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親友と話していても共感できない

昔からの親友がいる。
大学時代に出会って、今でも月1、2回は会うような仲だ。
どんな時も話が尽きない、そんな関係だった。

でも、少し前からそこに変化が生まれている。
というか、私の中でモヤモヤが生まれている。

以前、彼女と私は同じ職種についていた。
なので、会って話す時は仕事の話が多かった気がする。
楽しかったこと、嫌だったこと、などなど、
仕事で起こるたくさんのことを
「あーわかる!」
「私もそんなことあったよー!」
と共感し合って、時には慰め合って、過ごしてきた。

その仕事を私は2年前に辞めた。
その職種自体がブラックだと世間でもずっと言われており、
実際、大変じゃない人なんていないんじゃないの
って思うくらい負担が大きい仕事だ。
私は心身の調子を壊したことをきっかけに、
もうこの仕事はしたくないという気持ちに気づいた。
どうにか働き方を変えられないだろうかとも思ったけど、
この職種自体が根本的に変わらない限りどうにもならないな
と思って辞めた。

私もその仕事をしていた時そうだったけど、
あまりに仕事量が多いから、朝から晩まで職場にいる。
土日もサービス出勤。
だから、必然的に話題が「仕事」だけになる。
話すのはいつも仕事のことばかり。
同僚とかと遊びに行くことも多いので、
共通話題の「仕事」の話は盛り上がる。
その時は何の問題もない。
問題は、その仕事をしていない人と話す時だよね。

私がその仕事を辞めるまでは、私と親友の話題が「仕事」のこと
ばかりで何の問題もなかった。
でも今は違う。
私はその職種に、心底疲れて、ボロボロになって辞めたのだ。
いい面も知っているけれど、悪い面が大きいと感じたから辞めたのだ。
だから、親友の「仕事話」が全く面白くない。
何なら少し前から苦痛ですらある。

親友は
「こんな仕事いつでも辞めてやる!」
「次同じようなことがあったらもうその時は辞める!」
と言いながら何年も働いている。
私も最初の頃はその言葉を真に受けて
「本当きつそうだね。無理しない方がいいよ。大丈夫?」
と返していた。
実際親友はストレスが原因で病院から処方された薬を飲むこともある。
それでも最後には
「みんなに愚痴ってスッキリしたからもう大丈夫」
「嫌なこともあるけど、楽しいこともあるから大丈夫」
「同僚に話したら、みんなあることだよって共感してくれたからスッキリした」(←みんなあることってことがおかしいんだけどね)
と言っておしまい。

信じられないようなクレームを受けても、上司からパワハラ受けても、
「でも、楽しい時もあるから」
「でも、同僚はいい人ばかりだから」
「でも、美味しいの食べてもうリフレッシュしたから」
と、自分を納得させて(←私にはそう見える)続けている。

先週親友から
「嫌なことがあったので、話を聞いてほしい」
と言われていたけど、都合がなかなか合わず昨日電話をした。
「どうしたの?」
と聞くと、
「またこんなことがあった!
何でこの職場は変わらないんだろうと思ってイライラした!
でも、時間が経ったからもういいやって思えてるよ。大丈夫」
という話だった。

もう言葉が出ない。
何を言えばいいのか分からない。
親友からしたら
「大変だったね!頑張ったね!」
と共感してほしいんじゃないかと思う。
でも、私からしたら
「それもう何度目?!
内容が変わってるならいいけど、いつもほぼ同じような話。
その仕事している限り分かってることじゃん!」
って心の中で吐いてしまう・・・。

例えとして適切かわからないけど、
誰とも話さずに、黙々と同じことを繰り返す工場でのラインの仕事を選んだ人が
「今日誰とも話せなかったの納得できない!」
「同じことの繰り返しが嫌だ!」
と何年も何年も言っているようなものだと私は感じている。

そこにいる限り、その仕事をすることや、その問題が起きることは、
もう明らかなのだ。
だから、そのことを言われても
「そりゃそうだよね!だってそういう職場(仕事)だもん!」
って意外の感想がない。

もう1つ思うのは、
めちゃダメな彼氏や旦那といる人達とも似ているってこと。
泣いて相手の文句を言ったり、「もう別れる!」と話をする。
人は親身に話を聞いて
「それはひどいね!確かにそんな人からは離れた方がいいね」
と返す。
でも結局
「いいところもあるから・・・」
「でも、経済的なことを考えると・・・子どものことを考えると・・・」
と相手のところに戻っていく。

だけど、
もし親友の職種が私と違っていたらもう少し冷静に聞けるのかもしれない。
「何回この話するねん」
って思っても、
「まあ、でも辛いんだねー」
と聞いてあげられるかもしれない。

でも、私自身その仕事で心身ボロボロになったので、
その職種も仕事も大っ嫌いなのだ。
トラウマなのだ。
だから、冷静に話を聞けないんだろうと思う。
「早く辞めちまえー!!」
と叫びたくなる。(叫ばないけども)

その親友が大好きだし、
仕事以外の話をしている時は、今でも最高に楽しい。
ふざけ合いながら何時間でも話していられる。
でも、親友にとっては、生活のほとんどの時間が仕事なので、
やっぱりどうしても話がそこに偏る。
「この前嬉しかったことがあって・・・(仕事の話)」
「この前すごく嫌なことがあって・・・(仕事の話)」

1年くらい前にめちゃくちゃ勇気を出して、
「私はその仕事を辞めた身でもあるから、
その仕事の話を聞くのはしんどい」
と言ったことがある。
相手も
「ごめんね!同じ仕事をしていたこともあって、あなたならわかってくれると思って話し過ぎていた」
と言ってくれた。
でも、親友もかなり心配な状況だったことから
「だけど、本当に苦しい時とか話を聞くよ。
何が何でもきたくないってことではないよ」
と伝えた。

結局、あまりに色んなことが巻き起こる仕事なので、
「悪いけど聞いてもらっていい?今回だけ・・・・」
といった流れがあり、なし崩し的に今に至る。

どうしたらいいんだろうねー。
最近は、親友と会うことが苦痛になっている自分がいる。
「また仕事の話になるんだろうなー。。。」
と思うと気が重い。
「仕事の話は同僚としてくれー。別の話題にしてくれー。」
とも思うけど、親友にとっては仕事の話題がほとんどなのだ。
だって、生活のほとんどの時間を仕事に費やして、
人に話したいような喜びも、楽しさも、苦しさも、悲しみも、
仕事の中で起こっているのだから。

これって、友人だけが結婚したり、子どもができた時と似ているのだろうか。
私は未婚で、子どももいない。
結婚した友達がずーっと旦那の話や子どもの話ばかりしていると
正直しんどい。
そこまで興味を持てないし、共感できないからだ。
そういう時は自然と離れる時期もある。

今私と親友もそういう時期になるんだろうか。
大好きだけど、一度離れる時期なんだろうか。
寂しいけど、仕方ないんだろうか。
誰かに相談してみたい。




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