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ジャニーズ vs 路上系 火花バチバチ

以前の記事でも書きましたが、少年隊のヒガシが数年前のトーク番組でアイドル時代のライバル関係について語っていました。著書では以下のように記しています。

「夜のヒットスタジオに、派手なパフォーマンスを得意とする一世風靡セピアや風見しんごくんのブレークダンスが登場する。僕らは互いにライバル意識を燃やした」「 “ちくしょう、踊りなら絶対に負けないぞ” 」「三組が出演するときは、楽屋ではパチパチと火花が飛んだものである」  
東山紀之 『カワサキ・キッド』 朝日新聞出版 2010年

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その「夜ヒット」の映像を、断片的ですが某所で見ました。35年も前!

それは1985年5月。出演者に少年隊、田原俊彦、一世風靡セピア、風見慎吾…とあるので、正にジャニーズ vs路上系のダンス対決状態。恒例の出演者リレー紹介でも、カッちゃんが一世風靡を「アクロバットダンシングでは僕らと張り合っているセピアのお兄さんたち」と紹介してる。

まず、少年隊ニッキが『日本よいとこ摩訶不思議』のイントロで慎吾ちゃんを意識してかウインドミルをする。「俺だってやるぞ」と言わんばかりに。この日に披露するために練習したのでしょう。しかしニッキはそれで疲れたのか、曲中のバク宙で着地に失敗して尻もちをついてしまう。

一方、慎吾ちゃんはけしかけられて気が張ったのか、イントロでのバク宙が未遂になってしまう。が、曲中に側宙を入れ、これでもかと技を繰り出し、間奏では両足を伸ばしきった縦開脚の完全股割りを見せつけ、やった後の背中がドヤ顔。

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CX  1985

この日、ラップを取り入れた『BEAT ON PANIC』をトシちゃんの前で歌う。トシちゃんはその半年後にラップ曲『It's BAD』をリリース。ラップと言えば、この回なんと吉幾三も出演している!  日本初期3大ラップ歌謡歌手。

ちなみにトシちゃんは2年前、ザ・ベストテン初出場の慎吾ちゃんの前でムーンウォークをしている。これらは別に張り合っていたわけではないけど。 

少年隊が「ライバル意識を持っていた」ということを知って過去動画を見ると、彼らが「負けるもんか」という思いで一生懸命踊っていたのが見て取れます。

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その日、自分の意識は別のところに    magazine h  1984

スタジオでは少年隊、トシちゃん、セピア、慎吾ちゃんが歌い終わるやいなや、それぞれの関係者が「ウチが勝った!」と同時に叫んだとのこと。慎吾ちゃんは競う気なんてないのに、ジャニーズや強面先輩たちに巻き込まれて「やれやれ」という感じ…だったでしょう、きっと。その日新曲披露だからリハーサルで何度も何度も踊らされてくったくただったというのに、その上一方的にライバル視されて面倒くさかったと思います。

「ダンス対決って言われてボクも負けらんないなと思ったけど、ジャニーズなんてバックダンサーもみんな十代なかばで若さと体力が違うから、勝負とかそういうのやめようと思って」 風見慎吾 BP 1985


*続編 ジャニーズ → 慎吾ちゃん 続くバチバチ