Suarez

坂道、ラジオ、フットボール、その他…

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    坂道、ラジオ、フットボール、野球、文学など

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新内眞衣卒業セレモニー

小さい頃、遠出の車中で流れるラジオ、その中でふと耳に入った曲があった。 車は平野を滑走する。すると、稲の刈られた田んぼにすらっとした出立ちの白鳥が一羽を見つけた。後部座席に座る僕は白鳥の鳴き声を聞こうとする。 車が通り過ぎる刹那、白鳥はすぐさま向こうのほうへ飛び立って行ってしまった。 目をくれることなく一心に飛び去って行く白鳥は、曇天にも関わらず美しく光を放っていた。 そんな時に流れた曲であった。 僕はその曲の委細をはっきりと覚えていない。でもその曲は聴いていた僕に、

    • 生田絵梨花 卒業コンサート

       私が通っていた高校は雪国にあった。通学路になっていた片面が桜並木の道を歩いていると、道がまっすぐであることと、潔く視界が開けているため、空から降りてくる雪が街から漏れてくる光に照らされるのがはっきりと見えた。その美しさに何度も立ち止まっていた。音がかき消され、静まった空気にピアノの鍵盤をゆっくりと叩いたような余韻が聞こえてきそうだった。2017年の冬であった。     乃木坂46の『インフルエンサー』という曲がレコード大賞を受賞し遍く知れ渡った。無論私も衝撃を受けた一人であ

      • 律動

        昼間はのぼりきっていた日もすっかり暮れ、三日月が見えたことにようやく気づいた頃のことであった。 私はその煌々とした三日月を駅舎で一瞥し、電車に乗った。 電車の中は、はじめ閑散としていて、ひとたび動き出せば、何処かしらにあたたかさと湿っぽさが往来し、たまに喫驚覚えるほどの轟音を放った。 高さの違う吊革は、綺麗に列を為していて、箱の鼓動とともに共鳴し、踊っていた。 私は、数日前の記憶を遡り、追憶した。すると俄かに、我を忘れ熱狂していたはずの心は、ひと握りでつぶされ、わずかな

        • #naoblog 紀行

          私は、ある本のある一章を読んでいました。 その本から受けた印象としましては、ことに叙情的と言いましょうか、私の目からはより素直な感情の吐露のようなものが見られ、深く沁み入るものでした。 大きく言うと「人生について語られている」、旅の一途を綴った紀行文のようでした。 なぜその文章に惹かれたのか、それは他でもない小坂菜緒が書いたものだからかもしれませんが。 しかしながら、少し風に言ってみると「表面に見える言葉というのは言葉でしかない」、 何が言いたいかといいますと、彼女

        新内眞衣卒業セレモニー

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        記事

          時間

          ある割と小規模なスーパーでのことでした。私は陳列されている納豆のパックを手に取り、数字をさがしました。ここまでは鍛錬を積んだ職人の如く無駄のない動き、いや、実に卑しい癖となっていました。 「2021.9.16」。もう9月かと思い知らされたここ数日でしたが、9月の折り返しはすぐそこまで来ていることをさらに思い知らされ、私は俄かに興が覚めました。 賞味期限はいつも時間の経過とそれを浪費しているというあの忌々しい警告を突きつけてくるのです。 昔から浪費癖がありました。体力やお

          夏休み

           「宿題」なるものは非常に恐ろしく、煩わしいものでした。まるで、返済の余地が立たない借金のように思えていました。  休暇中の小学生に書写や絵画をかかせるというのも、評価されるような良い作品を生み出させ、自らの学校の株をあげるためのものではないかと思えて仕方がなかったのです。 「呉越同舟」という言葉がありますが、不思議なことに私はまさにあの「宿敵」に興味すら湧き、単なる好奇心を以って会話を始めようとしていました。  子どもの頃のこころを取り戻した気がするのです。  夏は好きで

          手記『鬱々』

          よく身の回りは自分の苦手なものばかりでできているのではないかと思わされます。(それも意図的に。) アルバイトの接客なんかはひどいものです。それは単に作業が難しいからとか、人が嫌いだからとかではなく、心の持ち様としてのことです。 申し訳なくは思いますが、客として訪れる彼らの目はほとんど死んでいます。意識を向けずともたちまち生気を吸われてしまっているのではないかと思うほどです。 そして、たまに店員を人として認識してくれず、私を機械かのように思い、利己的な感情をぶつけてくる者

          手記『鬱々』

          W-KEYAKI FES.2021 現地感想

          こんばんは。 だいぶ気持ちが落ち着いたので、実際ライブの現地に赴いた感想を述べます。 現地に行った方と共有できる部分があればいいなという思いと、 行くことができなかった人、これから行こうと考えている人にとっての参考になればなという思いがあって書きました。 実際会場に足を運んで観るライブは、2020年2月の乃木坂46・8th yearバースデーライブ(@ナゴヤドーム)に続いて2回目です。 櫻坂46、日向坂46ともに、実際に目にするのは初めてでした。 ライブは現地に行った

          W-KEYAKI FES.2021 現地感想

          生き様 #明日のたりないふたり

          「生き様」って簡単に言うけど、それは曖昧で、そのカオスを無理やり美化するための言葉だと、少し抵抗を感じていました。 でも僕は、初めて目の当たりにしたそのコンビの作品に自分でタイトルをつけるとしたら「生き様」という言葉が真っ先に浮かんだのでした。 「たりないふたり」の漫才ライブを初めて拝見しました。 若林さんが、漫才での普段の立ち位置である左側ではなく、右側に立っているが新鮮でした。 オードリーの漫才よりもボケる機会が多く、それはそれで生き生きとしているように見え、なん

          生き様 #明日のたりないふたり

          チアって、応援ってすごい

          高校を卒業してから他人のことや、何よりも自分を理解しようと意識することが増えました。 いま思うと高校生の時は自分のことで精一杯で、他の人に嫌な思いをさせてしまったかなとか、もっと仲のいい人が増えたのになと後悔しちゃってます。 他の人のことを思って行動できることはすごいことだし、そういう人でありたいです。 なんだか今日はチアの、もっと広く言えば応援することの真髄を教えてくれた気がしました。 「元気を与えるという」言葉を、簡単に解釈できないようなもっと深い意味を感じました

          チアって、応援ってすごい

          16色の光 #乃木坂9thバスラ4期生ライブ

          こんばんは。 5月8日(土) 『乃木坂46 9th Year Birthday Live』 期別公演として4期生ライブが開かれました。 終ってみると、どんな感情なのかうまく言い表せませんでした。幸せと感動と感謝でいっぱいな素晴らしいライブだったことは確かです。 『夜明けまで強がらなくていい』 『逃げ水』 『バレッタ』 『ぐるぐるカーテン』 序盤のメドレーは各期別を思わせるセットリストに、エモーショナルな感情にさせられました。 あの”下駄ップ”とともに披露した和の『ガ

          16色の光 #乃木坂9thバスラ4期生ライブ

          選抜発表で推しの位置を知った時

          深夜の1時半。頭が痛かった。 絡まった無数の中から求めていた1つを取り出すのは本当に骨が折れる。 言葉はなおさらだ。 事実があってそこから解釈が生まれる。 考えれば考えるほど、行き届くはずのないところまで潤そうとしてしまう悪い癖がある。 喜び、安堵、不安、悔しさ、どれが正解なのは当の本人しかわからない。いや、本人すらわからないことだってあるのかもしれない。 憶測は広がる。 一体いつまで疲れやすい脳に毎日付き合わなければいけないのだろうと思うと、本当に煩わしい。 ぼくは

          選抜発表で推しの位置を知った時

          本当にありがとう、ミサトさん。

          こんばんは。『シン・エヴァンゲリオン劇場版:||』拝見しました。 この作品は、見れば見るほど伏線の回収やいくつもの解釈が生まれます。まるで文学作品を読んでいるかのような感覚でした。 つい2週間まえにこの作品を、アニメ版の1話からすべて見直してみよう思い、エヴァを観るためだけにネットフリックスの新規登録を済ませました。 葛城ミサト。 『エヴァンゲリオン』に触れる前は、エヴァのパイロットに目が行きがちでした。 しかし、改めて作品に触れると、葛城ミサト(以下:ミサトさん)と

          本当にありがとう、ミサトさん。

          自分のアイドルは、 #ひな誕祭

          日向坂46 デビュー2周年記念Special 2days ~MEMORIAL LIVE:2回目のひな誕祭~ こんばんは。 日向坂46の2周年を祝う「#ひな誕祭」2日間を終えました。素敵なライブでしたね。 初日に行われた『#春の大ユニット祭り』では、とりわけひよたん(濱岸ひより)に度肝を抜かれました。恥ずかしいことに日向坂46の曲はすすんで聴くほうではないので、ソロパートが多くみられるユニット曲では、普段目にする姿と歌声のギャップに、未知だった魅力を感じました。 今日の「ひ

          自分のアイドルは、 #ひな誕祭

          『9th Year Birthday Live』1年と9年

          乃木坂46はまだまだ進化を続けている。 1年  2020年2月にナゴヤドームで開かれた『8th Year Birthday Live』から1年がたった。まさに光陰は矢のように過ぎていた。  予定されていた握手会やライブはことごとく白紙になり、もはや「無観客」という言葉に違和感は無くなった。 先はちょっと見えなくなってしまった。 しかしその中でも僕たちには、応援したいメンバーが増えたし、お気に入りの曲も増えた。 『I see...』が大ヒットして嬉しかった。 (「乃

          『9th Year Birthday Live』1年と9年

          「パワー」

          物語には伏線が拾われる瞬間がある。 あちこちで作られた疑問が一気につながり、ぞっと鳥肌が立ったり、思わず涙してしまうこともある。「えぇ~!」っと思わず声を上げたくなるあの感情がある。 だからこそ物語っていうのは、時に大きな感動を引き寄せる。 まえがき2020.12.24 『ひなくり2020〜おばけホテルと22人のサンタクロース』 ライブや握手会。いったことがある人は思い出してみてほしい。 あの人この世にいた。めちゃくちゃかわいかった。握手しちゃった。鳥肌。感動した。

          「パワー」