今すぐヨギー(ヨガ行者)になる
「ヨガ」のことを、「厳しい訓練」と考える人は多いかもしれない。かつて私自身もそう考えていた。
「訓練を積み、難しいポーズや瞑想を極めることで、"ヨガの実践者"と名乗れるのだろう」と。
だからこそ、「私のような凡人は、到底ヨガを極められない」とも考えていた。
だが実際には、誰もが今すぐ、ヨギー=ヨガの行者になれる。
ヨガの原点は仏教。かつては「瑜伽(ゆが)」と呼ばれた修行法だった。
ヨガスタジオや寺院の床に、座骨をしっかりと据え、瞼を閉じて呼吸を整える。瞑想(座禅)にふけり、マントラ(お経)を唱える。
こうして自己と対話すれば、心が整理され、落ち着きを取り戻せるはず。ほんの一瞬だけ、苛立ちや不満から解放されるだろう。
心を落ち着ける時間。
この時間こそ、多くのヨギーや僧侶が追い求めているものである。
別の言い方をすれば、「心を落ち着ける時間を持てれば、誰でもヨギーになれる」のだ。
忙しい現代人は、「ご飯は適当に済ませるから」と言って、コンビニのおにぎりを買うことが多い。
そんなときは誰でも、お米を作っている農家従事者、海苔を収穫する漁業従事者への敬意を忘れてしまう。
そしてパソコンの画面を眺め、作業を進めながら、お腹を満たすためだけにおにぎりを食べるだろう。
私は少しでも余裕のあるとき、おにぎりを前に、数分だけ瞑想してみる。
心を落ち着ける時間だ。
気持ちが整ったことを確認した後、おにぎりを作ってくれた人々と素材への感謝を胸に、じっくり味わってみる。
たとえ量産されたコンビニのおにぎりだとしても、私たちのお腹を満たしてくれる、かけがえのない食材なのだから。
この営みこそが、まさに「ヨガ」なのだ。
目まぐるしい日常の中で、少し立ち止まり、当たり前のことに感謝する。
心を落ち着ける時間を作り、食事をじっくりと味わう。
たったそれだけのことで、私たちは「ヨギー」になれる。
今こそ、心を落ち着ける時間だ。
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