#014 見習うべきは女性の文章
拝啓 頭がいいと思われたい方へ
今回の記事は、
前回「#013 リクルートで学んだこと」のつづきのような内容です。
入社後の新人時代、
「女性が書いたエッセイを読みなさい」
わたしは上司から、そのようにアドバイスされました。
まずは、そのときの様子を詳しくお話しします。
自分の書いたコピーを上司に見せたところ、
「漢字ばかりで、お前は中国人か?」と言われ、
「お前のコピーは難しすぎるんだって」と指摘され、
「読者はそもそもお前の文章に興味なんてない」と強烈パンチを喰らい、
そのあとに言われたことが、
「女性の書いたエッセイを読んで勉強しろ」でした。
猛省しました。
あっ! 言い直します。めちゃめちゃ反省しました。
スクール情報誌「ケイコとマナブ」の読者(メインターゲット)は、
「なんか、面白そうなお稽古事、ないかな、ないかな~」
「なんか、いまのわたしに役立ちそうな学びごと、ないかな、ないかな~」
そんな気分で、ページをパラパラとめくるF1層(20~34歳の女性)。
ヒマつぶしも兼ねて、掲載情報のあちこちに目をやるひとたち。
お昼休みとか、帰宅後のリビングとかで、
ターゲットがリラックスしながら、ページをパラパラしています。
そこへ突如現れる難しい言葉・表現なんて、
即行読み飛ばされるし、リラックス気分も台無し。
紹介したいおトク情報も、おもしろネタも、読まれない。
クライアント情報(講座情報)も素通りでページをめくられ、
場合によっては、ケイコとマナブ自体をパサリ閉じられてしまう。
自分の書くコピーと読者(メインターゲット)との大きな隔たりに、
「このままじゃ、マズい」と危機感を覚えたわたしは、
素直に上司からのアドバイスに従って、
女性が書いたエッセイを読み始めました。
当時、女性誌には必ずと言っていいほど、
エッセイが連載されていたので、書店での立ち読み含め、
さんざん読みまくりました。
分かったことは、読みやすくて、面白くて、心地がいい。
睡眠不足の最中でも、脳ミソが疲れていても、読めてしまう。
おかげで、わたしのコピーは、劇的に変わりました。
いまでは、こんなことに気をつけて、書いています。
①平易な文章で分かりやすく書こう
②うんざりされないコピーを書こう
③漢字を、ひらがな or カタカナに置き換えてみよう
④中学1年生でも読める文章を書こう
⑤できればユーモアを交えよう
⑥六でもない。もとい、碌でもないプライドは捨てよう
⑦この[note]および[小説]には、ルビ(ふりがな)を振ろう
わたしの場合、
本業(広告の仕事)でも、この[note]の記事でも、
趣味の小説執筆においても、上記 ①~⑥+⑦ が基本になっています。
小説執筆について、もう少し書きます。
わたしは、長編の時代小説(執筆途中)を、
後輩女性に読んでもらったことがあります。ずいぶん前のことです。
彼女の感想は「なんだか難しいですね~」でした。
設定しているターゲット(ペルソナ)ではないにせよ、
読書が趣味の女性からの「なんだか難しいですね~」は、
かなりショックでした。
要するに「読みづらくて面白くない」ってことです。
なので、執筆を止めました。(いつか、ゼロから書き直す予定です)
こちらのリンク先で、その時代小説の冒頭シーンを載せています。
さて、この記事の最初に、
[ 拝啓 頭がいいと思われたい方へ ]と書きました。
この対象者は、碌でもないプライドを持っている方のことです。
わたしも対象者で、男性の方に多くいらっしゃいます。
大学生のとき、履修した講義で使用する教材として、
その講義を担当する教授が執筆した書籍を買わされました。
値段を見て「高っ!」と思い、
読んでみて「読みづらっ!」と嘆きました。
…… 大学生あるあるですが、このケースでは教授がその対象者です。
専門書は仕方ないにせよ、評論家さんの書いた本なんて、
碌でもないプライドを持っているが故に、
マジで読みづらい本があったりします。
プロの小説家さんのなかにも、対象となる方はいます。
小説家志望の方のなかにも、たくさんいらっしゃいます。
わたしも若いとき、なまじ日本近代文学を読んでいたせいで、
いまだに「頭がいいと思われたい願望」があります。
マジで男性に多いです。情けないったら、ありゃしない。
なので、わたしは努めて、
前述した[①平易な文章で分かりやすく書こう]
この自分に課した約束を思い出すようにしています。
…… さぁ、そろそろ、まとめに入ります。
男性は「頭がいいと思われたい願望」が強くて、
難しい言葉・表現を使いたがる傾向があるように思います。
小説の描写では、押しつけがましく感じることがあります。
女性は「ちゃんと伝えたい欲求」が強くて、
共感し合いたいからこそ、分かりやすい言葉を選んでる?
そんな気がする瞬間があったりします。
小説の描写では、同性じゃないため、
表現によっては、まったく共感できないこともあります。
ちなみに、
わたしのことを分かってほしい願望が強すぎるひとの文章は、
男性女性問わず、まったく理解できないこともありますし、
「大丈夫ですか?」と心配になることもあります。
…… さぁ、フィニッシュです!
日本において、誰もが知っている小説家は、紫式部さん。
日本において、最も有名なエッセイストは、清少納言さん。
紫式部さんも、清少納言さんも、女性です。
見習うべきは、女性の文章。わたしはマジでそう思っています。
ちなみにわたし、
大河ドラマ「光る君へ」は、
すでに離脱してしまい、もう観ていません。
朝ドラ「虎に翼」は観ています。
[告知]
GW、この本を買って読みます。
とても売れているみたいです。
~ 読んだあと、感想を記事にします ~
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