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透明な結晶

通訳というお仕事は、頭をフル回転させるお仕事であることを、ある番組で見て、記憶していた。
他言語を頭の中で切り替えて、自国語で正確に瞬時に発声することは、会話の何倍、何十倍も大変なことだろうと感じた。

その時、通訳の方が「必需品」だと持っておられたのが、チョコレートだったのを覚えていた。
大したこともない一寸のことですぐ頭が一杯になってしまい、瞬時に回転させることなど叶わない私レベルの頭でも、「脳が疲れたみたい・・・。」などと理由をつけて食べるチョコレート。
そのチョコレートに説得力があったのだった。

頭の回転スピードをすぐにMAXにできることの凄さ、集中力、正確さ。
どうやって鍛えておられるのかは、その映像からはわからなかった。

今日、 makitanさんの記事を拝見して、その謎が解けた。
日々のトレーニングによって鍛えた、努力の結晶だということが。
通訳というお仕事に対する真摯さが伝わってきて、何度も読み返した。

繰り返し、繰り返し、技術と質を高めていくその姿勢が、通訳というお仕事の
純度と硬度を高めていって、研ぎ澄まされていく過程のように感じられた。
最後には、透明になって、努力の跡すら見えないくらい、普通にこなしてしまわれるのだろう。

でも、きっとmakitanさんは、楽しんでもおられるのだろう。
お仕事の域を、さらに引き上げる努力によって、その努力に見合った成果を得られる楽しみを深くご存知なのではないか。

私は、一つのことを『これ』と決めて磨いている人を、美しいと思う。

磨いているうちに純度が上がって、まわりから見たら、すでにキラキラ煌めくほどなのに、それに満足しない向上心に感動する。
そういうものを、ライフワークというのかな。

「ライフワークとは、自分の中にある<幸せの源泉>から湧き出る情熱を使って自分らしさを表現し、まわりと分かち合う生き方」

と、作家の本田健さんが定義していた。

自分らしさがある
自分が楽しんでいる
充実感ややりがいを感じられる
時間が過ぎるのがあっという間
他の人に貢献できている
お金が稼げている

「天職」「一生をかけてする仕事」というライフワークの意味を、改めて考えた。

一つのことをやり遂げていくことの素晴らしさを思う。
毎日、ストイックにやるべきことをやる。
目標をさらに上げていくことを楽しめるので、迷いがない。
そのような生き方は、私の憧れだ。


makitanさんは、英語から訳すときにしっくりくる美しい日本語を、頭にストックされているにちがいない。
日本語ならではの、直接的ではない優雅な言い回しを研究されている・・・いや、言葉選びを楽しまれているのだろうと思った。
もしかしたら、パズルみたいに。
または、ご自分の手のひらからはらりとこぼれた幾粒かの真珠を、そっと包むように仕舞われているかも知れない。

そして、透明な結晶のごとく洗練された言葉を、
綺麗な吐息のように発音されるのだろう。
心を込めて。


ぜひ、makitanさんの記事をご覧ください☆




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