シェア
緋月 燈
2016年5月28日 04:23
夜に溶けてしまいたい月も差さない深い夜にこのまま溶かされてしまえたらあたたかい闇が抱きしめてくれるかしら漂っているだけで空気の摩擦に傷ついてしまうよ摩擦係数ゼロのクラゲだったら皮膚にまとわるヤスリの熱に焼かれなくて済むのだろうか波にゆられて全て委ねて水底へゆこうか月も差さない水の底へ©2016 緋月 燈
2016年5月17日 01:54
隣にいる人すら意味を持たぬほどの寂しさがこぼれでるときがあるの紫いろの夜は差し伸べられる手すら厭わしくてすくいあげられることを望んでいない闇にも呑みこめない雫を熱く濡らしては絞りだせない声を滲ませる今夜は孤独なほど寂しくなくなるからどこまでも一人にして頂戴世界に別れを告げて一人 待ち侘びる雨音は月光の音色よりピアノらしく寂しく響くのでしょう透明にしすぎた寂し
2016年3月13日 18:45
臆病なままでも世界に触れる怖がりな冬を眠ってすごしたくなる時折訪れる春の陽気に少しだけ誘われてもみる一日一日が四季一時一時が季節心が揺れ動くままに雨が降り夜より昏い夕立が降る抜け殻より軽い中身の身体が風に飛ばされても石より重い心が陽射しに安らげなくても一日一日が四季一時一時が季節心が揺れ動くままに夜を思い月の光だけがやさしさになる燈火でありたい何を見失って