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慎吾ちゃんの1983年夏

40年前の日本の夏は、風見慎吾の夏でした。

学校では彼の話でもちきり。女の子たちは彼のカッコ可愛いルックスに胸をときめかせ、男の子たちは『僕笑っちゃいます』を歌いながらサビのアノ振りを踊っていました。世間では使い勝手のいいこのフレーズが流行りに流行っていました。

僕、僕 笑っちゃいます 君の笑顔を 勝手に恋だと 決めてたなんて
風見慎吾 『僕笑っちゃいます』1983   作詞:欽ちゃんバンド+森雪之丞

曲も大ヒットし、ランキング歌番組にも出演。かのザ・ベストテンには7月7日に初登場。タキシードに身を包み、ミラーゲートの向こうから七夕飾りのスタジオに颯爽と現れました。

溜まり席のソファで TBS 1983

この日、欽ちゃんバンドのメンバーが稽古を中断して応援に駆けつけていました。慎吾ちゃんが歌っているときは少し離れた後方から見守りながら、一緒にサビのステップを踏んで踊ってくれました。

それをテレビで観ていた広島のお父さんは、涙を流していたそうです。

ずっと慎吾の芸能界入りに反対していたお父さんも、この「ベストテン」を見て、初めて慎吾の選んだ道をみとめてくれたのです。その夜、広島でテレビを見ながら、お父さんは泣いていたそうです。ビールで、ひとり、慎吾のためにカンパイしながら。   笑っちゃいますストーリー shogakkan  1983

この日以来、9月1日にかけて9週連続ランクイン。フレンチカンカンのダンサーたちと踊ったり、着ぐるみのぬいぐるみと踊ったり。夏休み期間に入ると軽井沢からの中継で歌ったり、コニタンやB作さんを従えて女の子たちのキャーキャーの歓声の中で歌ったり。歌詞に沿って電車が季節を巡る大掛かりなセットで歌ったり、コニタンB作さんを模したパペットと踊ったり、ふたたび彼らと一緒に歌ったり。最後のランクインの日は「週刊欽曜日」の収録スタジオ(ベストテンのスタジオのすぐ隣)で歌い納めました。

併行してこの夏、デビューコンサートで七大都市を巡っていました。劇男一世風靡の立ち上げ公演も兼ねて、元零心会の仲間たちと一緒に。ステージでは慎吾ちゃんのデビューに至るまでの人生をストーリーにした寸劇を披露。

デビュー公演 パンフレット

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そして、まさにこのころ、慎吾ちゃんはブレイクダンスに遭遇するのです。40年前の今日日本公開された『フラッシュダンス』を観に行った映画館で。