ドル高一服の現在、注目されている通貨は?(大和アセットマネジメント 岩手幸久氏/モーサテNov.2023)
ドル高が一服した現在、今後の注目通貨について解説する。
2023年11月1日に行われたFOMC以降、アメリカの利上げ打ち止め観測が強まると長期金利が低下し、ドル高にも一服感が出ている。
また、欧米の主要先進国の連銀は、しばらく政策金利を据え置くと予測されており、金融政策の先行き不透明感が後退する中で、ドル指数のインプライドボラティリティ(予想変動率)も低下している。
2023年11月8日迄の各国通貨の対円騰落率を見てみると、ブラジルレアルやメキシコペソなど、高金利の新興国通貨の上昇が目立っている。
また、新興国通貨のアノマリーを見てみると、7-9月期に下落した後、年末にかけては上昇しやすい特徴がある。
アメリカの金融政策を中心としたファンダメンタルズから見ても、リスクを取りやすい環境になっているため、今年も年末に向けて新興国通貨の上昇が期待される。
特に注目している通貨は、インフレ率が低下しつつも高金利を維持しているメキシコに注目している。
新興国の中で、南米を中心に既に利下げを開始している国が多い中、メキシコは政策金利を据え置いている。メキシコのインフレ率は低下傾向にある一方、景気は堅調であることから、2024年春に利下げ開始と予想している。
先程、メキシコでの金融政策決定会合の結果が公表されたが、今回も11.25%に据え置く形となった。
時間の経過により、利下げ開始の時期が近づいていることを示す声明文を受け、発表後はペソ安となった。
しかし、当面はメキシコでの相対的な高金利が維持されるとされ、年末に向けて新興国通貨の上昇が期待される中、メキシコペソがどのような動きをするか注目していきたい。
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