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間違った行動パターンを繰り返してしまう【心理的ゲームとは】

頭では分かっているのに、つい繰り返してしまう。

本当はやめたいのに、なぜかその人と話しているといつも似たような喧嘩になってしまう。

そんなことはありませんか?

今回は「心理的ゲーム(心理ゲーム)」と言われる間違ったコミュニケーションパターンについてのお話です。

自分の陥っているパターンに早めに気づくことで、人間関係のこじれを改善させることができますよ。


心理的ゲーム(心理ゲーム)

こんにちは。

NLPプラクティショナー、LAB®プロファイルプラクティショナー、アドラー心理学勇気づけ講師のまあこです。


さて、心理ゲームについてですが

交流分析の心理学、エリック・バーン博士によると

非建設的、自滅的に繰り返されるコミュニケーションのパターン

のことを心理ゲームと呼びます。

このゲームは無意識に行われており、行っている本人にも自覚はありません。

バーン博士は、このゲームは最後には両者が不快な感情を残して破壊的に終わるものだと定義しています。

なかなか悲しい結末ですよね…。


いくつかご紹介しましょう。


キック・ミー(私を蹴って)ゲーム

挑発的な言動をして、

相手の拒絶や嫌悪や怒りを無意識に誘発するゲームです。

(例)夫婦の会話

妻「あなたって全然私に関心を持ってくれないわよね」

夫「そんなことないよ」

妻「今だって携帯触りながら聞いているじゃない、私よりゲームの方が好きなんでしょう」

夫「俺だって疲れているんだよ、ゲームぐらいさせてくれよ」

妻「ほら、私のことなんてお構いなし。自分のことばっかり」

夫「うるさいな、いい加減にしてくれよ!」

妻「やっぱり私に興味なんてないのね」


本来は「もっと私と向き合ってほしい」「私は寂しい」と伝えればいいのですが、自己肯定感が低いために上手く伝えられず、なぜかいつも喧嘩になったり相手を怒らせてしまう。

自分でも「どうしていつもこんな目に合うんだろう」と思っています。

自分は処罰されるべき(拒絶されるべき)人間だと思い込み、無意識にそれを証明しようとしてしまうのです。


さあ、とっちめてやるぞゲーム

このゲームは「自分は正しい、相手は間違っている」というコミュニケーションのパターンを持っている人によく起こります。

交流分析で言うと「I'm OK、you are not OK」(私は良いけどあなたはダメ)という人生態度です。


(例)

母「宿題しておいてね、お母さんご飯の用意しているから」

子「分かった」

(しばらくして)

母「ご飯できたわよ。宿題は終わった?」

子「忘れてた・・・」

母「だから言ったじゃないの!あなたこの間も宿題し忘れていたのよ!困るのは自分でしょう!どうしていつも・・・(お説教が続く)」


相手の粗探しをして「さぁとっちめてやるぞ!」と相手を責め立て、自分が優位に立とうとするゲームです。

仕事の現場などでもよく目にするコミュニケーションかもしれませんね。

このゲームを演じる人は、実際は優位に立てるどころか、周りの信頼をどんどん失っていきます。

周りの人は巻き込まれないよう保身に走ったり、距離を置いたり、やる気を失ってしまいます。


あなたのためなのにゲーム

相手のために熱心に世話を焼き、「あなたのためにしてあげているのよ」と好意を押し売りするゲームです。

自分は相手の問題を解決してあげることができる。

相手を信頼せず自分が正しいと思い込んでいるため、せっせとお節介を焼きますが、次第に相手に重荷に感じられてしまうパターンです。

最終的には相手から拒まれ「あんなにしてあげたのに!」と裏切られた気持ちを味わいます。

親子間や、職場での上下関係でも起こりやすいパターンですね。


なぜゲームを繰り返してしまうのか

他にも

・YES・BAD(はい・でも)ゲーム

・仲間割れゲーム

・あなたのせいゲーム

・大騒ぎ(ひどいもんだ)ゲーム

などなど、30種類以上の心理ゲームがあります。


いかがですか?

少し読んでみて、自分にも当てはまるかもしれないというものはありましたか?


なぜ、私たちはこのような非建設的なゲームを繰り返してしまうのでしょうか?


それは「相手からのストローク(承認)を得るため」と言われています。


相手から十分に愛されている、承認されていると感じられれば、このような間違ったゲームを繰り返す必要はないのですが、承認が欠乏している状態では


否定的なストローク(承認)でもいいから欲しい


と思ってしまう訳です。

相手から関心を得られないなら、相手に攻撃してでも振り向かせよう、嫌われてもいいから構ってほしい、となるのです。


そして、幼少期からの自分の中にある「自分は○○という人間だ」という誤った脚本づけが

「私は誰からも好かれない」

「私には価値がない」

という無意識で強い思い込みを作り上げ、それを証明しようとしてしまうと言われています。


ゲームを終わらせるためには

ここまではOKですか?

人は無意識に、自分の思い込みの通りに行動してしまうのですね。


では、どうすればこの心理ゲームを終わらせることができるのでしょうか?

それは


①自分が心理ゲームを仕掛けている(仕掛けられている)ことに気づく

②相手のパターンにハマらない(あえて違うパターンにする)


の2つが重要です。

何よりも、もしも何度も同じようなパターンで喧嘩が繰り返されているなら、「これは心理ゲームではないか」と気づくことが大切です。

気づくことで冷静になれ、感情に流されにくくなります。

そして、相手が心理ゲームを仕掛けていると気づいたら決してそのパターンに乗らないようにするのです。


「私のこと嫌いなんでしょう」

「そんなことないよ」

「今だって携帯を触りながら聞いているじゃない・・・」

というパターンに陥った時

「そうか、嫌な気持ちにさせてごめんね。」

「ごめんね、そんなつもりじゃなかったんだ」

と共感してあげる。

もしくは、話題を違う方向に逸らしたり、

「じゃあ君はどうすればいいと思う?」

「どんな風にすれば上手くいくかな?」

など今までとは違った会話のパターンに切りかえる。

そうすることで、同じ流れになるのを防ぐことができます。


とにかく一番大切なのは、まず「ゲームの存在に気づく」こと。

それが解決への第一歩と言えるでしょう。


さてさて、今回は少し長くなりましたね。


最後までお付き合いいただきありがとうございます。


自分の無意識の行動を見直してみる、なぜそんな行動を取ったのか考えてみる、など定期的に自分を振り返ってみることは、多くの気づきを得るキッカケになりますよ。

ぜひ取り組んでみてください。


今回はこの辺で。

ここで出会えたことに感謝します。


エリック・バーン博士の交流分析について、理想的な人生態度について、こちらの記事でも詳しく解説しています。


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