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世界オンライン旅(5カ国目:オーストラリア)

「デザイン」という単語から連想するのは、美、センス、解決、すっきり、おしゃれ、などだろうか。

しかし、知人のオーストラリア人で、Displeasing Design (不快なデザイン)というコンセプトの活動を行っているブレンダンという奴がいる。

名前の通り、常識的な感覚からすると不快になるような下ネタ、グロ、醜悪のオンパレードなのだが、世の中のインフルエンサーが、「強さ」や「賢さ」や「豊かさ」や「豪華さ」や「美しさ」や「可愛さ」をこれでもかと競い合っている中で、真逆の方向へ進んでいることが何より面白い。

百聞は一見にしかず、ということで、とりあえず、比較的マイルドな一枚を紹介しよう。(リンク先のインスタのページは下ネタ・グロが多いので苦手な人は注意!)

決して万人ウケするコンセプトではないし、特に購入意欲をそそられることもないのだが、それでもついつい見てしまう。(そうでもないか?)


さて。ブレンダンはオーストラリアのメルボルン出身だ。メルボルンと言えばカフェやストリート・アートで有名であるが、そうしたカルチャーに揉まれまくった末に、この不快デザインに辿り着いたのかもしれない。

知り合ったのは7年前の2014年。彼が東京に来た際に泊めてあげたのがきっかけだ。ブレンダン本人は、オージー特有の適当さと気前の良さを持ったナイスガイだった。ブレンダンの彼女はヴィーガンであったため、外食には苦労していた。ラーメンもダメ、寿司もダメ、牛丼もダメ、となると、入れる店は非常に限られる。今でこそ少しずつベジタリアンやヴィーガンの違い、またグルテン・フリーなども日本に浸透してきたが、当時はまだまだ知られていなかった。東京滞在時は僕がヴィーガン対応のレストランを案内していたが、日本の田舎ではなかなか理解されなかったようだ。そうした苦労がある一方で、彼は日本の旅行中に面白いと感じたものを写真に撮ってシェアしてくれた。マグロの頭だったり、犬の糞禁止!の看板だったり、コンビニにあるエロマンガの表紙だったり、ゲゲゲの鬼太郎のお菓子のパッケージだったり。

それから数年が経ち、ブレンドンは「不快なデザイン」活動を始めた。日本旅行の経験が「不快」のアイデアにつながったのかは不明だが、彼の「快い」性格と、「不快なデザイン」活動のギャップが、僕にとってはなんとも魅力的なのだ。

彼のインスタのストーリーにリアクションしたら「よう、元気か?」とメッセージを返してくれた。

そっちのコロナの状況はどうだ、今は全然旅行いけないよな、メルボルンに来たら必ず連絡くれよ、といった数回のやり取りではあったが、急にメルボルンが恋しくなるのだった。


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