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京野誠の教育話

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京野誠が考える教育関連の話です。
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記事一覧

なぜ教育のことを書きにくいかと言えばそれは格差のせい

私は毎日育児が楽しいって思ってる。人間の能力と可能性、環境に応じてどんな変化を見せるのか、その観察が超楽しい。 息子のことは愛しているし、なるべく選択肢を与えてやりたいと思うし、できる限りの環境を用意してやりたいと考えてる。 だけど知育に関しては母の趣味だよなーって思ってる。息子のためにもなっていると信じているけど、単純に人間の観察が楽しい。 私がやりたいからやっているけど彼の人生の主役は彼なので、無理強いはしない、と決めてる。母は、色々な「はたらきかけ」をしてみては、彼

自分の名前が言えるようになった息子

先日、ありがたいことにVoicy の人気パーソナリティのワーママはるさんの番組で知育のことをお話しする機会がありました。 このときはあまり突然のことすぎて、あーとかうーとか言っているうちに終わっちゃったんだけど(ゴメンナサイ)、あれから改めて、私がいつも息子に対してどういう風に接しているかなぁってことを考えてた。 「こどもをよく観察して適切に働きかける」って言ってしまえばツルッと綺麗で聞こえは良いけどそれって具体的にはどういうことなんだろうね、と。 それをもう少しちゃんと

我が家の1歳児はこうやってフォニックスをマスターした

前回の続きです。 機関車トーマスを踏み台にして学習につなげる母の魂胆シリーズ、今回は英語学習の続きでフォニックスの話を。 お風呂ポスターでABCポスターをキャラクターの名前に絡めて音読し続けた結果、スーパーの駐車場で P を見つけると「パーシー」などと言うようになった息子(昨日の note 参照)。 ところで、みなさんはフォニックスってご存知だろうか? フォニックス(英: Phonics)とは、英語において、綴り字と発音との間に規則性を明示し、正しい読み方の学習を容易

我が家の1歳児はこうやってABCを読めるようになった

我が息子(1歳)はまだ完璧ではないかもしれないが、アルファベットをほぼ覚えた。さらにフォニックスもほぼ習得しているのである。 ということで今回は、数字シリーズに引き続き、機関車トーマスを利用した英語習得の道について書いてみたい。 ご存知の方も多いと思うけど、機関車トーマスの原作者はイギリス人だ。 イギリスのウィルバート・オードリー牧師が1945年より創刊した『汽車のえほん』(原題:The Railway Series)を原作とする映像作品。1984年から英国で放送が始ま

我が家の1歳児はこうやって数量感を理解した

前回のつづきです。 ところで、数字というのは奥が深くて、記号としての読みもあれば、数量の概念もある。さらに順序の概念もある。 トーマスのおかげで「記号」としての数字は10までマスターした息子氏だったが、数量の概念は乏しかった。 母お手製のこちらには赤丸で数量の概念も学べるようになっているのだが、これには全く興味を示してくれなかった。 そこで、息子が0歳のときに夫が買ってきたブロックを使うことにした。 このブロックには数字も書いてあるのだが、ひっじょーに見にくい。 商

1歳児の嘘

こんにちは、京野です。 今回は、1歳半の頃に覚えた「ない」「あった」という言葉をきっかけに息子が小さな嘘をつくようになった、というお話。 幼児教室で聞いた子供の嘘への対処法をご紹介します。 はじめての嘘みなさんはお子さんのはじめての嘘を覚えていますか? 息子は1歳頃から急激にものの名称を覚え、「君のタンスはどこ?」と聞くと「ここ!」と得意げに自分のタンスを指差し、「靴下とって」と言えばこれまた得意げに「はい!」と取ってきてくれていました。 「褒められるのが嬉しくてマ

子供がみてねでみてるもの

こんにちは、京野です。 今回は、最近息子を観察して気付いたことから、「みんな、どんどん愛を表現していこうぜ!」というメッセージをお伝えしたい。 子供に開放しているアプリところでみなさんは子供にタブレットやスマホは渡していますか? アプリの利用制限はしていますか? 制限したくても親がスマホを見ていれば興味を持つのは当たり前。全面禁止は難しい。 ということで、我が家では1歳の息子に1つだけ自由に開放しているアプリがあります。 それが、「みてね」というアプリです。 ご存

我が家の1歳児はこうやって数字を読めるようになった

最近、我が息子(1歳)の成長が著しい。 2018年8月に爆誕してから早1年と9ヶ月。 元気にすくすく育っている。 私は育休を2年取得しているので息子はまだ保育園に通ったことがない。 したがって同年代の他の子と比べて成長が早いのか遅いのかはどうなのかは分からない。 だけどこのところ(親の目から見て)目を見張る速さで習得している。色、形、数字、アルファベット、フォニックス。 すっかり人間らしくなって母は驚いているよ。 ちなみに言っておくと、私はそんなに熱心な知育ママで

ヤンバルクイナに見る生存戦略

みなさんは、ヤンバルクイナという鳥をご存知だろうか? 先日、NHKの「ダーウィンが来た!」という番組でこの鳥が取り上げられていたのだが、なんでも、今ものすごく数が減っていまっているのだそうだ。 それで、人が飼育したヤンバルクイナを野生に返すプロジェクトが立ち上がったのだが、これまでうまくいかなかったらしい。 理由は、人が飼育したヤンバルクイナに危機管理能力が備わっていないから。 人が卵から育てたヤンバルクイナは、敵の存在も知らなければ、その対処法も知らない。 そのまま

「みんなと同じ」から抜け出さない方が得策なのか

こんにちは、京野です。 昨日の話の続きです。 滑らない上履きさて、普通であることが安心材料になっているっていう話なんだけど、これって親だけじゃないと思うんだよな。 うちの親はこどもに「良いもの」を買い与える人だったので、公立の小学校で私はいつもみんなと「違っていた」。 たとえば母は私に、革製の筆箱、ブランドの靴、しっかりした布製の傘、履きやすく滑り止めの付いた上履きが買い与えた。 しかし私はみんなが持っているような、すぐぼろぼろになってしまうアニメキャラクタービニル

こどもが勉強したくないと言ったらどうするか

こんにちは、京野です。 今回はのもとさんのこちらの記事を取り上げてみたいと思います。 以前こちらの記事で触れてそれっきりになってしまっていました。 問いを立てるさて、まず親はこどもが勉強っぽいものをしていると安心するっていう話。 親って子供が「学んでる」より「勉強っぽいものをしてる」ことで安心する。 机に向かってると「よしよし」と思うのです。 これは大いにありますよね。 あとは塾に通わせていればその時間は勉強しているだろうって思っている親とか。 それ、まったくもっ

自分のこどもをよその子と比べてしまう方へ

こんにちは、京野です。 みなさんは自分のこどもを他人と比べてしまうことありますか? こどもの発達は個人差があって人それぞれ、他の子と比べるのはナンセンス、と分かっていてもやっぱり同じ月齢くらいのこどもの成長は気になるもの。 幼児教室の発達チェック息子と一緒に通っている幼児教室では定期的に発達度をチェックする機会があります。 このくらいの月齢でこんなことができるというチェック表があり、定期的に新しく何ができるようになったか、現時点で何ができていないか報告して先生にアドバ

切り離す練習

こんにちは、京野です。 最近思うのは子供は切り離しがうまくできてるってことです。 大人だと何か気まずいことがあると、次どうやって話しかけようかと気を揉んだりするけど、子供にはさっきの出来事と今は関係ない。 子供がいたずらをして私が怒る、子供がしょんぼりしたり癇癪を起こす。 だけどちょっと経つともう笑顔で一緒に遊ぼうと催促してくる。 その潔さにびっくりして思わず笑ってしまう。 さっきあんなに不機嫌だったじゃーん。なんならこっちはまだちょっとイラッとしてるよ。 でもそ

こどもに今説明しても分からないと思うときどうするか

「いずれ分かるよ」 先生は確かにそう答えた。 私が小学校1年生のとき、何かの本に「話しをした」という表現があった。 私は「話」という一文字で「はなし」と読むことを知っていたので、これに送り仮名がついていることに疑問を持って先生に質問した。「これは間違いなのではないか」と。 すると先生は、どちらも間違いではない、送り仮名をつけることもあるのだ、と説明した。しかしどう違うのかは「いずれ分かる」として説明を拒んだのである。 当時の私は、辞書を使って調べるという手段を持ち合わ