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あなたの腸活は大丈夫? 美腸づくりのカギは、「短鎖脂肪酸」の産生力。

大腸がんは40年で7倍。女性の死亡理由でも第1位。

国立がん研究センターの調査によると、大腸がんの患者数は毎年増加しており、40年間で7倍にも増加。特に女性は、罹患数は乳がんに次いで2位、死亡数に至ってはなんと1位にもなっているとても怖い病気です。

出典:ウーマンズスマートヘルス
https://style.nikkei.com/article/DGXMZO30751750R20C18A5000000/

なぜこんなに増えているの?
3つの理由が考えられるそうです。

  • 日本が『先進国』になったから。大腸がんの発症には高脂肪食や肥満、運動不足など、先進国特有の生活習慣が関係。

  • 高齢者の増加。大腸がんは40歳以降、加齢とともに罹患率が急増。

  • 診断される人が増えたから。がん検診や内視鏡検査などで、以前よりがんを見つけやすくなったことも大きい。


あなたの腸活はちゃんと効果がでていますか?

最近話題の腸活。腸は「第2の脳」とも言われ、腸の状態が体の様々な症状や病気と大きく関わっていることが最近の研究でわかってきており、たくさんの人が「腸活」を意識するようになっています。

でも、腸活自体は主に便秘対策としてずっと前から存在していて、その代表はヨーグルトなどでの乳酸菌の摂取。そうした背景もあってか、「腸活≒乳酸菌や食物繊維などを多く摂ること」という理解が広まっているようです。

でも実際には、ヨーグルトや食物繊維、発酵食品などを多く摂っても
・お通じは改善されない
・お腹のハリをいつも感じる
・下っ腹がぽっこりしている
・肌の吹き出物が気になる
と悩む人は少なくありません。

それはなぜでしょうか?


まずは、腸のことをちゃんと知ろう。

腸活を意識している方なら、「腸内フローラ」って聞いたことがありますよね?そうです、腸内に存在する100兆個とも言われる多種多様な微生物の集合体を、お花畑(フローラ)に例え「腸内フローラ」と呼んでいます。

この腸内フローラと腸の働きは密接に関係しています。

そのため多くの腸活情報では
・腸活とは、腸内フローラを整えること
・腸内フローラを整えるには、善玉菌を増やすことが大切
・善玉菌の代表=乳酸菌、ビフィズス菌など
・他にも食物繊維や発酵食品も体に良い
という説明をしている訳です。

でも、ちょっと待って!

それならどうして、ヨーグルトや野菜、果物
を摂っても、改善されないのでしょうか?

他にも
・善玉菌は他にもたくさんあるけど、 乳酸菌やビフィズス菌だけでいいの?
・なぜ善玉菌が足りなくなった?
・食物繊維と腸内細菌との関係は?
・そもそも腸の役割ってなに?

などなど、色々なことが気になりませんか?


腸内フローラの最も重要な役割は、「短鎖脂肪酸」を産み出すこと

「腸はとてもは大切」はわかっているけど、具体的にどんなことなのかは知らない、という人も多いとおもいます。
ここでは、ぜひ知っておきたい腸の役割についてお伝えします。

腸には、「消化・吸収」「排泄」「造血」以外にも、本当に大切な役割が数多くあります。
・病原体の防御、排除
・ビタミン類を作る
・ホルモンや酵素を作る
・アミノ酸を作る
・血糖値や血圧を調整
・コレステロールを代謝
・短鎖脂肪酸を作り出す(腸を動かす・有益な作用)
・免疫力の約70%を生み出す(体内の免疫細胞の7割が腸に集中)

そしてこれらの役割を果たすのに腸内細菌の働きが欠かせないのです。
腸内細菌って本当にすごいですね。

一方、どの役割もとても大切なのですが、その中でも最も重要なのは、
「短鎖脂肪酸」を産み出すことと言えます。

それは、「短鎖脂肪酸」が腸機能全体を活性化させる(=腸の炎症を抑えたり腸を健康的な状態に修復、維持させる)「腸のエネルギー源」だからです。

つまり腸は、自らがきちんと働くためのエネルギー(短鎖脂肪酸)を生み出しながら、それをもとに体に有効な様々な働きを担う、そんな臓器です。

そして一旦腸機能が弱まり始めると、短鎖脂肪酸を産み出しにくくなり、それがさらに腸全体の働きを弱め、さらに短鎖脂肪酸も生成されづらくなる、そんな悪循環に陥ってしまいます。


「短鎖脂肪酸」の産生には、腸内フローラの多様性(バランス)がカギ

短鎖脂肪酸は、具体的には腸内細菌が作る、酪酸、プロピオン酸、酢酸などの有機酸のことです。酪酸は「腸のエネルギー源」の60~80%を担っているとも言われています。
大腸のぜん動運動を促進してくる他、健康に有益な役割をたくさん果たしていることが分かっています。

つまり、短鎖脂肪酸こそが健康の鍵を握っているといえますが、その短鎖脂肪酸をつくりだすのは、多種多様な細菌たち(腸内フローラ)です。

ここで重要なのは、多種多様な細菌が関わっているということ。
乳酸菌やビフィズス菌など特定の善玉菌の摂取だけでは、腸管の保全や、腸内フローラの多様性が維持できず、短鎖脂肪酸を産み出す力が弱くなってしまう場合があります。

それがよくある「腸活しても効果がない」原因の1つです。

短鎖脂肪酸の働きには、多様な細菌が関係している


食物繊維は、腸内細菌が元気に働くためのエサ(ルミナコイド)の1種。多種多様な細菌の活性化には様々な種類のルミナコイドが必要。

ルミナコイドは様々な難消化性食物成分の総称で、食物繊維のほか、オリゴ糖、レジスタントプロテイン、レジスタントスターチ、グァーガム、キチン・キトサン、難消化性デキストリンなどもその1つになります。
ルミナコイドは腸内細菌が活発に働くエサとなる重要な栄養素ですが、日本人の平均的なルミナコイド摂取量は必要量の約半分と言われており、それが腸内環境を悪化させている大きな原因の1つとなっています。

また、「発酵性食物繊維」、「MACs(腸内細菌まで届く炭水化物)」もルミナコイドとほぼ同じ概念です。

ルミナコイドの詳しくは「第6の栄養素 ルミナコイドとは」をご覧ください。

「短鎖脂肪酸」を安定産生する本質腸活の行い方

腸を発端とした様々な体調不良の主な原因構造は以下の通りです。

<よくある一般的な腸活>

<問題を根本から改善する、本質的腸活>
そもそもの原因であるルミナコイド不足を解消しつつ、さらに腸内細菌を刺激することで、一時的な体調改善だけでなく、腸内環境を整え、腸機能の根本的な正常化が目指せます。


まとめ

いかがでしたでしょうか?
少し専門的な内容で分かりにくい部分もあったかもしれませんが、腸内環境の正常化の鍵は「短鎖脂肪酸の産生力をいかに高めるか」にあります。

そのためには多種多様な腸内細菌全体を活性化する必要があり、限られた細菌だけを強化しても効果は限定的になってします。

そして腸内細菌全体を活性化するには、それぞれの細菌のエネルギー源となる多様な栄養素=ルミナコイドが必要、ということです。


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