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【俳句】ティータイム 春から夏へ


      こぼれてはきらきらざらめ蝶来る    梨鱗


根っからの甘党なのに
コーヒーはミルクも砂糖も入れたくない。
「入れたくない」は「いらない」より厳しい言い方。
だから、ぼくのブラックコーヒー好きは
反抗的気分のあらわれかもしれない。

人の声のとどく距離にいてみたいけれど
あなたが考えていることに興味もあるけれど
そんな場処にしばらくいると
やっぱりそこから離れていたい。
ごめんなさい。
我儘だね。
わかれ際には、なるべくにこやかでいますから。
(欺瞞かな?)

人の世の中に放り投げた問いは
人のことばで返ってくるらしい。
だったら、
ことばを返してこない方へと
投げてみる。
遠くへ、足元へ。
小さいもの、大きなものへ。
形をもたないものへ。
二週間でかわる風の質感。
空が明るく広くなる季節なら
面倒くさいじぶんを甘やかしても
平気。

変化球もいいですよ。
今日のコーヒーには蜂蜜を。
くるくる回したスプーンを引き抜けば
なんだか、人のことばみたいな
渦の余韻。

     
     チョコレートぱちりと噛めば若葉風



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