小説|赤いバトン[改訂版]|最終話 終わりが始まり(語り:ユカリ)
ココミさんは「これが便箋のコピーです」と言って、
A4サイズ二枚を渡してくれた。
わたしが読み始めると、
「このエピソードをコアにしたラジオドラマを作りたいと思っていまして」
ココミさんはそう言って、わたしが読み終えるのを待っていてくれた。
読み終えたわたしは、
「いじめを止めたんだ。……スゴい、二年D組」とつぶやいた。
「二年D組? えっ? そんなこと、どこにも書いてないですよね」とココミさん。
きっとココミさんは、まずわたしに読後の感想を訊くつもりだったと思う。
しかし