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プロット「双子の天使」

この作品は、
ターゲット&コンセプト(メッセージ)を設定していないため、
わたしが定義しているプロットではありませんが、
この「ちたまリセット」の元ネタなので、あえて掲載けいさいします。

15年ほど前、パニック障害を発症はっしょうし、
つとめていた会社を退職。
ちょうどんでいた時期に書いた作品が、この「双子ふたごの天使」です。
んでいるときの作品は、
その内容もやっぱりんでいます。…… ごめんなさい。


~ タイトル:双子ふたごの天使 ~


ある夫婦の間に待望たいぼうの子どもが産まれた。
双子ふたご女児じょじだった。

娘たちは成長していくにつれ、
徐々じょじょに不思議な行動を取り始める。
まだ物心ものごころつく前にもかかわらず、
そろってテレビを食い入るようにていたり、
外出時には、草木や動物と会話するような仕草しぐさをしていたり。
夫婦はまったく気にしていなかったが、
娘たちが5歳を迎える頃、彼女たちの身体に起きた異変に気づく。

左右の肩甲骨けんこうこつあたりに、小さな突起物とっきぶつ
夫婦はさっそく病院へ連れて行った。
検査の結果、骨が変形し始めているという。
その突起とっきは、日に日に大きくなり、
やがてまるで鳥の羽根のように変形していった。

夫婦は娘たちの奇形きけいに恐怖した。
病院に行くことをやめ、こっそり教会へ相談に行った。
牧師は「天使の生まれ変わりに違いない」と言ったが、
夫婦は娘たちのすえあんじ、
牧師に「黙っていてほしい」と頼んだ。

その頃から娘たちは、両親が寝入ねいったあと、
昼間たニュース映像の場所へ、生えた羽根で向かうようになった。

世界のいたところで繰り返される、
人間たちのエゴによる、犯罪・戦争・乱獲らんかく・環境破壊。
娘たちは毎晩、あちこちの現場を見て回った。
遠い場所は、近くで暮らしている子どもの意識に入り込み、
その子どもの目を通して、その現場を確認した。

そしてある日、娘たちは世間にさらされる。
黙っていてほしいと頼まれていた牧師が、
約束を破って、娘たちをメディアに暴露ばくろしてしまった。
両親の抵抗もむなしく、
「天使の生まれ変わり」として、世界に報道される娘たち。

世界からの耳目じもくを集める娘たちは、
人類に向かって語り始める。
「みなさん、いますぐあらためなさい」
「地球のために、いますぐエゴをめなさい」

年端としはも行かぬ彼女たちの、
啓示けいじにも似たその言葉に世界は歓喜かんきする。
ところが、世界各地で続く人間たちのエゴはむはずもない。
娘たちの日課であるニュースの視聴では、
自分たちの報道のあとに、
犯罪・戦争・乱獲らんかく・環境破壊などの映像が流れる。

ついに娘たちは決心する。
両親を呼び、
「パパとママは助けてあげる。だから絶対とめないで」
そう告げて、彼女たちによる人類の抹消まっしょうが始まった。

娘たちは世界の子どもたちの意識に入り込み、
周囲の大人たちをどんどん殺し始める。
殺し終えたあと、子どもたちは自ら命をっていく。
見かねた両親は、娘たちの行動を止めようとする。

制止せいししようとする両親に対して娘たちは、
「ママ、さようなら」と言って、母親を殺してしまう。
「パパはどうしよう?」とふたりは相談し、殺さないことに決めた。

やがて人類は、
双子ふたごの娘たちと父親の3人だけになった。
父親は娘たちにたずねた。
「どうしてパパを殺さなかった?」
「パパのたねがないと、私たちが繁殖はんしょくできないから」
それが娘たちの理由だった。
愕然がくぜんとした父親は、自ら命をってしまう。

「死んじゃったね」と双子ふたごのひとり。
「もう繁殖はんしょくできなくなっちゃったね」
「ううん、大丈夫だよ」ともうひとり。
「どうして?」
「ほら、あたしの方におちんちん生えてきたみたいだから」


おしまい



※旧約聖書の「ソドムとゴモラ/ロトとその娘たち」と、
 ラファエロの絵画「システィーナの聖母」の下部に描かれた、
 頬杖ほおづえをつく「ふたりの天使」がモチーフになっています。
※とにもかくにも、この物語は、わたしの黒歴史です。
 しかし、ポジティブなコンセプト(メッセージ)を設定して、
 大改造すれば、まったく違うストーリーになります。
 プロット「ちたまリセット」と、
 この「双子ふたごの天使」は、似ても似つかぬストーリーです。
※ちなみに「パニ障」ですが、
 会社退職&地元Uターンしてから発作ほっさもなくなりました。


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