mabo

よいの戯言 日本周遊中

mabo

よいの戯言 日本周遊中

最近の記事

  • 固定された記事

これからの時代

※これは物語ではなく、一匹の人間の独り言です 困難な状況は人間を考えさせて、 考える癖は自問自答を促し、 自問自答をやるにつれて、 人々はより本質指向になって、 根本を見るようになると、 より良いものを求めるようになり、 今まで "表面" を覆っていたお金と、 その "根本" にある信用は、 価値の大逆転劇をおっぱじめる そうなると資本主義は勢いを失い、 今までメンヘラみたいに共依存していた "お金"と"信用"は、徐々に切り離される お金に価値が失くな

    • できるだけ遠くの未来を見てみる いまやっていること、いま案じていること、生きている今のこと それの先を考えてみる いわば未来の自分像 これは過去をふりかえってみるとやりやすい 思い出せる限りの過去の自分像 表裏一体の二重螺旋状 過去を見て未来を見て自分は広がる 広く自分を認識すると今が活きてくる 未来のためにいまやっておいた方がいいこと 成るべくして為すこと 生きるべき今を生きること 思案する過去いま未来の程

      • 拝み雨蛙

        戦後幾年後、兵庫は六甲山系の金鳥山で発見された雨蛙。  古神道の世界では、一文字一音に抽象的なイメージがある。 またそのため同音異義語にも、共通した思念があるとされる。  例えば「カ(ka)」にはチカラ、「ハ(ha)」には引き合う、「ツ(tsu)」には集合。雨と天は「アマ」で同音、意味はご割愛。  カエルの古称はカハツ。  つまりアマカハツには本人が何と言おうと、「天の力が引き合い集合するトコロ(モノ)」という、なんともおめでたいメッセージが勝手により与えら

        • 江ノ島の海染め

          およそ二万年前の関東平野南端部、海面の上昇により出来た孤島は、約1500年前に江ノ島となった。  白玉ぜんざい、山ふたつ、龍穴。 富士山からの風が吹き抜ける岩屋は、昔の音が染みている。  江ノ島の弁財天は安芸の宮島、近江の竹生島と並び日本三大弁財天と称される。  芸能・商売・勝運などのご利益がある弁財天だが、近年は恋愛成就・縁結び・多目的不倫にまでご利益幅を伸ばしている。  源頼朝が47人の武士と共に気合いを入れ、役小角や空海などのそうそう

        • 固定された記事

        これからの時代

          忍野の空籠る湧池

          その昔、奥州のとある虚無僧が忍野を訪れたときのこと。  まるで空が籠っているかのような湧池に泳ぐ鯉を見つけ、「これを見れば、天の海に池の鯉も漂うやうにぞありける。」と打ちひしがれ、半俗半僧である己の身と重ね合わせた後、虚無に陥ったという。  全国行脚を終えてから彼は、鯉を模した布型を弟子に作らせ空高く飾ったが、それが鯉のぼりの原型だとされる。  嘘。

          忍野の空籠る湧池

          浅酔いの夢

           一瞬横から強く吹き上げた風が、煙草の先端でじりじりと燃える火種を強くした。それと共に小さな火の粉が宙を舞い、暗く染まる辺りに赤い光を飛び散らせ、そのまま闇に消えていく。そんな目の前の光景をぼーっと眺めていると、咥えていた煙草がふいに口元からこぼれ落ちて、そのまま真下に置いてある、まだ湯気の立つ珈琲の入ったコップめがけて落ちていく。あっとも言えぬ間にそれは、空しい音と小さな水しぶきを立てて、黒い液体の中に沈んでいった。  折り畳みの小さな机の上で再度お湯を沸かす男は、山の上

          浅酔いの夢

          放浪者が信じるもの

           ”信じる力は世界を救う”。そんな言葉をどこかで聞いたことがある。とは言っても私は、自分の正義を信じて世界の平和を守りたいわけでもなければ、悪を退治するヒーローになりたいわけでもない。ただ、在りのままの世界を見たいだけだ。  世界は人間の思い込みや決め付けで溢れかえっている。地球上に何億人もいる人間のそれらによって、世界が成り立っていると言っても過言ではないとさえ思っている。例えるなら、そう、チョコミントを例に出してみたらどうだろう。美味しいと思う人もいれば、歯磨き粉の味がす

          放浪者が信じるもの

          水の国と二人の旅人

           新緑が輝く草原に、ぽつりぽつりと背の高い木が呼吸をするように揺れている。長く緩やかに蛇行する一本道が続く先には、建物や電波塔などの人工物が小さく見えていて、そのまた奥には遠くからでも大きく見える山々が、霞がかってそびえ立つ。二人の旅人は荷物を降ろし、一本道から少し外れたところの傘の広い木の下でひと息ついていた。 「もう少しだよ。あそこの都市で、今夜は泊まろうか。」  まだ日が暮れるには十分の時間があったが、長い道のりを歩き疲れた二人は早く腰を下ろしたい気分でいた。 「ちょっ

          水の国と二人の旅人

          カメレオン

           淵がギザギザしている十円玉や、金のエンゼルにときめかなくなったのはいつからかだろうか。 「魔女の宅急便」のキキが、ジジと話せなくなったあの日からか。はたまた、プロサッカー選手になる夢を諦めたあの日からか。  最後に蝶々を眺めていた日を、その時の感情を、僕は未だ覚えているのだろうか。 年を重ねた今、代わりに眺めているのはスマホの画面や雑多なあれやこれや。  そういえば最近、乗りはじめた車と同じ車が町で走っているのをよく見かけるようになった。 僕が乗りはじめた瞬間、メーカーが

          カメレオン

          初心

           その男は都会の喧騒の中に生を受けた。生まれてこの方、自然の緑は常に遠く、コンクリートのジャングルに育て上げられた。生来精神軟弱で、それがため、多くのインスタントなもので本心を覆い隠すのが癖になっていた。また、手間を嫌った。都会に溢れる玉石混交の常識のノイズは、まるで神経毒のように男を無意識のうちに麻痺させる。比べたがる周りに男も負けじと自己を主張するも、だんだんと精神は擦り減り、ある日居場所を求めている自分に気が付いたとき、荷物をまとめて田舎行きの電車に飛び乗った。  イ

          初心

          想像力

          目を閉じると、色とりどりの曼陀羅模様がまぶたの裏に映し出される。 それはまるで生きているかのように、色を変え形を変えながら暗闇に漂う。 そういえば、遠くの方で同じ音楽が繰り返し鳴っているような気がする。 意識した瞬間鮮明に聞こえてくるが、気のせいだと思えば二度と聞こえないような。 頭の中を駆け回っているこの聞き覚えのない旋律は、一体どこから来ているのだろう。 目を開けると、焚き火の炎が膝丈の高さにまで立ち上ぼり、周りの物体に影を付け、まだ湿り気のあった薪木をぱちぱち言わせてい

          想像力