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「二人は ずっと青春」ー詩ー

異国の 空の下で 病んでいる
君を思い 大空を眺める

君とは 欧州の
ユースホステルで 出逢った
「このホステル シーツが
皺くちゃ アイロンかけてない!!」と
いう不平の共有が 始まりで
心の扉を 開きあった
片言の英語で 話すのが
かえって 真剣さを 醸し出した

二人とも お金がなく
街の公園で 固いフランスパンを
シェアして ランチするのが
常だった

そんな 君が病を得て
ひとりで 苦しんでいる

雲は 絹の衣を揺るがして
ゆったりと 流れていくけれど
君の便りを 少しも話してくれない

スイスの 山あいの 小さな病院の
ベッドの上で 空をみている君

「同じ雲を 見あげようよ」と
メールを 送ったけれど
既読の文字は 忘れられたまま

君が プレゼントしてくれた
銀色のベルを 耳元で 鳴らす
君の声が 風鈴の音になって
返ってこないかと 耳をすます….
風鈴は 黙り込む 地蔵像と同じ

君の 病気のためなら
ボクの 骨髄を移植しても
いいんだよ

どうか 早く元気になって
そして 君の街の広場で再会し
「お互い 変わってないねぇ」と
そらぞらしい 冗談を言いかわしたい

何十年たっても 二人は 青春だから

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#忘れられない恋物語 #この夏やりたいこと #病気

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