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ただの大学生 好きな映画や本のこと、日常の中で心を動かされたことなどを書きます。 楽し…

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ただの大学生 好きな映画や本のこと、日常の中で心を動かされたことなどを書きます。 楽しむよ!

最近の記事

「対岸の彼女」を読んで

誰かと親密になると、それを失ったとき、自分の中に残る空洞が怖いから、人との深い関係を避ける。 人を受け入れられないし、自分の身も委ねられない。 心の親密さを自覚しないように努め、一線を引いた上で一律に人に接する。 人を見ようとしない。 自分の気持ちに鈍感になる。 たとえ失っても、その穴を他の誰かでも埋められるように。 そんな関係性の作り方、距離のとり方の虚しさを突かれて、ヒヤリとさせられた。 関係性の消費は、楽な部分もあるけど、寂しい。 大事なことは、そこには何もない。

    • 映画『偶然と想像』を見て

      誰にも言えなかったこと。 あの時こう言いたかったという経験。 それを偶然と想像で自分の外に出す。あるいは内に留める。 もしこれが現実だったら、それはかなり変だけど、でも理屈だけではどうにもいかない私たちのココロには、そういったヘンテコな体験が本当は必要だったのだ、ということ。でも実際のところ現実にはないよね、で終わりがちなこと。もしあったら見てみたいけど、みたいなこと。 それらをフィクションの世界で本当に描いてくれた、夢なのか現実なのか偶然なのか想像なのか、まさに「驚き

      • 小説『ノルウェイの森』を読んで④

        4回に渡って見て行ったノルウェイの森。 これまで主に、直子やレイコさんの言葉を取り上げていきました。 実は前回までの内容はすべて上巻に書かれていて、真っ暗闇の中にいた当時の私は、その上巻に救いと共感を求めて、バイブルのように、何度も何度も読んでいました。 そんなもんだからなかなか下巻までたどり着くことができず、自分が少し元気になるにつれて、ようやく下巻まで読み進められるようになったと思ったら、そこで直子の死を知って、絶望して、自分も直子のようになるのではないかと怖くて、1

        • 小説『ノルウェイの森』を読んで③

          今回は、’’支援’’がテーマです。 外部世界へ出ていく不安とともに、どういうふうな支援をしてもらえると嬉しいのかを書いています。自分の経験に基づいているため、かなり私自身の話が多くなってしまいましたが、1つの例としてみてください。😌 また、当事者に対してどういうふうに接すればいいのか悩んでいる方にもおすすめです。 これを公開するのに勇気がいりましたが、いつまでも抱えているわけにはいかないので、ええいっ!と公開しちゃいます。 ●外部世界へ出ていく不安 まず直子が前回の手

        「対岸の彼女」を読んで

          映画『ドライブ・マイ・カー』を見て

          今年見た中で間違いなく1番の映画だった。 「他人を深く知りたいなら、自分自身を見なくてはいけない」という台詞が心に残った。 妻が自分を愛していたことと、他の男と関係を持っていたことは矛盾しない。家福はそんな他者理解、そして自己理解のための長く深いドライブに出る。 理解するとはどういうことかを根本から丁寧に描いた映画だと感じた。 日本語、韓国語、中国語、英語、手話など、多言語が折り重なったあの空間では、これまで人間が築いてきた言語文化や歴史に思いを馳せた。それを基盤に、「相

          映画『ドライブ・マイ・カー』を見て

          小説『ノルウェイの森』を読んで②

          私は自分の癖が嫌だなーと思うことがあります。 たとえば、私は完璧主義なところがあって、気がつかないうちに無理をしてしまう癖があります。 それから、自分と他人の境界線があいまいになるときがあって、そのせいでひどく傷ついたり考えすぎたり、自分の感情を無理に内にとどめてしまったりしてしまいます。 そういう癖があって、病気もあって、苦しくて、でももうどこから手をつけていいのか分からなくなって混乱したとき、私は直子の手紙を読んで気分を落ち着かせます。 それは、大学を1年休学し、療養

          小説『ノルウェイの森』を読んで②

          小説『ノルウェイの森』を読んで①

          みなさんは、深い井戸の話を知っていますか? それは草原が終って雑木林が始まるちょうど境い目あたりにあります。 どこにあるかは誰にもわかりません。 普段は草で隠れていて、周りには柵も石囲いもありません。 ただ直径1メートルばかりの暗い穴が、大地にぽっかりと口を開けているだけなのです。 その井戸はとっても深くて、この世のありとあらゆる種類の暗黒を煮詰めたような濃密な暗さだということだけが、知られています。 二、三年に一度、その井戸に落ちてしまう人がいます。 落ちてしまうと、出

          小説『ノルウェイの森』を読んで①

          映画『私をくいとめて』を見て

          みなさんは1人○○したことありますか? 私はよくするのは、1人散歩くらいです。 1人の時間って、なんであんなにわくわくするんでしょうか。 自分の通りたい道を通ったり、好きなところで立ち止まったり、全部が自分の自由なんです。 家があったり、そこで番犬と睨み合ったり、川の流れる音を聞いたり、草花や果実の写真を撮ったり。 もう全てがきらきらして見えます。 私の大学の友達で、1人ディズニーランドをする子がいました。なんでも推しのキャストさんがいるとかで、その人のパレードを見るため

          映画『私をくいとめて』を見て

          はじめまして。

          この間、知人にnoteを始めてみたらどうかと言われた。 実際のところ、2、3年前から興味はあったが、何を書けばいいのか分からないし、中学校卒業以降、「書く」ということとはずいぶんと疎遠になっていたため、始めるのをためらっていた。 しかし、「mi さんの書く文章はきれいだから。」という知人のひと言で、今もうすでに5行も書き出しているのだから、他人から与えられるパワーはなんと大きいものだろう。 とりあえずそんな感じで、理由らしい理由はないのだが、きっかけをいただいたので、あ

          はじめまして。