大統領選挙と米株式の関係性について(第一生命 DLI NORTH America 宿谷氏/Morning satellite Jan.2024)
アメリカ大統領選挙、現在予備選が行われているが、株価と選挙どのような関係があるか解説する。
過去のデータより、大統領選挙がある年の株価にはいくつかのアノマリーが存在している。
まず、大統領選挙がある年の株価は、毎年に比べ、好調であり、選挙がある年とその他の年の株価リターンを比較すると、最もパフォーマンスが良いのは選挙の前年となるものの、選挙の年も良好である。
また、選挙の結果別に、選挙年と選挙翌年の株価を見ると、最もパフォーマンスが良いのは、同じ政党で大統領が変更するシナリオだが、その他のシナリオでもパフォーマンスは良好である。
そのため今年はバイデン氏が再任しても、トランプ氏やその他の共和党の候補が大統領になっても、過去の例から見れば、株価は上昇する可能性が高い。
前回、2020年大選挙後のアメリカ株の各ファクターのリターンをみると、大型企業と小型企業、グロース株とバリュー株では大きな差は見られない。
しかし、ディフェンシブ株と景気に敏感なシクリカル株では、シクリカル株のリターンが優位となる。
2016年と2012年の大統領選挙も同様の傾向で、理由として、大統領が選任された後は、財政政策などにより、景気の底上げが意識されることが要因と考えられる。
現時点で、大統領選挙の結果を予想するのは難しく、実際の政策は大統領次第で大きく変わると見られるが、選挙に向けた基本的な考え方としては、中期的な視点でシクリカル銘柄等に積極的に投資をしていくのが良いと考えられる。