スキルを持ったアイドルが独立すると
80年代男性ソロアイドルについて書いてきました。約40年を振り返ってみて思ったのが、確固としたスキルや自立心、あるいは教養や創造力を持ち合わせると、人気アイドル経由の芸能人はかえって生きにくかったということ。
実力や才能があると、どうしても主張が生まれる。自分の能力を発揮したい、創りたい。外の世界を知りたい、世間を見たい、他の可能性を探りたい。虚像のままでいるのは嫌だ。
でも、大衆は憧れという幻影を見てるだけなのだから、大きな事務所に所属して周りの仕掛け人に任せておく方が、結局は楽に大成する。
特別な才能もなくポリシーもなく主張もなく、恵まれた環境の中で流され続けた方が、「大御所」だとか「お洒落で自然体」とか、仕掛けられたように大衆が勝手に思ってくれる。ファンは結局、思いたいように思いたいだけ。
だから、お人形になれればなれるほど、空っぽなほど、アイドルは成功しやすい。歌や演技の実力がなくても、大手事務所にいればイメージ操作でどうとでもしてくれる。
実力や才能や人気があるふりを長年していると、つまりハリボテをやりきると、いつのまにか「それふう」の人間になってくる。それなりには、なる。
でも、やっぱりオトコはお人形のままではいたくないと思ってしまう。自分の脚で立ちたいと思う。いつかは大人になるのだから。
自立心があるがゆえに、ホンモノであるがゆえに、生きるのが困難となってしまうアイドル界、芸能界。
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近年は動画や記録があったりして、「あれ?こうなってるけど、おかしいんじゃない?」と、人々が少しずつだけど分かってくるようになりました。
芸能界は虚構の世界。事実真実がどうであれ大衆にとってはどうでもいいこと。だけど芸能人も魂を持った人間。だからやっぱりできるだけ健全である方がいいと、私は思っています。