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大学アンチだった私が大学院まで行った話

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【完結済】自身のエッセイ(?)シリーズです。私が大学院に進学した経緯を書きました。一本あたり1000字〜1500字程度です。
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#エッセイ

大学アンチだった私が大学院まで行った話-0:大学受験の失敗

高校の現代文の授業で、中島敦の『山月記』を読んだ。主人公の李徴は、私だった。

「臆病な自尊心」「尊大な羞恥心」と表現されたこれが、「あの国立大学に行きたい」と言いながら全く受験勉強をしない自分にぴったりと当てはまる。

「自分の能力なら、努力すれば叶う目標だ」という自負がありながら、「そうでなかったらどうしよう」と恐れ、努力を躊躇っていた。

あまりにも耳が、心が痛かった。

勉強しなかったのは

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大学アンチだった私が大学院まで行った話-1:絶望の大学生活

「大学ぼっち系YouTuber」なるものが、少し流行っていたらしい。

私は全く知らなかった。

なぜなら、ちょうどその頃、私自身が「大学ぼっち」だったからである。

ぼっちには、流行を教えてくれる友達がいない。

需要があることを知っていたら、私もYouTubeで何か発信したかったなぁ。

前回の記事に書いたように、入る大学をあまりにもテキトーに決めてしまった私。
入学式も、さして緊張していなか

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大学アンチだった私が大学院まで行った話-3.1:2つの別れ、新たな出会い

シリーズ最終回(前編)です。

〜ここまでのあらすじ〜
大学生活に絶望してヤケクソになっていた私だったが、尊敬できる教授との出会い、そしてコロナ禍の非対面授業により、3年生にしてぼっちでも楽しいキャンパスライフを手にする。しかし、そんな私をさらに2つの絶望が襲う…。それらを糧に変え、新たな人生をスタートさせることができたきっかけとは!?

大学生活に希望を見出せなくても、開き直ってそれなりの日々を

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大学アンチだった私が大学院まで行った話-3.2:新たな人生のスタート

シリーズ最終回後編(完結編)です。
前編はこちら↓

人生の分岐点、
そう、大好きなQuizKnockの須貝さんがサイエンスコミュニケーターであることを知ったあの瞬間から遡ること、約1年半前、大学2年生のとき。

唯一好きだった教授の授業で、「サイエンスコミュニケーター」というものを初めて知った。

サイエンスコミュニケーターは、定義するのは難しいが、いわば、科学と社会、研究者と市民とを繋ぐ"橋渡

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