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小説|赤いバトン[改訂版]|全20話&あとがき

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昭和58年、愛知県某市の中学校。ある一人の女性教諭から始まった不思議な縁(えん)。昭和から平成、そして令和へと、さまざまな世代が感謝の環(わ)でつながり、やがて大団円を迎える。
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#三重県

小説|赤いバトン[改訂版]|第1話 卒業の日(語り:ユカリ)

わたしが通っていた三重県のある中学校では、卒業証書を入れる丸筒の色が赤でした。一般的には…

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小説|赤いバトン[改訂版]|第2話 折り紙(語り:リカコ)

姉のユカリは、昨年結婚して、名前が[小荒ユカリ]になった。 旦那さんの苗字の小荒(こあら…

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小説|赤いバトン[改訂版]|第3話 親友(語り:コトノ)

大学時代の友人リカコとは、定期的に呑みに行っている。同じ大学の教育学部を卒業して、二人と…

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小説|赤いバトン[改訂版]|第4話 赤ミソジーズ(語り:ノリコ)

勤務先の小学校から一度帰宅して、ジャージからブラウス&スカートに着替えて、急いで最寄り駅…

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小説|赤いバトン[改訂版]|第6話 校長先生(語り:リカコ)

東山動植物園(えびせんべ)=姉から電話が掛かってきた。 「お疲れさまー。リカコ、今ええ?…

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小説|赤いバトン[改訂版]|第7話 尾張が始まり(語り:ユカリ)

妹リカコから、 「ウチらの地元の中学校も、このエピソードを参考にしたみたいやに」 そう聞か…

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小説|赤いバトン[改訂版]|最終話 終わりが始まり(語り:ユカリ)

ココミさんは「これが便箋のコピーです」と言って、 A4サイズ二枚を渡してくれた。 わたしが読み始めると、 「このエピソードをコアにしたラジオドラマを作りたいと思っていまして」 ココミさんはそう言って、わたしが読み終えるのを待っていてくれた。 読み終えたわたしは、 「いじめを止めたんだ。……スゴい、二年D組」とつぶやいた。 「二年D組? えっ? そんなこと、どこにも書いてないですよね」とココミさん。 きっとココミさんは、まずわたしに読後の感想を訊くつもりだったと思う。 しかし

小説|赤いバトン[改訂版]|あとがき

ユカリとリカコの姉妹は、三重県津市出身。リカコの友人コトノ(赤ミソジーズ)は、岐阜県美濃…

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