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神様?のおはなし

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創作小説「神様?のおはなし」のマガジンです。
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記事一覧

神様?のおはなし㉒

神様?のおはなし㉒

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荷物をトラックに積み終わり、子どもは「ありがとう、また。」と言った。

「いつでも帰っておいで。」

ありきたりだが、本心の気持ちを伝えた。
まだ家にはもう一人子どもがいるのだが、一人家から居なくなると喪失感がすごい。

今までの思い出を噛み締めながら、送り出した。
育児できる日々はあっという間だったな。

そして、私は子どもが家にいない日常に慣れるのだ。
下の子もあっと

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神様?のおはなし㉑

神様?のおはなし㉑

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一日一日が濃いようで、あっという間である。
あっという間ということは、楽しいということなのだろう。

子どもの反抗期にも手を焼いたが、いつか終わると思っていると本当に終わった。
笑顔で話せる時がいつしか来た。
時間が解決してくれた。

子どもが成長して、自分も成長していく。
親としての経験をどんどん身につけている。

子どもの為に犠牲になっていると思うこともあったけれど、

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神様?のおはなし⑳

神様?のおはなし⑳

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仕事が上手くいく事で、家族との休日も楽しむことができるようになった。
ゆったり過ごしたり、買い物に行ったり。

楽しむことを大切にする。

一つがうまく行かなくなって、全てうまく行かなくなることもある。

でも、一つ上手く行って、全て上手く行くこともあるのだと学んだ。

子育てにも奮闘できるようになった。
子供にも気遣わせず、全力で遊べるようになった。

わがままも受け止

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神様?のおはなし⑲

神様?のおはなし⑲

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面接は結果的には良かった。
思った通りの雰囲気で、私と合っていた。

病気のことも理解してくれ、ぜひ来て欲しいとのことだった。

本当にこの選択でいいのか迷う。
今までを手放してしまっていいのか。

でも心が新しい会社に傾いていることが分かった。
一步を踏み出し、前の会社とはお別れすることにした。

トントン拍子にうまく行き、流れるように今に至った。
不思議な出来事だっ

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神様?のおはなし⑱

神様?のおはなし⑱

薬を頼りながら、ゆっくり鬱の波が寄せては引くのを耐え忍んでいた。

家族には一方的に頼っていたと思っていた。
でも、いてくれるだけで嬉しいと言われた。

頑張らないといけないと思っていたけれど、頑張らなくても良かったのかと思ったら心が軽くなった。

少しずつ、外にも出れるようになってきた。
笑えるようになってきた。無理に自分の合わない人と付き合うのはやめようと思った。 

仕事をするということも考

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神様?のおはなし⑰

神様?のおはなし⑰

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下の子が成長して保育園に入る。
そして、手が掛からなくなったと思った頃。

仕事の上司が変わった。
その上司と反りが合わず、毎日悩み、眠れなくなっていた。

子供も夜泣きをするので、眠れない。

すると、どんどん体調が悪くなっていく。
精神的にも追い詰められ、イライラすることが増えた。

その日々が続いた頃、ある日ぷつんと糸が切れた。
やる気が起こらず、体もだるくて動かせ

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神様?のおはなし⑯

神様?のおはなし⑯

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子供がいると、毎日あっという間で、下の子が産まれる予定日となる。予定日からは少し遅れたが、下の子が産まれることとなる。

上の子はお見舞いで、可愛いと何度も繰り返していた。
そんな二人の姿を見て愛おしいなと思う。

一人目は新生児を抱えるのは不安だったが、二人目になると大丈夫だと思えるようになった。
懐かしいという気持ちになる。

赤ちゃんが家に帰ってくると、上の子は甲斐

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神様?のおはなし⑮

神様?のおはなし⑮

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どんどん子供の手が離れていくのが分かる。

いつでも子供は可愛いけれど、大人びていく。
大人びていくというか大人に近づいているのか。

子供が小学生になる。
大きなランドセルに背負われているようだ。
にこにこして、入学式に参加していた。

あんなに細くて小さな新生児から、すごく伸びた背に涙が出た。

よくある、宿題やりなさいも毎日言っている。どこにでもいる口うるさい典型的

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神様?のおはなし⑭

神様?のおはなし⑭

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子供の成長はあっという間である。
あやすと笑うようになり、寝返りもするようになる。

教えていないのに、勝手にするようになったので驚いた。

離乳食も食べるようになり、ハイハイもするようになった。
いたずらをするので目が離せない。

転んで頭を打つこともしばしば。

あっという間に、1歳になり夜泣きも無くなった。
子育てが大変だと思うことが減った。

立って歩くようになり

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神様?のおはなし⑬

神様?のおはなし⑬

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結婚生活も日常になり、新婚と言える訳ではなくなった。
何となくしていた仕事が、家族の為にする事となったというのが違うかなと思う。

そして、その頃赤ちゃんができた。
待望というわけではなかったが、やはり嬉しかった。

男の子か女の子かでドキドキしたり、可愛いベビー用品を揃えたり、段々と実感が湧いてくる。
生まれるまでの10ヶ月、ちゃんと生まれてきますようにと祈り続けていた

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神様?のおはなし⑫

神様?のおはなし⑫

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友人や同僚がどんどん結婚しだした。
結婚式に呼ばれて、いいなあ幸せそうだなという感情が生まれてきた、

その頃に恋人とそろそろ結婚しようかという話が出た。
自分もあの立場になれるのかと高揚した。
華々しく、幸せになれる。

顔合わせや結婚式の準備を進めていく。
準備で意見の食い違いが生まれて、言い合いになることもあった。

どうしていても当日は迎える訳で。
なんとか準備を

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神様?のおはなし⑩

神様?のおはなし⑩

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大学の入学式は初めてのスーツを着て、窮屈である。
大学生活も高校生のときと同じように友達ができるか不安だった。勇気を出して話しかけてみると案外簡単に友人はできるのだった。

大学生の数ヶ月、慣れるまでは忙しく大変だった。
自分のカリキュラムを組んだりと楽しいけど、管理することが多い。
講義の時間も、今までより長い。
しかし、自分のやりたいと思ったことを学ぶのは楽しくて苦で

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神様?のおはなし⑪

神様?のおはなし⑪

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社会人となる。
数人の同期と入社式。面接の時に少し仲良くなった。
堅苦しい話を聞き、社長たちとの会食をする。

翌日から研修が始まり、新しいことを沢山メモを取って覚えた。
社会人のマナーなども教えられる。

社会人には不思議な慣習があるのだなあと思う。
昔から何となく積み上げられてきて、皆疑うことなくルールを守る。
なぜあるのか良くわからないものも多い。

新しいことをす

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神様?のおはなし⑨

神様?のおはなし⑨

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好きな人ができて、恋人になれるという奇跡を経て、私はワクワクしていた。
毎日楽しくなるそんな予感でいっぱいだった。

そう上手くはいかない。
倦怠期や喧嘩である。

大体の恋人があるであろうことを経験し、関係が悪くなることもあった。
喧嘩して別れようとなる事もあったが、なんやかんや淋しくて復縁したりした。

「ずっと一緒にいよう。」なんて台詞を言うこともあった。

クラス

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