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「甘い氷 食べたいよぉ」詩―#シロクマ文芸部「かき氷」

かき氷を 幼稚園の頃
夏休みに たべるのが
一番の ご馳走だった
虫取り、川遊びを投げ捨てても
バアバの お買い物に
くっついて 行った

小さな町の 小さな甘味屋さん
バアバの お気に入りの店
すだれが 店先でゆれてる

買い物が済むと
いよいよ 甘味屋さんに入る
「おいでんせぇ~」
バアバは お店の人と顔なじみ
「暑うて おえんぞなぁ」とバアバ

メニューは 壁にかかれた
手書きの品の 数点だけ
バアバの注文はいつも 同じ
「冷やし白玉と カルピス氷」

カシャ カシャと氷を削る音
氷が いよいよ 届けられると
バアバが 東京弁でいう
「坊や 沢山たべると
おなか壊すから バアバが
取り分けたげるけん」

バアバは カルピスがかかった
氷の 甘いてっぺん部分を
真面目な 顔をして
自分の  白玉の上に移す

ボクの氷は カルピスの
かすかな甘さと香りが 漂うだけ

「バアバ この氷甘くない!!」

バアバは 聞こえぬふりして
店主のおばさんと 世間話
街中の噂で もちきり

大人になっても
氷の シャカシャカ音を聞くと
今でも 水っぽいカルピス氷と
バアバの 心配性グセを 
思い出しては 苦笑いしてしまう

小牧幸助さんのシロクマ文芸部|お遊び企画「かき氷」
に参加させていただきました。
小牧様どうぞよろしくお願いいたします

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