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#小説
【小説】僕が猫になったわけ(17977文字)
薄暗い街角。高架線の下。ホームレスの居住地区。
僕は気付いたら猫だった。
電車の通る音が反響する。耳障りだ。
電車の音って、こんなにうるさいものだったっけ。ポツリと思った。
そして、こうも思う。僕は何と比較して思っているんだろう。
首を傾げながら、僕はとりあえず歩き出した。
慣れない四足歩行が辛い。
何故慣れてないか?それは自分で分かっているつもりだ。
つまりは―
【小説】喫茶、憩い(11891字)
私は落ちぶれた小説家だ。
若い頃は、それなりに売れた。雑誌に連載を何本か持った事もあったし、一度だけ新聞に連載させてもらった事もある。
しかし、今の私には若い頃のバイタリティも無く、アイディアも無い。残った脳みそは搾りかす程度に思え、今の新進気鋭の若手が新作を刊行する度に怯えている。
先日、久しぶりに会った担当編集に、「先生もそろそろ新作を出されては?」と勧められた。その担当編集は若
別れ【140字小説】
ぽつり、ぽつりと、場所を選ぶ様に、俺の周りに花が咲いていく。
時には咲く前の花弁がふわりと俺の顔をなで、安らかな言葉をかけていった。
雨がたまにポツリと来たが、本降りにはならない様だ。そうだよな、折角の綺麗な花が萎れっちまう。
ああ。
いい人生だった。
#140字小説 #140字ss
【小説】私は今日も、ときめきの魔法を身にまとう。
この世界では、全ての人が魔法を使う。
加速魔法を使った主婦が、今日もブログに投稿した。
「昨日は2歳の息子も落ち着いていて、一緒にたくさん遊べたし、彼の昼寝時間で今かかっているデザインの案件も目途がついてきた。新しいお花をお部屋に飾って、疲れて帰ってきた夫には、彼の大好きなビーフシチューを作ってあげられた。素晴らしい一日に感謝」と。
魅了の魔法を使った人達が、今日もSNSで素敵な歌声や絵