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58.リンダリンダでリンダリンダ

「ドブネズミみたいに美しくなりたい」

誰しも一度は聞いたことがあるフレーズではないでしょうか。

「写真には写らない美しさがあるから」

少しドスのきいた声でボーカルのヒロトが続きの言葉を告げると、あのフレーズが...。

私は、鬱病を再発しました。

克服しました!という内容の記事であれば、PVも良いのでしょうが、今回は残念ながら違います。

また、なってしまいました。

原因は仕事しかり、プライベートしかり、転職の失敗しかり家庭環境からです。だと思います。

だと思いますというのは、鬱というのが、正直、具体的な原因がわかれば、その根本を治すだけで世の中からは存在しなくなるものだと思うからです。

何が言いたいかといいますと、何か言葉にできないモヤが心にかかっているから鬱なのであり、モヤはぼんやりとしていてハッキリしないし、その先に何があるのか、その答えがわからないから、鬱なのであり、私にはどうしようもない不可抗力なのです。

ですから、ここは抗わず、しばらく会社を休み、ぼーっとすることにしました。

思えば、海外旅行を中心としたブログや写真を売っていた私ですが、新型コロナウイルスが流行してから、活動ができず、また、気分の切り替えもできず、落ち込み、上手く笑えてなかったように思います。

上手く笑えてないというのは、友人が教えてくれたことで、当の本人には自覚がないので、どうやら私は側からは、そのようになっていたみたいです。

さて、ぼーっと会社を休む生活は身体が休めているようで、気が休まりません。

せっかくだから、何か好きなことをしよう。

そう思えど、私って、何が好きだったっけ?

と考えてしまい、結局落ち込むことになります。

また、今ごろ会社では、皆が頑張ってるんだよな、とか、悪口言われてるんじゃないかな、と、そのようなことを考えてしまい、さらに落ち込むことになります。

落ち込みながら、ぼーっとします。

そういえば、部屋の窓をしばらく開けていなかった。

そう気がついた私は部屋の窓を開けました。

天気は雲が多くて快晴とはいわないけども、まぁ、それなりに晴れていました。

そんな窓から差し込む、久しぶりの日の光が、部屋のあるものを照らします。

錆びついた弦に、埃まみれのフレット。

そう、ギターです。

久しぶりに少し触ってみるか、と思いました。

鈍った手つきで錆びた弦を鳴らします。

錆びていても音は鳴るのです。

音質がとか、チューニングが微妙にとか、細かいことはどうであれ、音は鳴るのです。

すると、身体が勝手に好きだった曲のフレーズを覚えていて、私の手は演奏しだします。

それが、タイトルの「リンダリンダ」でした。

「リンダリンダ」はTHE BLUE HEARTSという古いバンドの楽曲で、私は高校生の頃、軽音楽部でブルーハーツのコピーバンドをしていました。

当時、1人、弾き語りで活動をしていた私は、適当に学校内にいた、散り散りになっている帰宅部の仲間を集めてバンドを結成しました。

しかし、その実態は私以外、楽器にすら触ったことのない、「ど」素人の集まりでした。

それでも、毎週、放課後に、皆でスタジオに集まって、私が身振り手ぶりで教えながら、ぐちゃぐちゃの音を鳴らして遊びました。

その時にコピーした曲のひとつが、この「リンダリンダ」でした。

理由は「皆、知ってるから」それだけ。

そんなレベルなので、結局、バンドで、文化祭などのステージには上がることはありませんでしたし、文化祭でカッコよくBUMP OF CHICKENとかを弾く奴らを見ると、悔しい思いもしましたが、今となれば、それでよかったように思います。

皆で、楽器持って、汗かいて、ぐちゃぐちゃになり、お互いに文句を言い合いながら、「リンダリンダ」をめちゃくちゃに叫んだこと。

決して綺麗なものではないけども、あの時、確かに、私の心の中で、音楽は好きなものとして有りました。

そうだ、また音楽でもやるか。

...と。

私は好きなことを一つ思い出したのでしたとさ。

というわけで、今後、暇なので、無理ない範囲で、どうでもいいことを更新しようと思います。

またお会いしましょう。

ではでは。


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