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Unity 1週間ゲームジャム お題「そろえる」に参加したメイキング【RTART ~閉店までの1分間~】

■はじめに

 こんにちは。サークル「ほんわかふわふわ」代表、花倉みだれです。
 「ほんわかふわふわ」は妻でイラストレーターの「平和なべ」(https://twitter.com/hf_heiwanabe )と私、花倉みだれの2人サークルです。

 妻のTwitterアカウント

 直近では前回unity1週間ゲームジャムに参加した際のゲーム『学園スイーツ発見 ~双目(ざらめ)のドーナツ編~』をSteamにて無料ゲームとしてリリースしました。

 おかげさまでなんと5000ダウンロードを超えるなどたくさんの反応をいただけています! すごい! ありがとうございます!

 今回は、直近開催されている「Unity1週間ゲームジャム(お題「そろえる」)」に参加させていただいたゲームについて、制作過程を振り返るメイキング記事となる予定です。

Unity1weekのページ

 評価期間が2週間設定されていて、それが明日、5/22 20:00までとなっているので、それを受けてもう一度振り返りはできたらなと思っています。
 色々現時点あぁすればよかったこうすればよかったはありますが、今回の記事は反省よりはシンプルに振り返りのほうに軸を置きたい気持ちです。

 前回参加時のメイキングもnoteにしていて、比較して思い出しながら見てみて面白かったりしました。記録は残しておくものですね。

 今回参加したゲームはこちらから遊べますよ! PCブラウザで遊べます! もちろん無料!

■0日目

 お題が決まっていないので当然といえば当然ですが、準備は全然しませんでした。
 漠然とですが、できればノベルゲームが作りたいなぁという思いがあったくらいですね。

 口パク目パチさせてみたり、キャラ画像を入れておいていたり、ちょこちょことノベルゲームを作るための準備はしているのです。
 色々と理由はあるのですが、個人的には今すごくノベルゲームが作りたい欲が高まっているんですよね。
 お題に合わせた短編を書けばいい、と思えば工数も抑えられそうだなぁとか思っていました。

■1日目

 そして発表されるお題「そろえる」
 
初日はとにかく企画を考えて固める日だと私は考えています。
 Tweetもしていますが、ファーストインプレッションは3マッチパズルでした。

 ゴリゴリのファンゲームですが、3マッチパズルのアセットを使ったゲームは以前作っていたのも、ちょっと背中を押します。
 このファンゲーム(版権に触れている)部分をオリキャラに差し替えればまぁ、いけるかな……みたいな発想ですね。
 とはいえ、あまりにデザイン・イラスト側への負担だけがデカイ。
 妻に頼めばやってくれるかもしれませんが、それもどうかなぁ……うーん……と一端棚上げします。これはこれで作りたいですけどね!

 次に考えたのは神経衰弱。お題「2」の時にやろうか悩んでいたものです。トランプはトランプのゲームを以前作っているので、それを流用できそうなところがポイント高いですね。

「以前作っていたトランプのゲーム」

 神経衰弱の作り方も多分、今ならわからないわけではない気がします。自信はないですけど。
 ただ、何かひと押しが足りない感じがしてこれも棚上げします。

 次に考えたのがパチンコ
 
これもずっと作りたいと思っているものです。
 
ただ、大変情けないことに今の自分は3D物理を扱う技能がほぼ0です。
 物理がないパチンコって一体なんだ……? 保留を入れるのをどうするんだ……? そもそも退屈しない演出量作れるか……? みたいなところが大いに懸念ですね。
 それなりに運ゲーに対してポジティブなスタンスを私は持っていますが、それにしても「ゲームジャム」で完全にラックだけで演出眺めさせるゲーム性は……みたいな葛藤もありますしねぇ。
 というわけで大変悔しいですがこれも棚上げです。
(余談ですが、このあたりの懸念をクリアしたゲームも投稿されていてすごいなぁと思ったりしました)

 次はガチャですね。コンプガチャ的な「そろえる」というところです。
 これもずっと作りたいと思っている……というか、
 個人的にu1w初参加となった「あける」でそんな感じのものを作っています。
 今ならこれをもう少しリッチにいい感じにしたものを出せるかもしれない……と考えました。
 とはいえ、あまりにリメイクリメイクしたものもどうなんだ……? という葛藤はありましたね。というわけで一旦棚上げ。

 次は変化球。実際の投稿作でも結構あった「ソロエルちゃんのゲーム」説。とはいえ、これも何も思い浮かばず却下。

 一通り考えた後の大本命、ノベルゲーム説
 情けない話ですが、っぜんぜんいい感じの規模感とリソースでまとまりそうな話を思い浮かべられる気がしませんでした。っほんとうに残念ながら断念。悔しい。
 
実際にいい感じのノベルゲーム作ってる方はいらしたので心底尊敬です。

 結果、選ばれたのが「スロットのART(アシストリプレイタイム)風のミニゲーム」でした。
 これは以前参加しようと思ってできなかったunity1weekお題「ちゅう」の時の企画で、企画書と仮UIパーツだけ置いたプロジェクトがありました。

 何を押してもなにも反応しない、本当にImageとTextを置いただけのプロジェクトだったので、これをどうにか動くようにしてみます
 実際触ってみて最低限自己満足できそうかを判断します。

 圧倒的モックっぽい動きですが、なんとかやりたい一番コアな部分の動き(アシストナビを表示して、それ通り押せばベルが揃う、従わないと揃わない)は実装できました。
 そしてこれが、意外と遊んでみて自己満足力は高かったです。

 とはいえ、スロッター向けすぎる題材で、広くゲーム開発者にウケるゲームを作ることがおそらく望ましいu1w向けのゲームとは言い難いものがあります。
 5/2の間にもっといいものが浮かんだら却下しようとずっと粘っていたのですが、他に浮かばなかったのでもうGOです。

「換金所の場所を知りたい客と教えられない店員」
「会員登録したら延長できるけどちょっと鬱陶しいパチンコ屋」
 みたいなこれまたえらくハイコンテキストなネタを入れて、ワンチャンそっちの道で突っ込み・共感でネタにならないかな~みたいなところまで考えて、少し実装も継ぎ足して初日は終了です。

 「ゲームの根幹ができた」「小ネタもある」と、個人的には過去一滑り出しが良かった初日でした。
 あまりにこじんまりしすぎててちょっと物足りないかな~とか時間余っちゃうかな~みたいな余計な心配をしていました。

■2日目

 この日はドキュメント作り&発注です。
 初日で幸いなんとなくゲームが動いたこともあって、ガワを整えることを意識していきます。
 デザインを妻に、ボイスを声優さんに頼むにあたって、企画を見える形で固める必要がありました。

 妻にデザインを頼むにあたってこういう要素を入れたい、みたいなものを画面ごとに書いていきます。
 ボイス発注にあたっても、読まれるかはわからないものの参考資料的にないよりはいいだろう、という思いもありました。 

 主に妻に見せていた企画書

 最終形態と結果的に異なってしまった部分などはありますが、結果的にここで一度見える形にしておいたのは良かったなと思います。自分で実装するにあたってもなんだかんだ目印があると違いますからね。

 ここでモチーフやタイトル、各名称なども自然と固まっていきます。
 アイドルモチーフにしたのは、描き下ろしがなくても1キャラ歌ってみた動画を作った時の絵素材を流用できそうだったからです。

 「ゲームとしてのタイトル」「ゲーム内ゲームのスロットとしてのタイトル」は設定しておかないと不便だろうと勢いで決めました。
 「RTART」は、リアルタイムアタックとアシストリプレイタイムをかけたものです。ただ、今思うと「RTARTA(リアルタイムアシストリプレイタイムアタック)」が正解でしたね。まぁ不可逆なのでもうFIXです(笑)
 「アンタップガールズ」なのは、ほんわかふわふわや平和なべの元ネタ の流れを組みつつ「アップアップガールズ」や「WakeUpGirls」などの既存アイドルを擦りつつggった感じ実在しないというところでした。

お送りした台本
お送りした依頼書(一部)

 声に関してはこんな感じの台本と依頼書を書いて送りつけていました。
  
 声に関しては今回3人に依頼させていただきました。
 佐々岡つかさ役、和泉沙依さん
 桜姫姫花役、菜月なこさん
 店員・ナレーション、若宮とおかさん
 の3人です。

 和泉さん、菜月さんに関しては前回やその前後で依頼していたのもあって信頼感抜群ですし、キャラクターを続投させているので当然そのまま依頼したい、というところでした。
 「ARTっぽさ」を出すために、どうしても「左」「中」「右」のボイスだけでも必須で欲しいと思っていました。(実際はもっと頼んでいます)
 結構スケジュール的には無理を毎回言っていると思うのですが、引き受けていただけて感謝ですね。

 もう一人、若宮さんに関しては今回初めてのお付き合いです。
 つかさと姫花に関してはあくまで「ゲーム内ゲーム」のキャラクターとなってしまうので、ちょっとメタ的な存在が欲しいと思っていました。
 プレイヤーを煽る形になるPVのナレーションの立場としても、そのキャラクターと同じ人に依頼したかったですしね。
 ほんわかふわふわキャラクターとしては『HIGH6&LOW5000兆円~』で直近イラストを作成していたものがパチ屋の店員っぽくも見えたので、この娘が喋ってるていにしようという気持ちでした。

HIGH&LOW~でトランジションに使用していた画像。トランプ消すか隠すかすればディーラー服っぽい感じなのでパチ屋の店員っぽくも見えるなと思いました。

 0から探す形だったので結構難航したのですが、サンプルでお嬢様ボイスがある方で、少女っぽい感じがイメージできる方として若宮様に決めました。
 色々な方のお嬢様サンプル聞いたのですが、どうしてもちょっとオバサンっぽい解釈のサンプルが多かったんですよね……。

 こっちより……

『プリンセスコネクトRe:Dive』より。クレジッタ

 こっちのイメージだったのです。

『プリンセスコネクトRe:Dive』より。アキノ

 が、意外とそういうサンプルが見つからなくて……。

 スピード勝負なところは大前提なので、やはりサンプルは大事です。
 多分実力がある方であればどんな依頼でもこなしてくださるとは思うのですが、発注側の心理としては「こんな感じになるだろう」というイメージができるのは結構大事なポイントだな、と思いました。リテイクは通常時以上に出したくない心理も出てきますしね。
 結果的にいい感じの納品をしていただけたのでこれも感謝ですね。

 そんなわけで、2日目はわりとパワポとエクセルとワードをいじった日でした。

■3日目

 タイトル~メイン~リザルト~のゲームのループを作りつつ、
 納品されたボイス素材などを組み込んでいきました。

 もうゲームのループもできてるし素材も続々届いてるしあとはデザイン整えば完璧! 3日でこれはすごい順調ですよ! と思っていました。

■4日目

 モチーフをアイドルものにしたのは、BGMを考える労力を減らそうという意図もありました。
 アイドルモノのパチンコ・パチスロのボーナス中、ART中は彼女らの歌モノがBGMになるものなのです。つまり、フリー素材の歌モノを流せばいいということになります。
 ゲ制界隈の中でも大人気の魔王魂様から、それっぽい曲や人気曲を数曲見積もってそれっぽ~いと満足していました。

 が、この仕様なら「それっぽい歌モノ」ならいくらでも追加できます。
 ならば、公募してみるのもありかな~と思い立ち、思い立ったがラッキーデイとこれの公募をすることにしました。
 というわけでこの日は少しパワポデイでしたね。

 その他は、届いた声や画像素材を組み込みつつ、リールの見せ方を調整したりしました。
 スロットのリールを回転させることは、今回早々に諦めています。
 単純にあまりやり方ピンとこなかったので終わる見込みがつかなかったことが理由です。あとは横画面にしたい上で3ライン見えるのレイアウトがしんどいだろうというところもありました。

 続々と素材が届く一方で、デザイン面でのブラッシュアップが届かないところに少しだけ不穏な感じを覚えていた頃でした。

■5日目

 細かい実装面をちょこちょこやっていきます。

ランキング設定したり

キー入力対応したり

画像を差し込んでみたりしています。

 余裕じゃね?? から、もう5日目!! になっている辺り雲域はちょっと怪しい。
 とはいえ、ゲームとしてのループはできているので間に合いはするかなーと思っていました。

■6日目

 なんと楽曲募集に対して声がかかりました。とっても嬉しい! 可愛い! 最高!
 やってよかった募集!!
 合わせておまけモード的に「エンドレスモード」を追加しています。
 曲の尺に対して、1分(+1分)のゲームの尺だと聞ききれませんからね……!

 そして最も重かったであろう描き下ろしの等身高めイラストが届きます。
 これをSpineで動かしつつインポートします。

 バグり散らかしてちょっと焦ったりはしつつ、

 なんとか無事インポート完了。
 技術的(?)に一番不安だったところはここだったのでとりあえず山場を越えたような気持ちでした。

 スロットっぽい感じにやかましくしたい、というところでテキストのアニメーションに今回はトライしていて、やりかたわかれたのは良かったなぁと思いました。必要に駆られないと覚えないものですね。

■7日目

 早くも来た最終日。

 ここでついにデザインリファインが届きます。
 圧倒的に面白く見えてきます。見えている情報量は変わらないのに!

 ゲーム部分はできていたはずなので、本当はこれを差し替えれば終わるはずでした。
 ……が、このデザイン、大きな問題をはらんでいました。

 タイトル→メイン→リザルト
 のループを、これまで私は全画面の切り替わりで作っていました。
 が、色々話して決まったデザインは「中央にモニター、両端に全モード共通のUI」という表示です。
 「そもそも押せない(非アクティブになっているから)」仕様だったボタンや情報などが「見えている」「押せる」状態に変わってしまったり、逆に押せなかったものが押せるようになったりしたわけですね。
 このデザイン、レイアウトのほうがしっくりくるとは今でも思っているし間違ったとは思っていないのですが、押せないはずのボタンを押せてしまうものを制御したり……みたいなものを制御するのは思ったより骨が折れました。ただの差し替え以上の作業量になってしまったわけです。

 結果的に、これが遅刻の決定打になってはしまいました。
 1個の仕様変更、デザイン変更の影響って小さくないものなのだ……という辺り前っぽいことを実感できましたね……。
 悔しい。

■8,9,10日目

 色々辻褄が合わなくなっていた部分をどうにかしていた日々でした。
 結構進行不能ポイントがしばしば出てしまうなど、3日目くらいにはループできてたはずなのに~~~!!!!! と苦しむばかりでした(笑)

 特にDOTween起因の警告無視していたがゆえのUnityroomにアプロした時だけ出る不具合にはずいぶん悩まされました。
 結果3日遅刻です。間に合いたかったので悔しいですね~!!!

 PVも公開してからちょっと時間差はありつつその日のうちに公開しています。

 あとは今回、Skebで依頼したイラストを一部組み込んでいます。
 Skebは原則プロフのアイコンのみの利用みたいな制限があるのですが、発注文に書いてある用途に限っては可とされています。事後相談や承認はNGと言われています。
 私は頼む時に「ゲームに組み込むかも」ということを付記して自キャラを依頼しているのですが、それでも「やっぱり嫌だ」と絵師に言われたら引き下がるほかありません。

 なのでちょっと賭けだったのですが、事後相談の代わりに「報告」として絵師の皆さんのアカウントにメンションをつけてTweetを行いました。(嫌なら差し止めがくるだろうというやつです)

 こんな感じですね。
 結果的に誰からもクレームは来ていないのでとても安心しています。良かった。

 この日Steamのゲーム2つのアプデ、リリースも重なっていたので、
 ニュースバリュー的に3つ合わせればイケるかな……! とプレスリリースもこっそり打ったりしました。
 雰囲気的には、それぞれ1つずつでも良かったかもなぁ~と思ったり思わなかったり振り返っています。

■公開後の延長戦

 一応ゲームループが回ったことで一度公開しましたが、仮素材はたくさん残った状態だったので本素材が来次第差し替えていっていました。

■やり残し

 画面はもっとやかましくできたと思いますし、SEはもっと入れられたと思っていますが、一旦ここまでで打ち切っています。
 ゲーム性やナビゲーション面も色々反省はありますが、その辺りも含めて結果出てから振り返って、今後改修する・しない、するとしたらどうやって……と考えていけたらなぁと思っています。

■終わりに

 遅刻してしまったことはやはりものすごく悔しく思っていますが、
「ゲームを作れる」という点においてちょっと自信を喪失していた部分があったので、とにかく公開はできたことで、その辺の自意識みたいなものをいい感じに取り戻せたのは個人的には良かったです。

 内容での公開や反省などはまた明日以降。
 前回のまとめ読み直して思ったのですが、自分用であってもこういうメイキング振り返りはあるといいものだな……と思ったので、書けて一安心。

 色々拙い部分はありますが、3分程度で遊べるゲームですので、ぜひ遊んでいただけたら嬉しいです!
 BGM等は今からでも受け付けますよ!


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