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口だけでも笑ってたら、なんか漲ってきた。

秋口に講談社さんから賞を頂いて、それが夢の進捗グラフのピークのようになってしまっていた。
10月末頃からの、緩やかな堕落。

だけど「2020年」なんていう年号は、何かをしでかさなきゃいけない気がするくらいキリが良くて、私はしっかり襟を正してその年を迎えた。

だけどだけど、相変わらず会社の仕事があり、日常はバタバタしていて、ここのところ色んな人に聞かれた。

なんか、疲れてる?

「疲れてる?」という心配は有難くも、自分が今生き生きしていないことを指摘されてるのと同義だと思うから悔しかった。

実際、会社の仕事で疲れているわけではない。

そうじゃなくて、一向に夢が進捗しなくって、心ここにあらずなのだと思う。

広告代理店の自動ドアから「最後の退社」をし、書くことで生きていくって決めたあの日。あそこから、私はずっと落ち着かない。

というか、数年前は早稲田に入りたくて落ち着かない日々で、やっと叶ったと思ったら大手広告代理店で色んな芸能人と仕事してみたくなって落ち着かない日々で、やっと叶ったと思ったら書くことで生きていかなきゃ無理だと気付いて、落ち着かなくなった。

サークルばっかりしてた大学2年次とか就活が終わったあとの大学4年次とか、合間合間では、ぼーっとテレビを見たり携帯でゲームとかをするような時間的優雅さはあったけど。
ずっとそわそわそわそわ。

そりゃあ疲れるよなあ。

だけど、早稲田時代のみんなは宝だ。
会うと、あの頃の、何も願わずに存在していた私に一時だけ近づく。

ただ良く笑い、良く食べ、飲み、喋り。

一昨日、高田馬場を仲間と歩きながら思った。

そうじゃん。
存在するだけで、楽しかったじゃんか。


一昨日から、私はニコニコしている。
あの頃の私を迎えにいっている。

25歳を目前に。
あの頃とは違って今の私がもう知っている、色んなこと。

例えば、世の中の凄いが自分の凄いじゃないこと。
みんなの羨ましいは私の自尊心にはならないこと。

そういう、知ってしまった私の生きづらい側面を、
一生愛して、育てていくと決めたんだから。

口だけでも笑ってたら、漲ってきた。

そういう、私の生きやすい側面も、
私は死ぬほどよく知っていて、それはそれで愛しい。

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