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第1回Social Breakfast/「“社会を変える” のはじめかた」


社会を変える朝ごはん「Social Breakfast」とは?

社会のためにと一歩踏み出したいけれど、何から始めたらよいかわからない。社内外の人たちとソーシャルグットで繋がりたい。先駆者に学び、社会を新たな視点から眺めてみたい。
という若者が気軽に集える場(朝食代無料!)をつくりたいと考え、森ビルさんの協力のもと実現することができました!

⻁ノ⾨ヒルズのOVAL CAFÉで第1回が開催しました!

第1回は「“社会を変える” のはじめかた」をテーマに、⾃分なりの問題意識に基づいて既に動き出している先駆者3名が、動き出したきっかけや、⽴ちはだかった困難、今後やりたいことなどを語っていただきました。

トークセッション風景
久保 直生
「将来の可能性を広げる幼少期の学びをデザインする」というミッションのもと、Kazamidoriを創業。子どもの1番近くにいる親の精神的・時間的なゆとりを作るべく、食の分野で課題解決に挑んでいる。

「ストレスのない子育ての環境」を目指し、子どもと親双方にとって良い社会を築くことを目標として、Kazamidoriという離乳食ブランドやノンカフェイン食品、宅配サービスを手掛ける久保直生さん。
久保さんは、留学中のアメリカで、日本の若者と比べてアメリカの若者が社会的に積極的であることに驚きました。しかし、彼は多くのコミュニティが「同じ背景を持つ人々で形成されている」と感じました。帰国後、社会にどのような影響を与えることができるかを考え、子育て世代に焦点を当てました。子育て中の親たちに余裕をもたらすことを目標に、2016年にKazamidoriを設立しました。しかし、ある時、自社のサービスが高所得者層を主に対象としていることに気づきました。そこで、愛知県にある宅配サービスの工場で働く人々(多くがシングルマザー)も大切なステークホルダーであると認識し、彼らにも貢献するための方法を模索しています。


羽鳥 友里恵

(株)博報堂を経て、2021年7月に「ペットと共存できる社会=国」を創ることが、世界が抱えている社会問題のソリューションの一つになることの実現を目指した(株)PETSPOTを創業。また2022年4月には”日本初”(株)SARABiO温泉微生物研究所の最高動物福祉責任者に就任。

⽻⿃さんは、ペットが家族としての地位を持たない現状、特にペットの死に際しての会社の休暇制度に疑問を感じました。この問題意識から、ペットと人間が平等に扱われる社会を築くために、自らの会社を退職し、新たなビジョンを持って起業を志向しました。
ペット、ペットを飼う人、ペットを飼わない人、この3つの要素が共存する社会を築くことの重要性を認識しました。
羽鳥さんはペットそのものが問題ではなく、ペットを通じて社会的な課題を解決するアプローチが必要だと考えました。この新しい視点か「PETSPOT」はミッションを「ペットとの共存を通じて、人間、経済、そして社会全体にポジティブな変化をもたらし、その価値を世界に示す」と定めました。
また、羽鳥さんはペットと働くことによる生産性の向上について検証されており、ペットと一緒に働くことができる環境下での生産性の向上は約64.7%向上するという興味深い分析結果も発表されていました。ペットとの共存が働き手の幸福感や生産性に良い影響をもたらすことを示しており、ペットと人間が共存する社会の実現に向けた一歩となったとのことでした。

伊藤 和真
1998年生まれ、愛知県出身。慶應義塾大学に入学した2018年、俳句アプリ「俳句てふてふ」を発表、後に毎日新聞社に事業売却。2019年に政治家に声を届ける政策共創プラットフォーム「PoliPoli」、2021年に行政に届けるウェブサイト「PoliPoli Gov」をリリース。

伊藤さんは、人々の幸せな生活を実現するために「新しい政治・行政の仕組みを構築し続ける」というミッションを掲げており、政治・行政と国民の間の距離が遠いと感じ、社会の仕組みを作っている政治や行政に、一人一人の声を届けることが必要だと考え株式会社PoliPolを設立しました。伊藤さんの話の中で印象深かったことは、「原体験に過度にこだわる必要はない」のエピソードです。若い方々の起業や社会貢献活動のニュースでは、よく原体験に基づく経緯や背景を多く聞くことから、原体験がないと感じる若者が起業や社会貢献活動を諦めるケースがしばしあると思います。しかし、伊藤さんは「原体験がない方は、一歩引いて事象を捉えることができるために、客観的にものごと・問題を捉えることができる」とのお話をされており、多くの参加者の方々にとって考えるきっかけとなった印象でした。

まとめ

問題意識を持つことが起業への第一歩であるとの認識を深めました。さらに、起業家としての道は決して楽ではなく挫折しそうな時もありますが、そんな時に共に乗り越える仲間の存在は重要であるというお話もありました。
一方で、久保さんが指摘する「同質なコミュニティ」に対する疑問も共感しました。人は自然と似た者同士で集まる傾向がありますが、意識的に異なる背景や価値観を持つ人々との関わりを深めることが重要だと感じました。
ただ、異なる背景を持つ人々との関わりは難しいこともあるため、共通の興味や趣味を持つ中で、違いを探るアプローチも効果的だと思います。

(文・谷 壮史)

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