプロトタイプの嫁レビューの成果ではないかと思っています。

CEDEC2012より『パズル&ドラゴンズ ~嫁と開発と私~』

この記事から、パズドラの開発段階ではWHOを、

『ゲーム初級者〜中級者のカジュアルユーザー』であり、属性は『20代〜30代サラリーマン』『女子中高生・主婦など』のいずれか

としていたことが分かります。


WHAT:ターゲットが満足する体験、状況

WHOが満足する、あるいはWHOの問題を解決する体験や状況がWHATです。
WHATはニーズとも言い換えられます。


またパズドラを例に挙げてみます。
先程のWHOに合わせ、WHATを書き出してみましょう。

  • スキマ時間に遊べる

  • 楽しむための敷居が低い

  • プレイ体験を阻害しない

まだまだありそうですが、この辺りに留めておきます。

よく見ると、パズドラ以外のカジュアルゲーム、たとえばモンストやツムツムなども同じような特徴を持っていることがわかります。

WHOを起点としてWHATを正確に捉えれば、そこからヒットタイトルの芽を見つけ出せるという好例なのではないでしょうか。


HOW:WHATを達成するためのアイデア

ここから、具体的な設計に入っていきます。

パズドラのWHATを達成するなら、以下のようなHOWが挙げられるでしょうか。

  • 一行動あたり数秒で行えるパズルアクション

  • シンプルでわかりやすい3マッチパズル

  • 過度なチュートリアルや説明を入れない


注意すべきは、アイデアにはこだわらず、とにかく数を出すことです。

自分から出たアイデアは尊いものです。よくわかります。
しかし、アイデアはあくまでWHATを達成するための手段であり、多くの場合において代替可能なものです。


たとえば、ゲーム開発の現場では、
「ターゲットにこんな体験をさせたいが、技術面や予算面で実装を諦めざるを得ない」
といった場面に何度も出くわします。

そんなとき、WHATとHOWを行き来しながら考えることで、WHATを達成できるアイデアを生み出せることがあります。

ぜひ意識的に視座を上げ、「このアイデア以外に達成する方法はないか?」と探る癖をつけましょう。


“刺さる”企画の作り方

エンタメが飽和している今、ヒットする作品を生み出すのは昔よりも難しくなっていると言われています。

しかし、『WHO→WHAT→HOW』をきちんと抑えて設計すれば、
少なくともWHOで定義したターゲットには間違いなく楽しんでもらえる作品になるはずです。

なおこの記事については、

  • WHO:
    自主制作、特にゲーム制作や企画書制作を勉強しており、企画職での就職を目指している学生クリエイター

  • WHAT:
    企画を考えるための教材として、わかりやすいフレームワークが欲しい

  • HOW:
    フックのあるタイトルと出だし
    図解イラストでわかりやすい
    有名ゲームを例に出して納得感を持たせる
    忙しくても読みやすい文量(2600字程度)

といった感じで設計しました。

このように、作品作り以外の場面でも役に立つフレームワークなので、将来企画やマーケティングに携わりたい方なら覚えておいて損はないかと思います。

みんながよりよい作品作りに取り組み、面白い作品で溢れる世界を作るのが僕の夢です!


そんな想いで、普段はクリエイター向けのお役立ち情報を発信しています。
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