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【読書記録⑥】さくら
■さくら 西 加奈子
★3
昨年映画化された小説。飼い犬の「さくら」を通して描かれる家族の話。
純粋すぎるゆえに凶暴性をもちながらも、成長していく妹が美しい。純粋な思いが、人を深く傷つけ取り返しのつかないことになる後悔とともに、もっと妹は美しく育っていってほしいと思う。
【読書記録③】赤朽葉家の伝説
■赤朽葉家の伝説 桜庭 一樹
★4
赤朽葉 万葉、毛毬、瞳子の女三世代の物語。
ドラマを見ているような一冊。フィクションながら、三世代の時代背景が丁寧でありつつ堅苦しくならないように描写されているため、ノンフィクションのように錯覚してします。窪美澄さんの「トリニティ」と、読了感は似ているかなぁ。
【読書記録②】許されようとは思いません
■許されようとは思いません 芦沢 央
★3
「目撃者」「ありがとう、ばあば」「絵の中の男」「姉のように」「許されようとは思いません」の5編から成る短編集。
芦沢さんの作品は、小説の良さが引き立つ構成になっていると感じる。読み進めていくうちに違和感を感じる一節が出てくるが、ページをめくりたい衝動で、わずかな違和感を感じつつもその正体がわからず読み進めてしまう。そして最終頁を読んで、違和感の正