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はな と ほし

2冊が一緒に箱に入っている『クリスマスプレゼント』。
1冊目は、はな。
2冊目は、ほし。
母と子のクリスマスのお話。

おとうさんがいないおうちの、おかあさんとむすめ。
クリスマスの1日を、それぞれの視点から描いています。

おかあさんは、かじかんだ手を何度もこすりながら、ケーキを売る仕事していています。
そして、おんなのこは、忙しく働くおかあさんと、パーティーをするのを家でまっています。

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おんなのこは、なかなか帰ってこられないおかあさんと自分のために、
温かいミルクティーを入れて待ちます。

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何度読んでも、この場面で涙が落ちてしまいます。
どうも、このおんなのこの姿に、娘が重なります。

「まま、お仕事がんばって。」

「いいよ。大丈夫だよ。」

一人で待たせたわけではなったけれど、
仕事で遅くなって、焦って家に電話をすると、こう言うことが多かったな、と思い出します。

寂しい思いもさせたなあ、と思います。

「まま、さびしいときには、これをあけてね。」

と表書きした手紙やカードを、何通ももらいました。
クリスマスも、お誕生日も、なんにもない日にも。
本当は、娘もさびしかったのに。
それらは、一通残らず、大事に箱にしまってとってあります。


たまに箱を開けて、たくさんある手紙のうちのいくつかを、
読み返します。

その時の気持ちと同じ、愛しく切ない気持ちがせまってきます。

でも、これは相手が子どもに限ったことではなくて、
誰かを想う時の気持ちは、このミルクティーのようなものなんだよな・・・、
と感じるからかもしれません。

おかあさんが かえってきら すぐ のめるように
ふたつ ならべて げんかんに おきました

それから すわったまま 
おんなのこは おかあさんを まちました

じっと
じっと

おかあさんを まちました


ほし の方では、こんなシーンが出てきます。


おそくなって ごめんね

おんなのひとは いいました。

おんなのこは くびを ふると
おんなのひとの まだ つめたい りょうの てに
いきを なんども ふきかけました。


やさしさ、というのは、信じることでもあるし、がまんすることでもあるし、
切ないことでもあるし・・・。
色々な感情が入り混じっていることを思い出させてくれます。

はな と ほし。
2冊読むとわかる、やさしさのありか。

とても静かな、クリスマスの1日が描かれています。
おかあさんとおんなのこに起きた、ふたつの奇跡について。






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