強い体を作る!アリシンで健康革命!!
栄養noteとは?
「栄養note」は、健康的な食生活をサポートするための連載記事です。毎回、特定の栄養素に焦点を当て、その役割、含まれる食品、推奨摂取量、効果的な摂取方法、注意点などを簡潔に紹介します。健康維持や病気予防に役立つ情報をわかりやすくお届けします。
今回の栄養素は「アリシン」です。
疲労回復、細胞活性化の源
ニンニク、ニラ、ネギなどの強いにおいの素、アリシン。感染症を防ぎ、疲労を回復させる。また、動脈硬化予防、がん予防効果にも注目されている。
アリシンとは何か?
ニンニクを切ったりつぶしたりすると強烈なにおいがするが、このにおいの素がアリシンである。もともと、ニンニクにはアリインという無臭の成分が含まれており、この細胞が壊れるとアリイナーゼという酵素の働きでアリシンに変わる。アリシンは硫化アリル、アリル化合物とも呼ばれ、ネギやニラなど、同じユリ科ネギ属の野菜を切った時の独特の匂いもアリシンによるものである。
アリシンには疲労回復、抗菌作用、抗酸化力など、体に有効な様々な働きがあることが分かっている。
アリシンのがん予防効果
アリシンには、実に様々な働きがあるが、今最も注目されているのはがん予防効果である。アメリカ国立がん研究所を中心に、ニンニクとがん発生の関連について調査・研究が行われている。中国の山東省で実施された調査では、ニンニクの摂取量が増えると胃がん発生の危険が減るという結果が出ている。また、アメリカのアイオワ州の女性を対象とした調査では、ニンニクをよく食べる人は、全く食べない人よりも大腸がんになる確率が低いことが分かっている。ニンニクで美味しい食事を楽しみながらがん予防ができれば、一石二鳥である。
アリシンの取れる野菜
アリシンの素になるアリインは、ニンニク、ネギ、あさつき、わけぎ、にらなどユリ科ネギ属の植物に含まれている。これらの食材を切ったり、つぶしたり、すりおろしたりするとアリシンに変わるので手軽に摂ることができる。
ニンニク アリシンの取れる野菜の中でも特に豊富なのがニンニク。「疲労回復にはニンニク」とよく言われるのは、ニンニクが疲労回復に必要なビタミンB1を含んでいる上に、アリシンがビタミンB1の吸収を高めるためである。スライス、みじん切り、すりおろしなどして料理の香りづけや薬味に利用できる。アリシンは油に溶け出るので、油と加熱調理するのが効果的である。ビタミンB1の多い豚肉、ニンニク、油は最強のコンビとなる。
ニラ ニンニクほどアリシンは取れないが、ニンニクより食べやすく、一度にたくさん摂取できるのが利点である。スタミナ料理の代表とされるレバニラ炒めは、疲労回復に働くビタミンB1の摂取に効果的な組み合わせである。
ネギ ニンニクと比べればアリシンはあまり取れないが、アリシンと似た硫化アルキル酸という物質を多く含むので、同様の効果が期待できる。白ネギの方がアリシンが多く取れ、青ネギの約2倍である。
アリシンの変化と効果的な取り方
ニンニクからアリシンをたっぷり摂りたいところだが、生のままでは刺激が強すぎて、空腹時にそのまま食べると胃腸の粘膜に炎症を起こすこともある。食後のにおいも強いので、一度に摂りにくいものである。効果的に摂るには、油や液体に溶けやすい、低温で加熱すると油によく溶け出すといった性質を利用することが重要である。
油に溶け込ませる
アリシンは揮発性が強く、放っておくと2-3日でさらに抗酸化力の強い別の物質(アリルスルフィド類)に変わる。この成分は油に溶けやすい性質があるので、オリーブ油などに漬け込んでドレッシングや炒め油に利用すると良い。
加熱して摂る
ニンニクを加熱すると、アリシンは抗酸化作用がさらに強い物質になる。約100度の低温の油の中で加熱すると最も成分が溶け込みやすいと言われている。効果的な調理法は、フライパンに油と薄切りやみじん切り、またはつぶしたり、すりおろしたニンニクを入れて、弱火でゆっくり炒めるやり方である。イタリア料理や中華料理で、ニンニクやネギを油で炒めて香りを出す調理のプロセスは、まさに加熱してアリシンを摂るのに有効である。
アルコールや醤油に漬ける
アリシンをアルコールや醤油、酢などの液体に漬け込むと強い抗酸化作用のある水溶性の物質(S-アリルシステイン)が生まれる。酢や醤油より、アルコール類に長時間漬け込むのが一番効果的である。ニンニクを小分けにして薄皮をむき、根本を切って果実酒用のアルコールに2~3ヶ月漬け込む。
アリシンの働き
強い殺菌、抗菌作用によって、体に侵入した細菌やウイルスを殺し、食中毒や風邪を予防する。ビタミンB1の吸収を高め、疲労回復を助ける効果もよく知られている。さらに、食欲増進、消化吸収を促す、肝機能を整える、血行を良くするので、肩こりや冷え症、神経痛などの改善にも働くと考えられている。アリシンが変化してできる成分は抗酸化作用が強くなり、血栓を防ぎ、コレステロールを低下させる作用があり、動脈硬化を予防すると言われている。活性酸素や発がん性物質の働きを抑えるので、がん予防にも効果が期待されている。
おすすめ!アリシンレシピ
ガーリックシュリンプパスタ
にんにくをみじん切りにし、オリーブオイルで炒める。
えびを加えて炒め、白ワインをふりかける。
茹でたパスタとほうれん草を加え、塩コショウで味を調える。
まとめ
アリシンは、疲労回復や細胞活性化に優れた効果を持つ栄養素である。特にがん予防効果が注目されており、ニンニクや玉ねぎなどの野菜を日常的に摂取することで、健康維持に大いに役立つ。様々な調理法で取り入れることができるので、ぜひ日々の食事に活用してみてほしいですね。
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