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”発達障害・自閉症の子に対する支援者の理解”の講義を受けて

所属しているNPO法人の勉強会に参加し、自身が専門としている発達障害・自閉症について学んできたため、シェア致します。

知的障害は”遅れ”を示し、発達障害は”偏り”がある状態を示し、自閉症は発達障害の一つであり、以下の3つに該当するときに、自閉症と診断される。

① 非言語コミュニケーションの発達に障がいがある
例)視線、表情、身体の姿勢、身振りなどに困難な状態

② 言語コミュニケーションの発達に障がいがある
例)話し言葉の遅れ、または完全な欠如(特定の言葉の繰り返しや言葉をコミュニケーションとして使えない)

③ 常同行動、反復行動への強いこだわり
例)道順や物の配置に強くこだわりがある、長い時間ぴょんぴょん跳ねるような一見意味のない行動を続ける

発達障害や自閉症の原因については、水銀中毒・牛乳・砂糖・親の愛情不足など色々と言われているが、科学的に証明はされておらず、分かっていないのが現状であり、すなわち、誰も悪くないということ。

関わり方について
① 感覚(視覚、聴覚、触覚など)が独特である
例)視野が狭い、特定の音を拾えない、特定の衣類素材を痛くて着れない
※支援として、無理をさせず、刺激を受けた後は、一人で落ち着ける環境を整えること

② 周囲の状況に応じて行動するのが困難である
例)順番を守れない、葬儀の場で笑う、電車の中で大声を出す
※支援として、待つ場所に目印を付けるなど、言葉ではなく視覚的に伝えること

③ 結果の因果関係を理解しにくい
例)雨天だから外で遊べない、不潔だから、恥ずかしいからダメという理屈を理解しづらい。
※支援として、視覚的・具体的・肯定的に〇と×で伝え、因果関係を理解させることよりも、この場合はこうと事例を数多く覚えてもらうようにする。

④ 言葉の裏に何があるか分からない
例)暗黙の了解や比喩が通じず、言葉通りに受け取ってしまう。
※支援として、遠回りな言い方はせず、直接的に伝える。周囲とちぐはぐな行動をしてしまったときは、×だけでなく、〇を同時に提示すること

⑤ 抽象的な言葉や概念を理解しにくい
例)それやあれといった副詞や代名詞など場面によって内容が変わる言葉に使用は厳禁
※支援として、必ず固有名詞を用い、視覚的に伝えること。そして出来たことに対し、誉めのお言葉を伝え、達成感を持たせること

⑥ 対人関係を結びにくい
例)特定の人の言うことしか聞かない、なつかない。
※支援として、言葉かけを減らすこと。例えば、おはようと自ら言わず、言われたら応えるようにすること。

⑦ 音声言語は理解しにくい
例)オウム返し、覚えているフレーズの反復
※支援として、音声言語にこだわらず、絵カードなどを使用し、視覚的に分かるように伝える
◆抽象度で説明すると、実物→写真→絵→字→声の順で上がるため、出来る限り、抽象度が低い写真や絵などで提示するようにする

⑧ 予定変更、臨機応変な対応が難しい
例)学校で急な時間割変更や教室変更、買い物に行ったら偶然の休みなど
※支援として、変更は、出来る限り前もって視覚的に伝える。交渉せざる負えない状況の際は、代替え案を視覚的に伝えるようにする

⑨ 行動の般化が困難
例)家では出来るのに、学校では出来ない(マスターベーションが良き例であり、全てバツという示し方ではなく、家ならマルという提示が重要)
※支援として、般化よりも、この場合はこうなど事例を数多く覚えてもらうようにする


▶父が出来ることについて

母は孤独であり常に不安であることを父に分かってほしいと伝えるが、父はそれを解決したがる。ありがちな会話として、母が、”先生が視覚支援をしてくれないの。父が、”あなたの他の見方が悪かったんじゃないの?”と、行動是正を促す。母の不安は、仕事で例えると、スタートアップ企業の代表取締役みたいもの。誰にも相談できず、成果も見えにくい事業であれば、誰でも不安ではないか。

▶最後に

本講義を受講して、まず大切なことは、障害とは社会参加に障がいを抱える状態を指し、個人で交通公共機関を利用できる人は障害を持っているとは言えないということ。そして、自閉症の子は健常人と同様に、十人十色であり、障害の程度や内容も千差万別であるため、自分も相手も喜べる”黄金の中間点”のようなポイントを、トライ&エラーで模索し、良い接し方を探していくしかない。特に、自分自身の世間体やプライドを意識せず、子供のことを理解するように努め、子供が過ごしたいように過ごせる余暇の開発を行い、楽しいことをさせて学ばせることが重要と感じた。

昨今、ギルテットという能力が高い、かしこの自閉症の不登校が多いことを伺った。(自閉症全体の1/10)
2023年度の政府予算案で8000万円を盛り込んでおり、長野県では対策が非常に進んでおり、代表的な機関としては、SEISAアカデミーや三重大学が挙げられる。

かしこの自閉症は、コミュニケーション不足により、働いても、かしこだけに、周りとレベルが合わないことが問題であり、その結果、働くのをやめ、障害年金を出さないといけなくなる。国としては、能力を持つ人間が社会の歯車となり、日本の経済を支えて欲しいというメッセージは重要と考えられる。

また、アスペルガー(健常の人よりも知能が高く、自閉傾向が強い)や高機能自閉症(健常人と知能は同様で自閉傾向が強い)など、自分の子は発達障害、自閉症かも?という声を多く聞くが、誰が悪いわけでもないため、それぞれにあったライフスタイルを見つけ、子供の考えや気持ちを尊重し、支援者を含め、皆で支えて、生きるというチームとして、日本全体がなってくれることを祈るばかり。そういった障害の子を騙し、資産を奪う業者や後見人などもってのほかだ。


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