日本生命のCMの違和感

今さっき、日本生命のCMを初めて観た感想を書きたくなった。

正直「はぁ?」だった。
その理由は、反面教師という言葉の使い方にある。

CMの内容は、ある家族の娘が父親に対して「お父さん、あなたは反面教師です。」と言う。
「どんなに◯◯でも」と、かつての思い出を語っていくその父親はものすごく子ども思いで、とても良いお父さんで微笑ましい光景が流れる。
しかし、その父親は病にかかってしまい、最終的には病死してしまう。
家族を置いて行ってしまったが、毎年誕生日を迎える未来の娘に手紙を残していた。

これがCMの全部。
保険加入を勧めたいにしたって、もう少し言葉の選び方があると思う。
保険に入らなかった父親を失敗扱いして悪い見本という反面教師にするのはあまりにも酷。

反面教師というのは「お前みたいな人間には絶対ならない」という、相手に対して嫌悪・拒絶の意を持って使うもの。
また、失敗や反省に意味でも使う”悪い見本”ということ。
この父親が亡くなったことを失敗扱いなのか?
少なくとも愛情を受けて育ち、尊敬しているような人に対して使うものではない、と私は思う。
しかし、その娘は終始その父親に対してCM中何度も「反面教師」という言葉を使っていた。

病気になったのも、家族を置いていくことになってしまったのも父親の本意ではないことは明らかだし、不可抗力としか言いようがない。
”保険に入っていればもっと長く生きられる”と言いたいCMなのかもしれないが、伝え方が不十分すぎるのでは?

自語りをすると私は毒親育ちだ。
プライバシーのカケラもないほどに過干渉で言葉でも物理でも暴力を30年近く振るってきた母親。
同じく言葉でも物理でもセクハラをし、母親が怒れば「とりあえず母親に謝っておけ。」と、子どもの話を聞かず面倒ごとを避けて我関せず放置してきた父親。
普段から奴隷のように扱い、都合のいい時だけ”親”になる。

子どもの手柄は親の手柄で褒められることはない。
子どもの失敗は親の恥となり体罰を受ける。
子どもの意思より自分の評価が上がることように子どもの人生や進路をコントロールする。
子どもが口ごたえしようものなら腕を掴んで逃げ場をなくし、ハサミを持ちながら「舌を切ってやる」と脅して服従させる。
外では”愛想の良い親”という演技を徹底し、他所の子をやたらと褒めては「うちのと取り替えたい」と我が子の目の前でも平然とディスり存在を否定する。

と、ついつい色々と出てしまう。
ちなみにこれは全て母親に長年やられてきた実話だ。

こんなクソで人間としても親としてもカスな毒親を持つ身からすれば、この日本生命のCMが苦しくてしょうがない。
言葉の使い方を間違えている以上、「反面教師っていうのはこういうやつらに対していう言葉なんだよ。」と不快にならずにはいられなかった。

具体的な愚痴まで書いておいてなんだが、毒親を持った苦労話のマウント取りをしたいワケではない。
テレビで流すなら、適切な言葉を使って欲しいだけ。
特に最近は毒親が問題で度々ニュースにも出てくるようにもなっている。
だから余計に間違った言葉の使い方をして欲しくなかった。
ただそれだけだったんだよ。

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