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マモの剣-第一章 マモ族の目覚め-

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マーモットの長編物語 第一章
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マモの剣-第一章 マモ族の目覚め-第十一部-聡明の決意-

マモの剣-第一章 マモ族の目覚め-第十一部-聡明の決意-

 聡明はくい坊が飼われている家を後にして、マモ村に戻ることにした。悔し涙を腕で拭いつつ長い坂道を登った。坂道を登りきったところの大きな岩にさすらいが待っていた。さすらいは聡明を見つけて駆け寄ってきた。「とても心配してたんだぞっ、とにかく長老のところに行こう。話を聞かせてくれ」聡明は慌てて涙を拭いた。長老の巣穴に行くと、キッキが長老から手当を受けていた。聡明は長老をはじめ、さすらいとキッキにも人間の

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マモの剣-第一章 マモ族の目覚め-第十部-くい坊の決意-

マモの剣-第一章 マモ族の目覚め-第十部-くい坊の決意-

 聡明はしばらくくい坊がいる家の庭でうつ伏せで倒れていた。くい坊さんが食べ物に釣られて飼い慣らされてしまっていることや、自分の弱さを考えると悲しかった。剣を抱えながら、「僕は本当に勇者の血を継ぐものなのかな。さすらいくんの言うように僕のご先祖様が巣穴の中でたまたま剣を見つけただけの話じゃないのかな」そう思うと涙が出てきた。人間は僕たちが知らないような美味しい食べ物をたくさん持っている。それに力の差

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マモの剣-第一章 マモ族の目覚め-第九部-不思議な四角いもの-

マモの剣-第一章 マモ族の目覚め-第九部-不思議な四角いもの-

 夜になって家の明かりが灯り始めた頃、聡明はくい坊がいる家の窓にいた。くい坊は丸くて固い食べものを一心に食べている。くい坊の頭の上にはその丸くて固い食べものが乗せられていた。飼い主の男がくい坊に何やら四角いものを向けていて、よく見るとその四角いものには、くい坊が食べている様子がそっくりそのまま映し出されていた。「あの四角いものはなんだろう。くい坊さんの行動がそっくりそのまま映っている」聡明はしばら

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マモの剣-第一章 マモ族の目覚め-第八部-再会-

マモの剣-第一章 マモ族の目覚め-第八部-再会-

 キッキが見覚えのある坂道を登っていると、途中で聡明とさすらいに出会った。キッキは泣きながら聡明とさすらいに駆け寄って「くい坊さんが、人間に連れて行かれましたっ」と叫んだ。聡明はさすらいにキッキをマモ村まで連れて帰るように頼んで、急いで市場の方に走り出した。聡明が市場に到着した頃にはすっかり日が暮れて人間は一人もいなくなっていた。聡明は市場を駆け抜けて、人間たちが住む村まで来た。平家がぽつんぽつん

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マモの剣-第一章 マモ族の目覚め-第七部-市場-

マモの剣-第一章 マモ族の目覚め-第七部-市場-

 その頃、キッキとくい坊は人間たちが集まる村の市場の片隅にいた。人間たちがキッキとくい坊の檻の周り集まってきて興味深く眺めていた。ブローカーの男は、集まってきた人間たちに向かって「めずらしい生き物だよっ、ここでしか買えないよっ、でぶっちょも小さいのも同じ値段だっ」と威勢よく声かけをした。すると、1人の男がキッキの方をじっと見て、「かわいい顔をしてるな」と言った。キッキはその男に向かってキーッと叫ん

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マモの剣-第一章 マモ族の目覚め-第六部-怪しい男-

マモの剣-第一章 マモ族の目覚め-第六部-怪しい男-

 その時、背後から「おっ、二匹入ってるな」と声がした。キッキとくい坊が声の方を見上げると、顔は浅黒く卑しい目つきの男がニヤニヤしながら立っている。「人間だっ」キッキは振り返って草原のほうを見たが、仲間の姿はない。くい坊はこれから何か恐ろしいことが起こるのではないかと思い震えた。卑しい目つきの男は檻の隙間から丸くて固い食べ物を二枚投げ入れた。「今からお前らを市場まで連れて行くからそれまでせんべいでも

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マモの剣-第一章 マモ族の目覚め-第五部-箱罠-

マモの剣-第一章 マモ族の目覚め-第五部-箱罠-

 翌日、ブローカーは、せんべいを入れた檻の罠を食いしん坊五人組の巣穴近くに置いて帰った。次の日の朝早く、くい坊が草を食べようと巣穴から外を覗くと、何やら四角い箱が置いてあることに気付いた。目を凝らしてよく見ると箱の中に丸いものが置いてある。「あっ、あの丸くて固い食べ物だっ、俺が夢にまで見たっ」とくい坊は興奮した。しかし、見張り隊三匹が朝から見張りに立っている。今日は、見張り隊三匹のうち、隊長である

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マモの剣-第一章 マモ族の目覚め-第四部-食いしん坊五人組-

マモの剣-第一章 マモ族の目覚め-第四部-食いしん坊五人組-

 翌日、村のマモ達を集めた集会が開かれた。長老は集まったマモ達に向かって「皆も知っての通り、人間によって我々の生態が脅かされておる。食べ物の誘惑は恐ろしく、我々はその誘惑に打ち勝つ必要がある。そのため、本日より人間から食べ物をもらうことを禁止とする」この長老の発言にマモ達はざわついた。この突然の決まり事にあからさまに反対の態度を示したのはマモ達の間で食いしん坊五人組と呼ばれている五匹だった。この五

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マモの剣-第一章 マモ族の目覚め-第三部-旅-

マモの剣-第一章 マモ族の目覚め-第三部-旅-

 次の日の朝、聡明マモは背中に剣を背負い、長老からもらった薬草と松の実が入った小さな袋を腰に結びつけて巣穴を後にした。「昨日は長老の前で大見得を切ったけど、やっぱり少し不安だな、僕は本当に勇者なんだろうか、そして無事にキッキさんに会えるんだろうか」聡明マモはそう言いながら背中に背負った剣の紐を握りしめて歩き始めた。草原を歩くと目立つのでなるべく茂みが多いところを歩いた。鳥の鳴き声が聞こえる度に、立

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マモの剣-第一章 マモ族の目覚め-第二部マモの剣-

マモの剣-第一章 マモ族の目覚め-第二部マモの剣-

 翌る日、聡明なマモは巣穴の一番奥の土の中に隠してある布に包まれた剣を取り出し、大切そうに抱えながら長老の巣穴に向かった。長老の巣穴の前まで来ると長老が出迎えてくれた。その横でさすらいマモも待ち構えていた。長老が笑顔で「今日は大事な剣を持ってきてもらってすまないな」と聡明マモに伝えた。聡明マモはひざまずいて布に包まれた剣を長老の前にゆっくりと置いた。聡明マモが丁寧に布を広げると銀色の鞘に入った剣が

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マモの剣-第一章 マモ族の目覚め-

マモの剣-第一章 マモ族の目覚め-

あらすじ
 モンゴルに広がる草原に住むマーモット族の物語。一部の悪い人間によって、マーモット族が絶滅の危機に立たされていた。絶滅の危機を回避するため開かれたマーモット族の会議で、かつては、マーモット族は勇者として戦っていたと主張する者がいた。その者は勇者の血を引く者の証として先祖代々伝わる剣を持っていた。
 マーモット族の二匹が人間によって仕掛けられた罠にかかって捕らえられたことをきっかけに、勇者

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