デジタルマーケティングといわれる仕事の詳細

 私は現在デジタルマーケティング領域の仕事をしています。早いもので、この業界に身を置いて20年が経とうとしています。デジタル以前のマーケティング業界というくくりでいうともっと長いのですが、ここではその話は割愛します。

 と言っても、私はマーケターではありません。業界には身を置いていますが、マーケターではない…って何なのかという気もしますが、事実なので仕方がありません。しいて言うならプロデューサーですね。プロデューサーって何だか怪しいイメージを持つ人もいるかもしれませんが、私は怪しくないです(多分)。

 良く、「マーケティングとデジタルマーケティングって何が違うのか」「Webマーケの事でしょう」「DXの事ですか」など質問を受けることがありますが、意外と回答が難しいし、定義ってあるようでまだまだ定まっていない気もします。

 一応、このnoteではデジタルマーケティングについての解釈は「デジタル技術を活用したマーケティング手法すべて」とします。

 デジタル技術を活用したマーケティングは、たとえばインターネット、アプリ、デジタルサイネージ、IT技術、AI技術など、かなり広い領域にわたります。良く混同される「Webマーケティング」との違いですが、Webマーケティングは、Webサイト、インターネットを活用したマーケティング手法であり、デジタルマーケティングの一部ともいえ、デジタルマーケティングの方が広い概念と理解しています。

 一方で、スマホが登場して10年以上、先進国においては睡眠時以外(もしかしたら寝ている時も…)デジタルデバイスを手放さない生活が定着している中で、全くデジタルを考慮しないマーケティングというのも現実的ではない気がしますので、マーケティングとデジタルマーケティングの差もほとんどないのかなという気もします。

 私が社会人になった時には「デジタルマーケティング」という言葉はありませんでした。日本では2000年以降にインターネットの台頭が進み、「デジタル」という言葉がマーケティングの世界でも使われるようになって来ました。そう考えると、それまでになかった仕事、職種が生まれているんですよね。自分の周りにそういう人たちがいるっていうことが不思議ですし、とてもエキサイティングだと感じます。

 数年前に子供の憧れの職業に「ユーチューバー」がランクインして話題になりましたが、僕も最初「ユーチューバー」という存在を聞いた時に「??」と思ったのを覚えています。Youtubeの広告配信に応じて動画投稿者にも収入が入る、というのは業界柄知っていましたが、職業としてそれで生活する人たちが増えているって、アフィリエイターやブログで収益を得ている人と一緒なのかな、ぐらいに思っていました。でも、今や収入源ももっと多様化していて、完全に社会的に認知されたな存在になっていますよね。こういうことが起こるのが、この領域の面白いところだなと率直に思います。

 ユーチューバーはマーケターとは少し違いますが、今デジタルマーケティングといわれる業務には下のようなものがあります(あくまで参考)。

デジタルマーケティング業務範囲(例)

 こう見ると領域も広く、細分化、専門化が進んでいて現場の実務でいうとあれもこれもできる、っていう人はあまりいません。例えば同じ広告でも、SNSが得意な人と動画が得意な人がいます。経験した業種、業態によってマーケティング的な視点も違いがあり面白いです。

 私が客観的に見た印象では、特にデジタルやWeb系のマーケターの人の中には、マーケティングを体系立てて考えない、知らない人が多いと思います。ただ、それがダメだとも思いませんし、体系立てて知っているから凄いとも思いません。それぞれの範囲、領域の専門家であることは間違いなく、効果、成果を求めると、結果的に体系立てた考え方に近づいて行ったり、知らないうちにそういう考え方が身につくものです。そういう優秀なマーケターにたくさんお会いしてきました。

 それよりも、テクノロジーやデバイスの変化により手段、手法が変化していくため、その変化をキャッチアップしたり、結果新しいメソッドが生まれたりという事の方が興味深いですし面白いです。本当にエキサイティングな領域だと思います。

 私がデジタルのマーケティング業界に飛び込んだ2000年初頭には、まだ日本ではGoogleはほとんど知られていませんでした。Facebook、Twitterも設立前で、スマホもありませんでした。当時からするとものすごい進化、発展ですよね。この先、10年、20年後にどうなって行くのか、どうなるのか想像するとワクワクや面白そうなことしか思い浮かびません。おそらく想像もしなかったことが次々と実現していくんでしょう。

 少し前に、今後○○年で無くなる仕事、みたいな特集がはやりましたが、無くなる仕事もあれば新しい仕事も生まれます。新しい仕事に就けば、開拓者じゃないですがそこでトップ取れたり、誰も経験をしていないことが出来たりします。極端なことを言うと、ゼロから作り出すことが出来ます。そういうのって、楽しいですよね。ワクワクします。

 デジタルマーケティングの業界で働いていて、大なり小なり、そういう事に関わっているという事が幸せに感じます。周りのマーケター、一人一人もそう感じているのかわかりませんが、今までも、これからも、そういったことに係れる幸せを感じて働いていきたいですね。

 そして、どんどん若い人たちにこの領域の仕事を経験して欲しいと思います。未踏の領域で、新しいことをやって、それで稼げたり評価されたりってワクワクしませんか。

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