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【読書感想文】すごい物理学講義

物理学の歴史概観について述べた本を読みましたので感想文を。ちなみに、文庫は1000円くらいです。

著者のカルロ・ロヴェッリは量子重力理論の専門家ですが、本の中には色々と古典哲学や古代科学(デモクリトス)の参照が出てきます。

誰もが興奮できる。。?

帯には、「だれもが興奮できる究極の世界原理!」と謳ってあります。まあ、この本を手にとって読もうとする類の人なら、エキサイトできるかも知れません。。

正直人を選ぶと思います。

あなたが、アインシュタインの一般性相対性理論を一般向きに解説している本や記事を見て、興味を感じる人であれば、大丈夫でしょう。アインシュタインを、なんか知らんけどいつもベロ出した画像がでてくるおっちゃんと思っているなら、あんまり読まないほうがいいかなと思います。

私自身、量子論以降の話は、ついていくのがつらかったです。科学的に難解なこと(数式とか)をズラズラ書いているわけではありませんが、とにかく肌感覚で理解しにくいことが多いのです。読了後他人に説明できるほど内容を理解したか?と問われると、答えはいいえですね。だからこれからも何度も読み返そうと思います。

古典力学とアインシュタイン

この辺はまだ良いと思います。皆さんも馴染みがある、重力による空間の曲がり、時間経過が変化する話が出てきます。

あとアインシュタインは数学が苦手だったようですね。それでも、一般製相対性理論の方程式については数学者ヒルベルトも発見に努力したのですが、先に発見したのはアインシュタインでした。

量子論

本書によると量子論を基礎づける3つの考え方は以下の通りです。正確に説明できているか分かりませんが少しだけ注釈を付けておきます。

粒性:空間において光のエネルギーは不連続に分布している。原子中の電子がもつエネルギーも特定の値しか取らず、だから物質は固有の色を持っている

不確定性:微小なスケールでは位置と運動量両方を正確に測定することはできない。

相関性:電子が存在するのは何かと相互作用を及ぼして合っているときのみである。量子論において、事象とは関係性でのみ表現される。

よく分からないって?私もよく分かっていません。不確定性についてはハイゼンベルグの不確定性原理などで聞いたことがあるかも知れませんね。大事なことは、単一で存在する絶対的かつ測定可能なものは存在せず、全てのものは量子的に相関性でのみ規定されており、それが我々の思考や感覚と非常に隔たりがあるいのは、我々があまりにも巨視的な世界の事象のみ観察しているからなのです。。きっと

時間について

絶対的な空間が存在しないように、絶対的な時間の流れもまた存在しません。時間は局所的なものです。量子重力理論においては、空間と量子が互いに相互作用を与えあっている基礎的な過程のみ存在するのです。

また、終盤にはこのようにも言っています、、

情報とは、起こりうる可能性の数である。この負数がエントロピーと同値である。閉じられた系で情報総量は、減ることはあってもひとりでに増えることはない。したがってエントロピーは増大して、世界が熱平衡状態に近づいていくこの過程が時間の流れではないか。

感覚的に理解できるでしょうか?巨視的な私達には無理ですね。

最小長さ

空間を無限に小さく分割することはできません。最小の長さはプランク長さ(この書では、発見された経緯からブロンスタイン長さと言うべきという主張)で約1.6 x 10^(-35) m 程度です。これ以上空間を分割できませんしこれ以下の長さも存在しません。

このあたりは、、日々の生活に全く関係がないので、ああそんなもんなんだねで済むと思います。

読んでみて

私はこの分野に興味がありますが、それでもこの本を読みよく理解したとは到底言い難いです。ただ、ニュートンの時代から最新の量子論まで繋がりを持って解説している本はあまりないので、概観を捉えるにはちょうどいい本だとは思います。

既存観念を捨て去り、真っ白な状態で向き合うべきですが。。

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