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第6の栄養素「ルミナコイド」とは

「ルミナコイド」は、日本食物繊維学会が、食物繊維を包括した新しい用語として提唱しました。

この第6の栄養素「ルミナコイド」については、医師の友利新先生もご自身のYouTubeで紹介されています。

ルミナコイドの定義は、「ヒトの小腸内で消化・吸収されにくく、消化管を介して健康の維持に役立つ生理作用を発現する食物成分」 です。

従来の「食物繊維」では十分説明しきれないため、uminal(消化管腔内の)+accord(調和する)+oid(のような物質)を組合せた造語。腸内常在菌の餌となり、人間にとって有益な作用を生み出す食物成分を言い表す、新しく定義された概念です。

ルミナコイドは、従来の狭義の食物繊維である非デンプン性多糖とリグニン、糖アルコール、さらに、デンプン性である、難消化性デンプン(レジスタントスターチ)や難消化性デキストリン、そして難消化性タンパク質(レジスタントプロティン)、希少糖(D-プシコース,D-ソルボース,D-タガトースなど)を包含したものです。

ルミナコイドは、高分子物質から低分子物質の炭水化物や、タンパク質の概念に含まれるものまで及びます。

全てに共通している点は、難消化性・難吸収性の食物成分であること。人間の小腸では消化・吸収されにくい、つまり、大腸に棲む腸内常在菌まで届く成分です。

実は、食物繊維の定義は、国際的に統一されていません。

人間が消化吸収できないものを、大腸の常在菌が食べ、更に宿主(=人間)を長生きさせる代謝物などを作ることで、常在菌自身も長生きするという「共生の関係」があることが、近年の研究で徐々に明らかになってきています。

日本でもまだ、研究者以外では、ルミナコイドについて知られていませんが、私たちの美容や健康に重要な腸を機能させるためにも、是非知っておきたいキーワードです。

出典:「特集Ⅱ食物繊維再考 ルミナコイドに関する現在の状況と今後の研究」食品と開発48(1):15-17(2013)

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