#192 うつ病発症当日・発症後337日目 ~軽い気持ちしか抱いてなかった~

やっぱり夏が苦手になっているような気がします。今日は,梅雨が近づいているのもあって,久しぶりに曇り空で,厳しい日差しや暑さを回避できたのですが,その代わりに湿気が多く,ジメジメに不快感を覚えました。

春が過ぎてゴールデンウィーク頃の過ごしやすい時期が終わり,梅雨が始まると,どうも調子が悪くなるらしいです。そのことに今の時点で気づけてよかった。これからは,毎年「夏は調子を崩す」ことを前提に生きていけそうです。「あんまり体調崩さないんですよね!」という(以前の僕のような)アホ丸出しで,自分の限界も知らないままに突き進み,ぽっくりと倒れてしまうようなことは今後(おそらく)なくなりました。

とはいえ,去年まで苦しんでいた首の付け根部分のコリが,去年と比べると格段に改善しているので,回復を感じてはいます。今は,首の付け根部分のコリよりも,もっと深い部分(首の中心部分の筋肉・神経)にコリがあるのを感じます。表面のコリがやっと取れてきて,奥底に隠れていた黒幕が現れた感じですね。まだまだ療養が必要なのは間違いないでしょう。

さて,そういうゴタクは置いといて,今日もうつ病の経過を記録していきます。(第1回目はこちら。第2回目も大事なのでこちらからどうぞ)

【過去のこと・思い出したこと(発症当日)】

昨日に引き続き,発症当日(2019年7月10日)の出来事を書きます。

この日,一睡もできずに朝を迎えた僕は,一晩中電話に付き合ってくれた母からのアドバイスを受けて,病院を受診するために休むことを伝えるべく午前7時28分に事務所を訪れています。休むことを伝えることはできましたが,同時に「僕だってつらいんだよ・苦しいんだよ」アピールを受け,なおかつ「休まれたら困る」という(精神に突き刺さる)右ストレートも受け,8時33分に自宅へ戻りました。やっとのことで当日すぐに受診できる精神科を探し当て,午前11時に予約を入れました。午前10時25分に自宅を出て,予定通り11時から受診することができました。

受診は,ドクターからの質問に応えたり,話したいことを話したりして,その内容を看護師(カウンセラー?)が記録するという形で進みました。記憶がはっきりとしませんが,ここでも,昨日のブログに書いたような,眠れないという症状について話したと思います。「これまでの経験上,プレッシャーに折り合いをつけて眠りにつけば眠れないなんてことはなかったのに,昨晩は11時頃に寝付いた後,午前1時半頃に目が覚めて,それから大きな恐怖と不安に襲われ,朝まで一睡もできなかった」という症状について,話したと思います。それと,仕事への不満も吐露したと思います。事務員の人手が足りず,事務作業に追われ,弁護士が本来なすべき書面作成などの時間がとれないことや,業務時間外に電話やLINEで報告を求められることに大きな苦痛を感じていたこと(電話やLINEで報告を求められた日は寝付きが悪くなったりしていたこと)を伝えたことは覚えています。

ドクターは,しっかり話を聞いてくれて,すごく好感を持てました。その診察の結果,「抑うつ状態」と診断されました。この診断結果についても,特段感じるものはありませでした。というか,判断能力・理解力の低下によって,感情を抱く機能も失われつつあったのかもしれません。診断結果に驚きもなく,仕事への不満を伝えている際も,「不満」という感情があったのは間違いありませんが,それよりも,「とにかく疲れてきっている」という無力感のほうが大きかったと思います。

「抑うつ状態」という診断がなされただけでなく,薬も処方されました。「薬」といっても,西洋医学的な薬品ではなく,漢方薬でした。不眠の症状が出ていることから,一応不眠に効く漢方薬だったような気がします。とはいえ,医学的に睡眠を導入する効用があるわけではありません。僕も「睡眠薬」を服用することに大きな抵抗があったので(とはいえ,「疲れている」という無力感に支配されていたので,「抵抗」という感情をむき出しにする余裕はありませんでした),漢方薬を処方してもらうことにしました(記憶が曖昧ですが,そういう気がします)。

そして,ドクターからは,業務負担の軽減が必要と説明され,できるなら仕事を休んだほうがいいというアドバイスもありました。

診察を終え,病院を出たのは午後1時16分です。診察の後,母と待ち合わせすることになっていて,母と落ち合いました。その日にすぐ飛行機に乗って来てくれたことには,本当に感謝しています。というか,一晩中眠れずに電話していたら,そりゃ心配で心配でたまりませんよね。とはいえ,ワンルームにひとりで過ごすよりは,非常に心強いですから,安心しました。

母と落ち合った後に昼食を食べたのですが,この昼食も記憶に残っています。それまでの緊張がとけたから,記憶インプット機能も少し息を吹き返したのかもしれません(笑)。うどん屋さんに行ったのですが,とにかく食事が喉を通りませんでした。きつねうどんを一杯だけ注文したのですが,うどん麺1本をすするのもやっとこな感じでした。食欲減退も症状として現れていたんですね。全然まったく空腹がやってこないので,食べ物を胃に入れようと思わなかったのです。とはいえ,朝食も食べていなかったので,何か食べたほうがいいと思い,なんとか胃に収めました。

母と自宅に戻ったのは午後2時51分でした。そして,4時22分には再び事務所に行っています。診察結果を報告するためです。そして,ドクターも仕事を休んだほうがいいと説明していましたから,仕事をしばらく休むことを伝える目的もありました。

この時点では,僕は「しばらく休めば大丈夫だろう」という軽い気持ちでした。というのも,「しばらく休む」ことで,仕事の負担は軽減されるし,「提出期限」からも解放され(間に合わなかったものは,それはそれで諦めるしかない),不眠症状が現れた原因(と当時の僕は考えていた)である,僕が抱えていたプレッシャーもなくなるだろうと思ったからです。

そういう気持ちで,しばらく(1~2週間ほど)休むことを伝え,休む間処理できない事件の引き継ぎを済ませました。

引き継ぎを済ませた僕は,午後5時38分には自宅に戻りました。そして,この日,(表面的には)プレッシャーから解放された僕は,昨晩の不眠を取り戻すように,ぐっすりと眠りました。

→今日はここまで

【今日経験したこと・経験して考えたこと(発症337日目)】

・今日できた仕事・勉強

今日は休みでした。昨日に引き続き『安楽死を遂げるまで』(宮下洋一,2017年)を読み(リンクはこちら),先ほど読み終えました。最後の方で,日本での安楽死について書かれていました。とはいえ,スイス・オランダ・ベルギーなどのヨーロッパ諸国で一般的に行われている「安楽死」とは全く別物だと思いました。そもそも,日本では安楽死が刑法の殺人罪又は同意殺人罪もしくは自殺幇助罪に該当するため,安楽死の方法などが制度化されていません。その結果,「安楽死したい」という欲求があることが一般的に根付いていません。だから,安楽死が問題になるシーンが,(この本に書かれている中では)いずれも,「死が目前に迫った患者の延命処置をどうするか」というシーンに限定されているのです。これは,「安楽死」という文脈とは全く別物だと思います。「安楽死」というのは,「自分の死ぬ時期は自分で決める」という思想に基づくもので,死が目前に迫った場合ではなく,「余命数ヶ月」など,死ぬ時期を自分で決めることができるだけの猶予がある場合に問題になるはずです。

にもかかわらず,延命処置の延長線上として安楽死の問題を議論しているのは,お門違い感が否めません。「自分の死ぬ時期は自分で決める」という意思確認も全くなされないまま,「苦しむ姿を見たくない」「苦しむ姿を家族に見せたくない」という価値観で安楽死をしてしまったら,そりゃ,家族と医師・病院との間で軋轢が起きますよ。当たり前ですよ。

家族だって1人じゃありません。家族ひとりひとりに,安楽死に対するいろんな考えがあるわけです。僕らだって,家族ひとりひとりにいろんな考えがあることには,めちゃくちゃ気を使います。よくあるのが,遺産分割の事件で,父親の遺産を母と息子2人が争っている場面で,そのうち,母と長男から受任することがあります。「母と長男の意見は一致しているんだけど,次男が納得してくれないからなんとかしてほしい」というやつです。でも,「母と長男の意見が一致している」かどうかに,弁護士はめちゃくちゃ気をつけています。「母と長男は一心同体!」と思っているかもしれないけれど,別の人間なんです。別の脳みそで別々に思考を巡らせているんです。だから,実際は全然違う思いを抱いているなんてことは本当によくある。

にもかかわらず,「家族」という曖昧な言葉のもと,実際は,家族のうちの一部だけの希望にそって安楽死なんてやっちまったら,そりゃ対立を生みますよ。日本では「家族が望む安楽死」となってしまっていて,「本人が望む安楽死」というヨーロッパとは,根本的に考えが違う。そりゃ,安楽死が根付かないはずです。議論の土台が違っちゃってるんだから。

僕としては,「死ぬ時期は自分で決める」という思想は,日本に根づいてもいいと思っています。だから,安楽死の議論はこの文脈で進んでいいと思うのですが,日本で過去に「安楽死の事例」とされているものが,「家族が望む安楽死」で,「死ぬ時期は自分で決める」という思想とはリンクしないので,おそらく,このちぐはぐな状態のまま進んでいってしまうと思います。その結果,「死ぬ時期は自分で決める」という安楽死の思想はいつまでも根付くことはなく,安楽死が制度化する未来はやってこないでしょうね。非常に残念です。

「安楽死」という(心の)逃げ道が閉ざされている日本という世界は,精神疾患に苦しむ方々にとって,本当に残酷だと思います。

・仕事・勉強以外に今日やったこと

午前中に図書館へ行き,新しく本を借りてきました。

【今日のうつ病】

昨晩は11時40分頃に布団に入りました。寝付きは良かったです。気づいたら朝の6時54分でした。本当はもっと遅くまで寝ていたかったのですが,仕方ありませんね。7時間ほどぐっすり眠れているはずなんですが,朝からそれほど調子はよくありません。しかし,実際は,図書館へ本を借りに行ったり,買い物に行ったりと,それなりに活動できているので(↑のように本も読めているし),「調子悪いなぁ」は勘違いかもしれません。ぼちぼちですね。

今日もブログ書けてよかった!

それではまた明日!

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