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【あらすじ】映画『レザボア・ドッグス』(タランティーノ監督)はとにかく驚異的に脚本が面白い!

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クエンティン・タランティーノ初の長編監督映画『レザボア・ドッグス』、ムチャクチャ面白いじゃねぇか!デビュー作からこんなに面白いって、やっぱ天才なんだなぁ

さて本作は、私が観たことのあるクエンティン・タランティーノ映画2作目である。初めて観た映画『パルプ・フィクション』は、正直なところイマイチ面白さが分からなかったのだが、本作『レザボア・ドッグス』はのけぞるほど面白かった。設定はこれでもかというくらいシンプルなのに、物語の展開がとにかく絶妙で、上映時間が100分もあったとは信じられないぐらいである。もっとあっという間に感じられたからだ。

そりゃあ世の中の人からすれば、「タランティーノ作品が面白い」なんて当たり前のことかもしれない。しかし、「映画館でしか映画を観ない」というルール縛りで映画を観ている私には、過去の名作を観る機会はなかなかが無いのである。いやホントに、観られて良かったなと思う。

ただ正直なところ、冒頭の会話のシーンだけはちょっと退屈だった。私には、何を喋っているのかほとんど掴みきれなかったからだ。「本作における役割」としては恐らく、「『彼らは普段からこんな会話をしている』という雰囲気を見せること」だと思うので、そう考えれば、「普段の仲間内の会話なのだから、分かりにくくてむしろ正解」という感じもする。ただ、私にはちょっと合わないシーンだったなぁ。

しかしその冒頭のシーン以降はとにかく、展開も構成もひたすら天才的な、見事すぎる作品だった。

内容紹介

会話のシーンが終わるといきなり、「後部座席に『血まみれの男』を乗せた車が爆走している」という場面に切り替わる。彼らはそのまま、ある倉庫へとたどり着いた。どうやらそこは、「計画遂行後の集合予定場所」であるようだ。しかし、一体何の「計画」なのか。実は彼らは強盗で、ジョーという犯罪社会の大物の仕切りで練られた計画の決行日が、まさに今日だったのだ。そして、どうやら見事に失敗したようである。

車を運転していたのが「ホワイト」、そして後部座席で血まみれになっていたのが「オレンジ」。そう、彼らはお互いを本名では呼び合わず、それぞれがコードネームとして色の名前を付けられているのである。

しばらくして、倉庫に「ピンク」がやってきた。映画冒頭の会話で、「ウエイトレスにチップを払うのは不合理だ」とボヤキ倒していた男である。彼は実に饒舌で、さらに頭も回るようだ。「ホワイト」と「オレンジ」の会話を聞き、すぐに「裏切り者がいる」と理解した。

というのも、彼らが宝石店を襲った直後すぐに警察がやってきたからだ。通常であれば、警報装置を作動させてから警察が到着するまでどんなに早くても4分は掛かる。しかし今回は、襲撃とほぼ同時に警察のお目見えだ。となれば、あらかじめ情報が漏れていたとしか考えられない。「ピンク」は瞬時に、そのような状況を理解したのである。ちなみに「ピンク」は、警察に追われたもののどうにか宝石を持ち帰り、安全な場所に隠したと証言している。

そのまま3人でしばらく議論を続けるが、しかしまったく埒が明かない。ジョーと連絡を取る手段は無いし、”仕事”が終わったら全員ここに来るはずなのに、誰も来やしないのだ。撃たれた「オレンジ」が意識を失ったこともあり、しばらくの間、「ホワイト」と「ピンク」の2人がお互いの見解を披瀝しつつ状況を整理し、どうにか現状を打開する方策を見つけ出そうとしていた。

そんな状況下で「ブロンド」が戻ってくる。「ホワイト」と「ピンク」は、彼に怒り狂っていた。というのも、「ブロンド」がいきなり銃をぶっ放したせいで、状況がより混沌としたからである。2人は「ブロンド」を問い詰めるが、彼は「警報装置を鳴らされたんだから仕方ない」と意に介す様子もない。

そんな「ブロンド」が2人に、「俺の車まで来い。面白いものを見せてやる」と口にし……。

映画の感想

冒頭のシーンが終わった後、観客はいきなり、「何がどうなっているのかさっぱり理解できない状況」に放り込まれることになる。私は内容についてまったく何も知らずに観に行ったので、「彼らが強盗である」ということさえ把握していなかった。余計、何が起こっているのか捉えにくかったと言えるだろう。そしてそのような状態で、ほぼ「ホワイト」「オレンジ」「ピンク」の会話だけから一通りの状況を把握させるという構成なのである。まず、この見せ方がとても上手かったなと思う。

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