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リトリートツアーガイドさん。微妙な顔合わせからの、その先(2018年49歳) 余談:第三弾

こちらは、本エピソードの余談、しかも第三弾です(どんだけ長いんだ😅)。かなり長いので分けてUPします。
本エピソード及び余談:第一弾第二弾が気になる方は、下記をぽちっとお願いします(*/ω\*)

※本エピソードこちら👇

※余談:第一弾はこちら👇

※余談:第ニ弾はこちら👇



◆前回(余談:第ニ弾)のあらすじ

本エピソードを公開するにあたり、文章の臨場感を高めるような「現場の写真」が全く無いことに気づき、4年後の同時期に再訪した私。

駅前で「電動アシスト自転車」をレンタルし、思い出の山を巡り、海へ
名所である大岩を近くで見ようと初チャレンジしたものの、その足場の悪さに四苦八苦する。
だが、そこで出逢ったひとりの若き男性安全なルートを示していただき(出逢い②)、迫り来る「自転車返却時間」「満潮」にヒヤヒヤしながら、なんとか復路を辿り始めたのであった。

潮時には、岬のように陸続きになる、二つの大岩。


余談その4 「本エピソード用の写真」を撮るため、4年後に再訪した時の5つの出逢い、つづき

③ ②の後に出逢った若者男性グループ

その後、引き続き慎重かつ大胆に石を飛び移っていると、「あと少しで砂浜!」という地点で、前方に若き男性グループ(大学生か新卒位の方が5名ほど)を発見した。

「これ、どうやって行くんだよ!!」「(大岩まで)行けんのか?これ!?」とワチャワチャする彼ら。

そんな彼らに、“お節介的使命感”が湧き上がった私。
『よし、ここは先駆者として、この歳でも渡れたという実績を示そうではないか!』
と自らが手本となって、若人の横を華麗に通り抜けようと、調子に乗ってピョンピョンと連続で渡った。

そしたら、よりによって彼らの近くで、見事にドボンドボンと両足完全水没。彼らより「うぇ~~~ぃ!!」との声をいただき、赤っ恥をかく。
が、すかさず爽やかスマイルで「石が滑るから気を付けて下さい!」と謎の意地を見せる、五十路女……。

……とそこで、グループの一男性がふと目に留まった。
見た目、クールで感受性が強そうな、唯一アート系っぽい方。
モノトーンコーデなのも相まって、あの名曲「Lemon」を歌い出しそうな佇まいである。

彼は、この一連の流れをグループの後方で静観していたのだが、すぐに私から視線を逸らすと、仲間をよそに一人岩に腰をかけ、がっつりスマホを見始めた。
……どうやら、無言のリタイアを決め込んだ模様である。

そう、おそらく彼はもともと乗り気じゃなかったのだろう。
そこにダメ押ししたのが、私の水没姿だったのだろう。

その後、実際彼らがどうしたのかは分からないが、私は若者の成長の芽を摘んでしまったような、微妙な気持ちになった。
でも一方で、『潮が満ち始めていたから、「行かない」という判断要素を印象づけたのはあながち間違いじゃなかったかもしれない』などど、無理くり思ったりなんかもしたのだった。

……にしても、あー恥ずかしかったーー(*/ω\*)!

④砂浜ですれ違ったご夫婦

無事砂浜に帰還した時、私より先に大岩から戻られていた40代位のご夫婦が、辿って来た景色をぼんやり眺めながら佇んでおられた。
(ちなみに奥さまは、小型ワンちゃんを両腕にホールドしながら、あの険しいゴロタ場を往復した猛者 ( ⓛ ω ⓛ *)スゴイ!)。

先を急ぐ私は、お二人の横をスッと通り過ぎたのだが、奥さまが旦那さまに放った言葉が、風に乗り、聞こえて来た。
「でも、あんなに遠くまで行ったんだよ~!!すごいよ!……だって、今日が一番若いんだから!」

会話の前後が聞き取れなかったので詳しい内容は分からなかったが、なんとなくその言葉が胸に響いた私であった。

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ゴロタ場往復体験の総括
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とにかく、両足水没後の私は怖いもの無しだった。
水に浸かるのを恐れておずおず進むより、断然自由で楽しかった。
(もしかしたら、海水でちょっと浄化もされたかも😇?)

とは言え、自分が渡れる石を見極めながら慎重に進むのも、喉元過ぎれば良き経験。しんどかったし大変だったけど、なかなかに楽しかった気がする。

「どの岩石を選んで、どう進んで行くのか?……もしくは、進まないことを選ぶのか……?」
あのゴロタ場で、様々な方々の様々な選択を観察していたら、大岩までの道に「その人の生き方そのもの」を見たような……そんな気がした。


ゴールまで延々と続く、険しきゴロタ場(所々水没している箇所あり)。
どの石を選んでどう進むのかは、身体能力やモチベーションによって人それぞれ。
自分だけのチョイスで、唯一無二の経験となる。


⑤観光案内所のステキな係の方

この日、オトモになってくれた「電動アシストレンタサイクル」は、駅前の観光案内所でお借りしたのだが、係のご婦人が懇切丁寧でアドバイス上手、聞き上手な、とても素敵な方であった。
おかげで、快適に回遊出来たのとともに、なにより楽しい会話が生まれたことが本当に嬉しかった。

坂道が多いので、電動アシストが大活躍でした!


で、その会話の中で驚いたことがひとつ。
きっかけは、返却時の私のふとした笑い話。
「大岩までの往復は、結構大変ですね!両足、海にハマっちゃいました~!あはは……😅」

本当に軽い気持ちのトークだった。けれど、係の方は神妙な面持ちでおっしゃったのだ。
「ええっ!大丈夫でしたか!?……よくぞご無事で……」
私は少々重いそのトーンにひっかかりつつも、
「……はい、大丈夫でした!他の方も渡っていましたし……」
と答えると、なんと「観光所としては、危険なのであまりおススメしていない」とのこと。
何故なら、潮や天候の状態、はたまた滑る岩で戻って来られず、レスキューが出動することもあるからなのだそうだ。

ものすごく驚いた私。帰宅後、早速インターネットで調べたところ、大岩で釣りをされたという方のブログを発見。それによると、真っ昼間、しかも釣り用の完全装備をしていたのにもかかわらず、波に押され何度も体全体が水没したとのこと。

「……やはり、自然をなめてはあかん!」
自分の行為を顧みて、少々ぞっとした私。
「そうか、だからリトリートツアーの時、ガイドさんは連れて行かなかったのかも……」
あらためて、ガイドさんに感謝。そして、学びを与えて下さった係の方にも感謝したのだった。