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個人タイムトライアルのパワーを最適化する計算シートを作って検証してみた【ZWIFT】

前回は単純化したコースでタイムが最も速くなるようにペースを最適化しました。

今回はコース全体のペースを最適化する方法について書いていきます。

1.勾配7ゾーン分割法

最終目標(私の)はトライアスロンのバイクパートを最小の疲労で最も速く走るペース設定を導き出す事です。

実際のコースに適用しようとした場合、前回示したような単純な一定勾配ではなく、勾配は連続的に変化するという違いがあります。また勾配1度刻みの最適ペースが分かったとしてもそんなに細かくペースコントロールできないという問題もあります。

どうしたものかと考えました・・・

そこで思いついたのが”勾配7ゾーン分割法”です。
※5ども良いかと思ったのですが、後から増やすのは面倒なので7です。

実際に検証をした、下図Zwift のパリコースChamps-Elyseesで説明します。

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このコースの勾配を7ゾーンに分割して、それぞれの平均勾配と距離を算出します。このコースの勾配は最高でも4%程度と緩いので以下のようにゾーン分けしました。

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こうすることで、連続的に変化するコースを7ゾーンの一定勾配の組合せに単純化できます。

そして、180W一定走行に対して、NP180Wで最適化した結果が下の表になります。計算はエクセルで2つのゾーン毎には最適化できるようになったので、2つの組合せを変えながら繰り返すという力技で行いました。もっとスマートなやり方はあると思いますが・・・

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いつものように計算は私の身長168cm、60kg、Zwift TT+32mmCarbon の想定です。簡略の為加速は無視しています。

これまでの傾向通り、登り勾配が急な程出力が高くなり、3%以上のゾーン1では202Wです。逆に-3%以下のゾーン7は125Wと低くなります。

最適化後はタイムを4.1秒短縮(0.6%短縮)できる計算です。

2.検証

・コース Champs-Elysees(Paris)
・機材はZWIFT TT、ZWIFT 32mm Carbon ※ドラフティング無効にする為TTバイク
①カスタムワークアウトで180W一定のワークアウトを作成→ERGモードでコースを一周して基準タイムを測定
②カスタムワークアウトで最適化後の出力に対応したワークアウトを作成→ERGモードでコースを一周して最適化時のタイムを測定
※これが非常に面倒ですが正確な検証のためにがんばりました。

 2-1.180W一定

スクリーンショット (26)

■180W一定
タイム:11:41.4(701.4秒) ,平均180W ,NP180W

計算での予想タイムが706.7秒だったので約5秒差です。いくつか簡略化が入っていてこの結果は驚きの正確性だと思いました。これまでのZwift検証の賜物です。

 2-2.NP180Wで最適化

スクリーンショット (24)


タイム:11:37.7(697.7秒) 3.7秒短縮,平均178W ,NP179W

計算での予測4.1秒短縮に対して、3.7秒短縮はかなり良い結果です。
今回の最適化理論はおおむね正しいと言ってよいでしょう。

■NPのデータ
NP180Wの狙いでしたが、結果はNP179W。結果的に平均出力もNPも低くてもペーシングの工夫だけで速いが実現できました。

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■パワーの履歴
前半の登りで出力高め。下り区間でその分出力を落としています。

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■タイム比較
下の図はSTRAVAでセグメント比較ができる機能です。

最適化後の走行データでは、登りきった時点で9秒先行しています。そこからは平均180Wの以下になりますがタイムロスを抑えて4秒先行のまま逃げ切っています。

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以上のように今回の結果で最適化計算は概ね正しい事が実証できたと思います。

今回は勾配が緩めでタイム改善率が小さかったので、次回Bologna TTのコースで適用したらどうなるか書いていきたいと思います。

※計算シートは体裁が整ったらいずれ公開しようと思います。


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