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アイルランドから

訳あって、私は今アイルランドで生活している。

2020年の4月のロックダウンから
色んなことがあったし、政治、経済、
世界的な動きを徹底的に調べ尽くして
今後の生き方や未来設計を考えた。

この2年半、
将来について考えない日なんて一日も無かった。

でも個人の人生が、一週間後の予定さえも、
政治や世界情勢に
影響を受ける時代になってしまったから、
どんなに未来を計画しても一瞬で
実現不可能になってしまった事もあるし、
今後もきっとそうなるだろう。

noteに個人的な政治見解や、
世界情勢について意見するのは
私の本来の趣旨ではない。
本当は政治的な意見は一切書かずに
人の感情の変化や、
善悪の感情を如何に表現するか
ということに興味があって、
”感情をどのくらい共有出来るか”
という気持ちで始めたし
今後も出来ればそうして行きたい。

でも、この世界の行く末、未来、
人々の生活は多方面からの悪影響を受け過ぎて、
余りにも理不尽な状況で、破綻的で、
でも盲目的で。
私自身、今迄の様に物事や人、
日常に関する感情よりも遥かに
別のことに関して感情が
大きく動くことが多くなってしまった。

こんなにも、日常の些細なことが
私にとって堪らなく大切なことだったのに、
それに焦点を当てる余裕さえ無くなるなんて
思いもしなかった。

また、とても頭が良くて、専門的で、
詳しく調査している、
仕事で関わっている方々が
沢山警鐘乱打している、
命掛けで世界的な危機を伝えてくれている。

自ら進んで調べれば、
疑問を持てばいくらでも
ヒントや答えのピースが
生活上に散らばっているのに、
ここまで人々が政府を信じ疑わず、
自分自身の首を締め、
世界が破滅に向かって突き進んでいくとは
思わなかった。

それでも、以前よりかは
多くなってしまうかもしれないけど、
ここでは、これからもなるべく
政治的な内容を避けて文章を
書いて行こうと思う。

私は今年2022年の1月まで
アイルランドの正確な位置も、宗教、歴史、
文化も知らず、
入国すら一度も考えたことがなかった。

私は、都会的な生活が大好きだし、
アイルランドのイメージは自然や丘だったから。

ただ、規制緩和や私の色んな条件を
兼ね揃えた入国可能な国が
たまたまアイルランドだった。
ある日、ふっと候補に上がってきてそこから、
今まで停滞していた全ての計画が進み始めた
とても不思議で
未だに実感の湧かない出来事だった。

私には、一番生活したい国があるけど、
今の状況だとどうする事もできない。
与えられた場で最善を尽くしてチャンスを待つ。
遠回りだけどそれが、
一番健康的な方法だった。
そもそもこの2年間既に、
日本でジッとチャンスを待ち続けて今に至るし、
コロナきっかけで
自分がどういう人生を送りたかったのか
毎日毎日、徹底的に考えた。

コロナが無かったら、
日々の仕事に追われて本当に送りたい
理想の人生について考える余裕すら無かったし、 
海外渡航する思い切った行動をする勇気も
絶対に出なかった。

私は本来とても臆病で、
リスキーなことはなるべく避けて、
行動出来ない理由を
レンガのように積み重ねて
壁と盾を作り生きてきたし、
ちょっと前まで徹底的に安定志向で
それが世界一安心、安全だと思っていた。

でも、この騒動で社会の常識やステータスは
余りにも非科学的で、
一人一人に与えられた時間は有限で、
そんな貴重で尊いものを
コロコロと解釈の変わる社会の、
人為的な世論のため、
目の前の上司の機嫌を取ること、
人の目を気にして生きることに捧げたくないと
心底ウンザリしたし、
面倒臭いと思ったり、臆病さゆえに、
それまで本当にしたいことを
してこなかったこと、心から後悔した。

どのみち、人の目を気にして生き、
不平不満を溜め続けて
最期に後悔するくらいなら、
人に迷惑を掛けないことは死守して、
それ以外の自分が理想とする生活を
状況に合わせながら
可能な限り行なってみようと思った。

そもそもコロナ前から、
このまま理想を追求出来ずに、
不満だけが溜まっていくまま
日本で生きていくのは絶対違うと思っていたし、
一部の友人知人が
私の本来送りたい理想の生活を
していく姿を見てきて、
心底羨ましさしか感じなかった。

でも、行動出来ていない自分が
人を羨ましがったり、
妬んだりする資格はない事も
ずっとわかっていた。

そして、こんなに汚い感情を持って
毎日を過ごすくらいなら、
いい加減覚悟を決めなきゃと
ズルズル悩んでいた矢先のコロナの流行だった。


全ての国が一旦国境を閉鎖して
一切の出国が困難になり、
実質的に自由を制限されて初めて、
自分の願いを痛感したし
今までで一番に真剣に将来を考えた。

自分の本当に望んでいる事は何か
考える時間もたっぷりあった。

だからある意味では
コロナには本当に感謝している。
忘れていた私の本来の願い事
理想を思い出させてくれたから。

全力で行動する力をくれたから。

もちろん、渡航に際して
未知の物事に対する恐怖もあるし、
調べなきゃいけないことの多いこと
家の探し方、仕事の種類、都心の規模の小ささ、
何もかも違ったし、
私が平和ボケし過ぎてて詐欺にもあったし
既に大変な目にもたくさんあった。
何より、お金が掛かる。
しかも円安の直撃。

それでもまだ、数ヶ月しか経ってないけど、
そしてこれからが本番だけど
この見知らぬ国に渡ってきて、
毎日が幸せで仕方がなく
無条件で国境を開けてくれた事、
可能性を広げてくれた事、
一つの国に対してこんなにも深い感謝が
出来る日が来るとは思わなかった。

目標の国にはまだ住めていない。
今、住むには政府の政策が余りにも非科学的で
人々の健康を脅かすものだから。

それでも、この入国すら考えた事のない国で、
送る筈の無かった生活
見る筈の無かった景色、
出会う筈の無かった人々に接する時間は、
尊く貴重で自分の価値観や固定概念も
変化してくる。


だから、アイルランドには本当に感謝している。
街を歩く度、外の空気に触れる度に
この国にこれて良かったと毎日思っている。


サポートは、感性の探求に使わせて頂きます。 *世の中に美しいものが一つでも増えたら 人々の心が、生活が豊かになる。 そう信じて、これからも作品をお披露目致します。