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アメリカで初めての目医者体験

目医者へ行かなかった理由と行った理由

アメリカで初めての免許書換えが来月にせまり、今まで避けてきた目医者さんへ行くことに。日本にいる頃の私の視力は、0.6くらいだったように記憶しています。免許書換をギリギリでかわせるくらいですね。念のためにと用意したのが私の第1号の眼鏡でした。渡米直前に新調した眼鏡第2号も、今となっては、かけた方が視界がぼやけるというあり様。そこまで視力の低下が明確では目医者致し方なし、といったところ。今まで目医者に行かなかった理由は主にふたつ。ひとつは、予約の電話が苦手ということ。どうにも英語の電話のリズムにのれなくて、Awkwardな(ぎこちない)感じが、それこそ居心地悪いのです。そしてふたつめの理由は眼鏡選び。子供の頃から母に「マチコの顔には眼鏡が似合わないから、目は悪くしないようにしなね」と言われていたものですが、その通り。何が何だか分からぬまま、単独で選んだ眼鏡第1号は『THE 秋葉ちゃん(笑)』。親しい友人や家族でさえ、笑うか「う~ん」と首をかしげる似合わなさ。よって、渡米直前の眼鏡は母についてきてもらってチョイス。それでも「いいじゃん!」ではなく「いいんじゃない???」みたいな感じだったのかな。視力検査から、そのままその場で眼鏡を作る流れになりそうなアメリカの目医者さんは、私にはハードルが高かったのです。

まずは予約

いろいろ思うところはあろうとも、今回ばかりは先延ばしにするわけにもいかず、目医者の予約をすることに。目医者は英語ではEye doctor。目医者さんはEye doctor's office。私は勤務先であるWholefoodsで健康保険(Health Insurance)に加入しています。アメリカでは、通常、歯(Dental)と眼(Vision)は保険に含まれていなく、希望に応じて追加することができます。もちろん勤務先や勤務体系によっては、保険すらついてこないこともあり、その場合は、家族の保険に入れてもらうか(有料)、完全自費負担で保険に入るか、または保険に入らない、ということになるのだと思います。

Wholefoodsで働くメリットのひとつは、保険などの福利厚生(Benefit)の良さ。今回はこれを実感。まず、加入している保険がきく目医者さんをネットで検索。とりあえず私は一番上に出てきた、最寄りの目医者さんにすることにしました。ドクターの名前が中国人なのも、この場合なんとなくいいかなぁなんて思いましたし。おそらくはアジア人の患者さんも多いだろうし、アジア人の顔にも慣れているかなぁと。

目医者へGo!

さて、いざ、目医者へ、となりますが出発前の予習が結構重要。目関係の英単語をチェックする他に、なによりも視力検査の違いを理解しておきたかったのです。日本では視力は1.0、0.6のようになりますが、アメリカでは日本の1.0は20/20 (twenty-twenty) と表現されます。20フィート(約6メートル)で見えるべきものが20フィートで見えるという意味だそうです。例えば日本の0.5だったら20/40となります。算数嫌いの私にはいまいちピンとこないものの、アメリカの運転免許には20/40 (日本の0.5)が必要、ということだけは頭に叩き込みました。

そうそう、このアメリカの視力表記ですが、私がなんとなく知っていたのはこんな英語の表現があるからです。

Hindsight is 20/20. 

Hindというのは「後ろ」という意味で、要は、後になって振り返れば物事がよく見える、という意味になります。後からなら何でも言えるけど、未来を予測するのは難しい、よって、過去のことをいまさら悔やんでも仕方ない、ということになるようです。

さて、目医者訪問へ戻ります。いつものことながら間違えてお隣のブティックへ入ってしまったものの(笑)、なんとか無事に目医者さんへ到着。何度も電話でやり取りをしていた受付の女性を、なぜかアジア人だと思いこんでいたのですが、白人のおばちゃまだったいうことが判明。例によって、私のことを「マシィコ」と呼びます。ま、いっか。(※よかったら「住むとこ変われば、名前も変わる?!」を読んでください!) まずは問診票の記入。事前の英単語チェックが役立ちます。記入終了後、ほどなくしてドクターが呼びにきてくれました。優しそうな小柄な中国人ドクター。最初から私のことは「マチィコ」と。検査室に入って最初の質問が「あなたの名前の発音なんだけど、マチィコであっているのかな?」でした。あら、なんていいひと♪ 
まずは、免許書換えがせまっていることと合わせて、アメリカで初めての目医者さんであることを伝えました。これ、その後のスムーズなやりとりのためには結構重要なんです。

アメリカの視力検査法

問診の後、視力検査へ。日本の視力検査では、欠けたマークがおなじみですが、アメリカの視力検査ではアルファベットが使用されます。これも事前チェック済みなので想定内。アルファベットって、EとFとかOとCとか結構紛らわしいものが多いんですね。視力検査のいい材料です。レンズをいろいろと変えながら検査が進みます。途中で手元に取説のようなものを渡されて、どのサイズが読める?というチェックも。通常の視力検査の他に眼球の写真を撮って血管のつまりなども確認。眼圧もチェック。結果、私の視力は、20/50。日本式の0.4。思った通り、ギリギリで免許更新をパスできないライン。それに加え、遠近両用(または、遠くを見る用と近くを見る用の2種類の眼鏡)が必要で、元からあった乱視は悪化しているとのこと。とても親切なドクターのおかげで、一連の検査は非常にスムーズ終了。

難関の眼鏡選び

おそらくアメリカの目医者さんの典型なのではないかと思いますが、私の目医者さんは入るとすぐに受付があり、その奥に眼鏡屋さんのようなセッティングがされていました。受付から検査をして、そのまま眼鏡を購入できるのです。もちろん、検査結果を持って、他の眼鏡屋さんに行くこともできますが、提携の目医者さんの方が保険が効くし、手間も省けるといったところなのでしょう。単独での眼鏡選びには全く自信がない私でしたが、仲良くなってきた受付のおばちゃんを頼りに眼鏡選びを開始。まずはいつもの私の作戦で、眼鏡選びには全く自信がないこと、あなたの助けが必要です、ということを伝えます。私は髪を切るにしても「あなたが似合うと思うようにしてください」とプロにおまかせすることもたびたび。そう言われて「でも~、あなたの気に入らないように切ってしまったらいけないしぃ」と躊躇されるより、「あら、まかせてくれるのね。オッケー!」と腕をふるってくれる人が好き。今回の眼鏡のおばちゃんもそっちのタイプ。始めこそ遠慮がちだったものの、新しい眼鏡をかけるたびに、鏡を見るよりおばちゃんを見て「どうでしょう?」と首をかしげる私に、プロのやる気をそそられたのかもしれませんが、急速に熱量が上がってきました。その中で彼女が使っていて、私がなるほどと思ったのが「Studious」という言葉。「がり勉」だとちょっと行き過ぎで「真面目くん(ちゃん)」てなところでしょうかね。「うーん、悪くはないけど、ちょっとStudiousねぇ」という風に言っていました。目医者で収穫した『今日の英単語』です。勉強になりました。おばちゃんに言われるがままにいろいろな眼鏡をかけた結果、メタリックなピンク色の細いフレームの眼鏡に決定。おばちゃん曰く「あなたの肌の色に合っているし、フレームの横に少し柄が入っているあたりもフェミニンな感じで素敵」とのこと。出来上がりまでに1週間ほどかかるので、まだ手元にありませんが、家族や友人の反応が楽しみです。

目医者費用は?

さて、破格の医療費で有名なアメリカですが、今回の目医者訪問で、一体いくらかかったのかというと… 
実は、私も同僚から聞いたことがあったのですが、Wholefoodsのビジョン(眼保険)はとてもよく。Co-payと言われる自己負担額が10ドル、私がお世話になった目医者さんはナントカ費(未だによく理解していないのですが、初診代だったかな?)として35ドル。あとは視力検査、目のレントゲン、眼圧検査、プレスクリプション(レンズの処方箋)、そしてレンズ代にフレーム代となります。総額600ドル。これって、日本と比べるとやっぱり高いのでしょうか?でも、そのうちフレーム代の約200ドルは保険で全額カバー、そして検査代などの大部分もカバーされて、最終的な請求額は200ドルでした。受付のおばちゃんは「Wholefoodsのおかげで、あなた400ドルもセーブしたのよ!」と。しかも、そのWholefoodsを通して、私はHSA (Health Saving Account)という医療用貯蓄口座を持っていて、毎回のお給料から医療費の積み立てがされていて、そこには税金がかからないうえ、いつでも利用できるようになっているのです。ということで、今回の請求額の200ドルもHSAアカウントからお支払い。なんだか得した気分。

追記

あぁ、そうそう。ここ数年、飛蚊症というのでしょうか、視野の中に黒い小さなゴミのようなものがあるのが気になっていました。英語ではfloatersと言います。ドクターにもその旨を伝えましたが、終わってみればそれについては何も言われなかったので、問題ないようですね。緑内障経験者の父と最後に会った時に、なぜか飛蚊症の話になり「目のことはちゃんとしておいたほうがいいよ」と言われていて、何気にずっと気になっていたので、私も、そしておそらくは父も、すっきりしました。

「視力が落ちたのは加齢のせいですか?」と聞いた私に「あなたの場合、最後に視力検査を受けたのが何といっても10年前だからね」と、なんとな~く「加齢」という明言を避けた風な物言いに、ドクターの控えめな優しさを感じ、ほっこり。「今度は1年後にフォローアップに来てね!」とも言われましたけどね。
最初の不安をよそに、目医者さん探しから、予約、検査、眼鏡作り、支払いまで、スムーズに気持ちよくことが進んだ、私のアメリカで初めての目医者体験でした。感謝感謝。
そして、やればできるじゃん、私(笑)。                                                          

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