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#346 本気でうつ病を予防する

どうも,こんにちは。

古田博大(ふるたひろまさ)です。

このブログを初めてご覧になる方は,はじめまして。

いつもご覧くださっている皆様,いつもアクセスありがとうございます。

僕は,1990年生まれで現在30歳。2017年1月から弁護士として働き始め,ちょうど2年半が経過した2019年7月10日にうつ病を発症し,それから今日までずっと休職しています。

うつ病発症からしばらくは,眠ったり食べたりすることもままならず,生きることそのものが苦しい時期が続きましたが,長い時間をかけて少しずつ回復することができました。今は,週2日の休みをはさんで毎日出勤練習(慣らし勤務)を繰り返しながら,復職への準備を進めています。

うつ病をきっかけに「自分も何か行動したい!」と思い,2019年12月から,この毎日ブログを始めました。とはいえ,このブログでは,うつ病に関することだけでなく,日々考えたことを自由気ままに書いています。

書きたいことがたくさんあって,文章が長くなってしまうことも多いですが,ブログの負担が大きくなりすぎてうつ病に悪い影響を与えないよう,書き始めてから1時間程度でアップロードすることにしています(#ほぼ毎日時間オーバーしていることはナイショです

「書きたいがたくさんある」と「1時間でアップする」は両立が難しく,そのため,文章がつながっていなかったり,文章自体がわかりにくかったりと,弊害も多々あるんですが,どうしても「毎日ブログ」を続けたいので,毎日綱渡り状態ですが,アクセスしてくださる皆様のおかげで,今日までなんとか続けることができています(;^_^A

僕のうつ病の経過については↓でまとめています。

それでは,今日も書いてきます!

今日は,「本気でうつ病を予防する」というテーマでお話したいと思います。

さて,僕は愛知県弁護士会に所属しているんですが,愛知県弁護士会では,定期的に研修が行われています。

「研修」は,社会人であれば誰しも経験があるでしょうが,基本的に希望者が受けますよね,少なくとも建前上は。

まあ,いろんなしがらみで研修を受けさせられてしまうこともよくありますが,愛知県弁護士会では,受講が義務づけられている研修がいくつかあり,その1つが「倫理研修」です。

「弁護士倫理」なんて,聞いたことない人がほとんどでしょうが,「こういう依頼は受けちゃいけないよね,倫理的に」のように,一種の内部基準みたいなものが弁護士の業界にもあって,それが「弁護士倫理」です。

例えば,妻から離婚の法律相談を受け,その際は依頼は受けず相談だけで終わった後,夫から離婚の法律相談を受け,そのまま依頼を受ける,なんてことはできません。

この弁護士は,夫から離婚事件の依頼を受けようとしていますが,それに先立って,相手方である妻から離婚の法律相談を受けていたわけで,妻からしてみると,離婚についていろいろ相談して内情を知っている弁護士が夫の代理人になってしまうと非常に不利な立場に置かれてしまいます。

こんな風に,相手方の手の内を知った弁護士が代理人についてしまうと,フェアじゃありません。だから,たとえ法律相談を受けただけだとしても,いちど相談を受けた人(妻)の相手方(夫)の代理人として弁護活動することは禁止されています。

「弁護士倫理」の代表例はこれです。ひとことで言えば,「先に相談を受けていたら,後日,同じ事件の相手方から相談・依頼を受けちゃいけませんよ」ということです。

他にも「弁護士倫理」として学ぶべきことはいろいろあって,この「弁護士倫理」は司法試験で勉強するわけでもありませんから(#司法試験は裁判官又は検察官になるための試験でもあるので),弁護士になった後,いろんな業務に携わりながら,研修も受けて勉強する必要があるわけです。

この「倫理研修」の事前資料が今日メールで送付されたので目を通していたら,弁護士のメンタルヘルス対策に関する資料が含まれていました。

日弁連が「弁護士のためのメンタルヘルスガイダンスブック」なる資料を作成していて,その中に,うつ病を発症していないかどうかのチェックリストと,メンタルヘルスのカウンセリング窓口を設置していることの案内が書かれていました。

さて。

こういうの,よくありますよね?

カウンセリングの窓口を設置し,それを周知させる冊子を作り,その冊子にはメンタルヘルスのチェックリストを加えておく。

よくある手法です。

「よくある手法」だからこそ,「これをやっとけば責任を回避できる」ことになります。

「メンタルヘルスの窓口を設置し,それを周知させる冊子も作った。その冊子にはメンタルヘルスのチェックリストも挿入しておいたし,充分な対策はしてるでしょ。これでうつ病などの精神疾患を発症しても,弁護士会に責任はないでしょ」

という考えが見え見えです。

もちろん,精神疾患で苦しむ弁護士をなるべく減らしたいという素朴な思いもあるでしょう。このメンタルヘルス窓口が奏功した事例もあると思います。

ただ,僕の事例のように弁護士が精神疾患を発症した場合に,弁護士会の責任追及を回避する目的がないとは言えないでしょう。

こういった「責任逃れ」の背景には,精神疾患が市民権を得てきた事情があります。

今の時代,うつ病などの精神疾患が社会問題として認知され,市民権を得てきました。これは間違いなく良い方向です。

うつ病を理由に会社を休んだり,休職したり,はたまた損害賠償を請求したりできるようになったのは,これまで,かけがえのない命を奪われたり,苦しい目に遭ったりしながらも,世の中を変えようと行動してくださった方々のおかげです。

僕も,その恩恵を受けることができていますから,この先人たちには感謝してもしきれません。本当にありがとうございます。

ただ,うつ病になってみて思うんですが,カウンセリング窓口を設置し,それを周知させる冊子を作って,その冊子にチェックリストを綴じ込んでも,全然うつ病予防には効果ありません。

「充分な予防策を実施して精神疾患に苦しむ弁護士を減らしたい」という素朴な思いはとても大切ですが,じゃあ,その思いと方法がきちんとマッチしているんでしょうか。

メンタルヘルスのカウンセリング窓口を設置して冊子も配っているという対策を目にすると,僕はこんなことを思ってしまいます↓

じゃあ,なんですか!

「メンタルヘルスの窓口を設置し,それを周知させる冊子も作って,その冊子にメンタルヘルスのチェックリストも挿入して」おけば,うつ病を予防できるんだから,それでもうつ病を発症したら,それは全部,うつ病を発症した患者さんの「自己責任」なのかよ・・・?

カウンセリング窓口を設置して冊子を配るという,「責任逃れ」の態度は,その反作用として,何か起きたときの「自己責任」を強要する,非常に残酷で無慈悲な制度です。

この「残酷さ」にどれくらいの人が気づいているか疑問ですが,仮に気づいている人がいたとしても,その気づきは一切考慮されないまま,「責任逃れ→自己責任の押し付け」が無尽蔵に広がっていっています。

この社会は本当に恐ろしいです。

そもそも,うつ病を発症する前の時点で,メンタルヘルスのカウンセリングを受けようとなんて全然思いません。あくまで僕の場合ですが。

僕の場合,メンタルヘルスのカウンセリングなんて,全然自分に関係ないと思っていました。だから,メンタルヘルスの窓口があることを聞いたことはありましたが,その存在は忘却の彼方でしたし,そして,自分がそれを必要としていることにも気づくことができませんでした。

うつ病というのは,カウンセリングが必要なのにそれに気づかず,どんどん進行してしまうことに大きな問題があります。僕みたいに,強い不眠症状が出るなど,何かの拍子で気づかない限り,自殺してしまって気づけないまま人生を終えてしまうこともあります。

いくらなんでも,三浦春馬の家族に対して,「メンタルヘルスの窓口は市役所にもあるし,その存在も周知徹底されているから,相談しないままうつ病を進行させたのは春馬くん本人の自己責任だよね?」とは誰も言えないでしょう。

うつ病って,こういう怖さがあるんです。

「メンタルヘルス窓口も設置した,周知徹底する冊子も配った,その冊子にチェックリストも挿入した!」という責任逃れ主義が,すぐさま,三浦春馬に自己責任を押し付けてしまうほどグロテスクな自己責任押し付け主義に直結してしまうんです。

責任逃れ主義と,その反作用としての自己責任押し付け主義。

この残酷さ,グロテスクさを認識したほうがいいと思います。

じゃあ,本気でうつ病を予防しようと思ったらどうすればいいか。

グロテスクな責任逃れ主義に走らず,本気でうつ病を予防しようと思ったらどうすればいいか。

もっと言えば,他でもない僕が,うつ病を回避するためには何が必要だったのか。

確かに僕は,うつ病を発症したことで多くのことを学べましたが,とはいえ,うつ病を回避できたらそれに越したことはありません。

うつ病回避のために何が必要なのか。

これは本当に難しい問いです。

僕もまだ結論を出しきれていないんですが,結局,「教育」になってしまうんでしょうか。

・現代社会はお金をたくさん稼がなくても幸せに生きていける

・だからこそ,好きなことを仕事にするしかない

・つらく苦しい仕事に耐えて生活費を得る必要はない

・好きなことに夢中になっているところにこそお金は集まる

こういったことを,教育の力によって,なるべく幼いうちから子供に教えてあげることが,「本気の」うつ病予防策だと僕は思います。

日本人は,遺伝的にうつ病を発症しやすい人が多いので,今の教育制度・社会制度のままだと,どんどんうつ病者が世の中に溢れてしまいます。現に,うつ病などの精神疾患の患者数は,近年増えています。

教育制度・社会制度は簡単には変わりませんから,他でもない僕がうつ病を回避するには,幼いうちから,両親によって,↑のことを教えてもらうしか方法はなかったと思います。

残念ながら,僕は教えてもらえないまま成長し,「苦しい仕事に耐えてお金を稼いで生活費にあてる」「誰も頼ってはいけない」「仕事はつらく苦しいものだ」という社会の「普通の」価値観のまま社会に出て,案の定,持って生まれたうつ病を発症しやすい才能を開花させ,うつ病を発症してしまいました。

うつ病を回避するには,なるべく幼い頃に「気づき」が必要で,僕みたいに「うつ病の才能」がある場合は,それしか方法がないと思います。

僕のうつ病は,そういう意味で回避するのが極端に難しく,このことは,僕以外の多くのうつ病者に当てはまると思っています。

うつ病は,誰のせいでもなく,自分の中に秘められた遺伝子と,社会構造の歪みのせいです。

だから,うつ病を発症したことで「自己責任を押し付け」られる筋合いなんかありませんし,メンタルヘルスの窓口を設置したり,それを周知徹底させる冊子を配ったり,その冊子にチェックリストを挿入したりして,付け焼き刃的な対策を実施したところで予防できるものじゃありません。

うつ病の予防は極端に難しいというのが僕の持論です。

にもかかわらず,最悪の場合に死が待ち受けているわけですから,めちゃくちゃ恐ろしい病気です。

だからこそ,うつ病を患いながら生き残ることができた方は非常に幸運です。うつ病によって,自分で自分の命を守ることができない局面まで追い込まれながら,それでもなお生存できたことは幸運という他ありません。

その類まれな幸運によって,首の皮一枚つながり,助かった命です。大事に使わなきゃいけません。

うつ病者は,幸運によって授かった,大事な大事な自分の命をどう使うか,それを必死に考えなきゃいけません。

うつ病者は,これまでの自分の生き方を反省し,新しい生き方を見つけましょう。それまでの生き方のままだと,かけがえのない自分の命を危険にさらしてしまうわけですから。

結局,

・うつ病は予防できない

・生き残ることができたら自分の命を大切に扱ってその後の人生を歩む

ということだと思います。

うつ病の効果的な予防法を思いついたら,また書きます。

【今日のうつ病】(うつ病経過まとめ:こちら

まだまだ僕のうつ病は治っていないので,毎日うつ病の経過を記録しています。

今日までに経過した期間↓

・うつ病発症(2019年7月10日~):491日(1年4か月と2日)

・実家療養後の1人暮らし(2019年9月27日~):412日(1年1か月と15日)

・午前中の散歩(2019年11月7日~):371日(1年と5日)

・毎日ブログ(2019年12月3日~):345日(11か月と9日)

・出勤練習(2020年3月30日~):227日(7か月と13日)

今日で,出勤練習を始めて7か月と13日です。新型コロナウイルスの影響で,4月13日~5月11日までの約1か月間,一時中断されていましたが,それを差し引いても,約6か月間勤練習を積み重ねてきました。

今日は出勤しました。午前9時~午後6時まで滞在予定です。

今日の「SleepCycle」を見ると(睡眠記録アプリ「SleepCycle」についてはこちら),昨晩は午後11時12分~朝7時36分までの睡眠が記録されていて,SleepCycle独自の睡眠品質も88%/100%と良好ですが,実際はかなり睡眠の質は悪かったです。

布団に入った後1時間ほどは全然寝つけませんでしたし,その後も,ウトウトしたら目がさえて,というのを2回繰り返しました。結局,午前2時頃まで寝つけませんでしたが,いつの間にか寝つくことができていました。

(なお,僕のうつ病は,主な症状が不眠(①寝つきが悪い②中途覚醒③朝早く目が覚めてしまい二度寝もできない)で,この不眠症状の有無が,その日の調子の良し悪しや,回復の進み具合を左右します。そのため,毎日の睡眠時間や睡眠の質について,睡眠記録アプリ「SleepCycle」に記録されているデータをもとに逐一書き出すことにしています。)

今日ボスとの話し合いが予定されていて,そのプレッシャーで寝つきが悪くなったと思われます。ただ,目が覚めてみたら,思いのほか調子は良いです。今も,あれだけ寝つきが悪かったにしては,元気に過ごせています。

寝つきが悪かったせいで睡眠時間が少なく,そのせいで昼過ぎはかなりの睡魔に襲われましたけど(笑)。

今日もブログ書けてよかった!

それではまた明日!・・・↓

昨日のブログ↓

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※うつ病への負担を考慮し、「書き始めてから1時間くらいでアップする」という制限時間を設けています。

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