ギャルとトゥンカロン
料理教室は先生1名+生徒最大5名で授業を行っている。生徒が2名以上参加する場合、同時に複数のメニューを作るため共同作業になるのだ。しかも毎回違うメンバーと初対面で料理することになる。つまり誰が参加してくるかめちゃくちゃ重要なのだ。
授業の予約はウェブ上で簡単にできる。好きなメニューを選べるし、どの先生が担当するか表示されているので、好きな先生の授業をとることもできる。生徒が何名予約されているか事前に確認することはできるが、マッチングアプリみたいに詳細のプロフィールまで書いてないから、当日になるまでどんな人とあたるか分からないのだ。
さて、今日のメニューは韓国料理だった。
・韓国風ザクザクチキン&ヤンニョムチキン
・チーズキンパ(海苔巻きのようなもの)
・トゥンカロン(マカロン的なもの)
・わかめサラダ
韓国でわりとトレンドなメニューを揃えているらしい。
開始時間3分前くらいに到着すると、ちょっとハゲたおじさんとマミ先生が待っていた。おじさんは何を話したらいいのかちょっと気まずいところがあるが、長く通っていてそれなりに料理上手な人が多いからやりやすい。あと、めんどくさい作業をやってくれたりするからありがたい。
今日はこの3人かなと思っていたら、時間ギリギリになってegg系のギャル3名が登場した。めちゃめちゃ長いネイルつけて、めちゃめちゃ高いヒールを履いている。マジ?本当にそれで料理するんですか??というか、おじさんとギャル3人って…メンバーの振り幅エグすぎるだろ。
5名参加の場合、野菜や肉の切り物は全員分担して行うため、かなり一瞬で終了する。ギャルたちも意外に手際はよく、料理はそれなりにできる人たちみたいだ。
そのあと調味料を計ってまぜたり、肉を焼く作業などは交代で行うが、正直自分の出番は少ないし、何かと2名1組で作業することも多い。(一人が調味料をいれて、一人がまぜるなど)
案の定、ギャルAとペアでトゥンカロンを作った。トゥンカロンはマカロンの間にバタークリームとフルーツを挟んで作る。まずマカロンミックスに水を加えて泡立てたら、アーモンドパウダーと粉砂糖をふるって、こすりつけるようによく混ぜる。この作業をマカロナージュをいうそうだ。赤と青の色素を加えて混ぜると、可愛らしいピンクとブルーの生地ができた。ギャルたちは「え〜このブルーカワイイ♡」と言ってはしゃいでいる。私とおじさんはそれを傍観していた。
生地を袋にいれて、それを絞って薄い円状にしてオーブンで焼く。焼き上がりを取り出してみると、丸く絞った生地がデロデロに伸びてしまっている。どうやら水の入れすぎで、失敗してしまったようだ。結構がんばって混ぜたんだけどなあ…。仕方なくお菓子担当の先生が急遽来てくれて、生地を全部作り直してくれた。ギャルAはせっかく可愛いブルーに仕上げたのに、作り直しになって悲しそうだった。
焼き直してもらったマカロンにバタークリームとラズベリーを挟んで完成する。ただ、時間もなかったのでまだ温かい状態のマカロンにクリームを挟んだ結果、こうなった。
またもデロデロである。
マミ先生は「ちょっと溶けちゃったねえ…料理食べている間、冷蔵庫で冷やしましょうか!」と言って、トゥンカロンをラップに包んで冷蔵庫にいれてくれた。マミ先生に罪はない。トゥンカロンが難易度高すぎたのだ。
調理を終えて試食時間になったが、ギャルとおじさんと食事するのはさすがにしんどい。全部タッパーに詰めて持ち帰ることにした。トゥンカロンはまだデロデロだったが、マミ先生に頼んで冷蔵庫から出してもらった。
そのあとトゥンカロンを作ることも食べることをしていないが、見るたびにあのギャルたちを思い出してしまうのであった。
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