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どうしてそんなに踊ることができるの

ひとつの季節だけには とまっていられない 風をみつけた男は 
夢を追いかけてく
  『ごめんよ 涙』1989  作詞  松井五郎

以前も取り上げましたが、この記事では「ジャニーズからの独立」に対するトシちゃんのかなり本質的な見解が掲載されていました。それだけでなく、トシちゃんからすごくいい言葉が引き出せていて、とてもいいインタビューだと思いました。これだけ良質な記事は最近なかなかないんじゃないかと。Bunshun Online 2020/12/13

僕の親父は小学校1年生で亡くなりました。だからか、自分が男としてどうやって大人になればいいんだろうっていうのをずっと迷ってたんですよね。(中略)母子家庭で非常に生活も苦しかったからね。」

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magazine h  1984

昔のアイドル雑誌の記事でも、何度も「僕は男なんだし」といった発言があったように思う。これからどうやって生きていくか、とか、未来について。

「この道を走り始めた時から、5年先ぐらいまでは読めても、30代、40代、50代なんていう景色は全く見えてなかった」

マッチがジャニーズでしか生きていけないように、トシちゃんは芸能界でしか生きていけない。歌って踊ることしかできないから、それを放棄したら生きていけない。だから、本気で勝負し続けるしかない。

おふくろを幸せにするのは、僕の義務だから」

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magazine h  1984

トシちゃんの場合、独立した結果テレビに出られなくなったというのが残念なことだった。ただ今までテレビがあまりに強すぎた。異常な権力だった。最近になって不可解な構造にあることが世間にも知られてきたけど、私たち視聴者は何十年にも渡って知らず知らずにかく乱されてきた。大きい事務所に番組を牛耳られて、都合よく情報や印象を操作されていて。そういう逆風にトシちゃんは独りで立ち向かっていた。

なぜ今でも当時の振付で踊ることができるのか、その理由として究極の答えが返されていました。これ以上のものはないと思います。

「 僕は田原俊彦だから 」

             ひきとめず 行かせてくれ 胸の夕陽が赤いから  田原俊彦
           『ごめんよ 涙』 1989