#214 うつ病発症37日目・発症後359日目 ~いつの日かジャレドダイヤモンドになりたい~

このブログでは「ジャレドダイヤモンド」というアメリカ人の名前がしばしば出てきます(例えばこちら)。今日も,この人が執筆した『危機と人類』(2019年)を読んでいました(リンクはこちら)。「ジャレドダイヤモンド」を知ったきっかけは,こちらの動画です。『銃・病原菌・鉄』という,世界的なベストセラーを僕も読んでみたところ,膨大な知識量と,その分かりやすく,そして,引き込まれるような記述に,大きな魅力を感じました。

最新作の『危機と人類』では,ジャレドダイヤモンドの経歴についても触れられていますが,この人は,1937年にハーバード大学医学部教授(!)である父と言語学者(学者!)である母との間に生まれ,今はカリフォルニアで元気に過ごしているスーパーおじいちゃんです。ハーバード大学医学部を首席(!)で卒業し,イギリスのケンブリッジ大学で生理学博士号を取得しています!

経歴がやばすぎるおじいちゃんなんですが,現在も,カリフォルニアの大学(UCLA)で教鞭をとっています。それも「生理学」の教授としてです。

そんな生理学専門の教授かつお医者さんなんですが,人類史,つまり「歴史」を描いた『銃・病原菌・鉄』や『文明崩壊』がベストセラーになっています。いずれも大作で読み応えばっちりなんですが,その「読み応え」にふさわしいほど,情報量が多いのはもちろん,専門分野が多岐にわたるからこそ,最終的な結論の説得力がものすごいんです。そして,何かイデオロギーに支配されているわけではなく,その記述はとても科学的です。科学的な根拠をもとにしていて,結論先にありきで事実をねじ曲げることがない。だから,大きな説得力が生まれるのです。

ただ,科学的・客観的な根拠が必要なのはその通りですが,それだけじゃ,本として全然おもしろくないわけで,ジャレドダイヤモンドの著作には,知識量以外の魅力もちゃんとあります。

というのも,何かテーマがあって,そのテーマに対する結論が,最終的に,すっきりとした形でまとめられているのです。

『文明崩壊』は,歴史上の『文明崩壊』事例をとりあげ,各事例ごとに崩壊した理由を科学的に分析し,その分析結果を現代世界に当てはめた結果,現代世界は,過去の『文明崩壊』事例と同じく,崩壊に向かって進んでいる,という結論を出します。とはいえ,過去には,迫りくる崩壊を免れた例があったことも指摘し,崩壊原因を取り除く方法として,読者ひとりひとりがとりうる手段についても書かれています。

それくらい,ジャレドダイヤモンドという人は,科学的な現実主義者なのです。

その現実主義者的指摘を生み出す前段階の,知識の部分を,全く遠慮することなくひけらかしてくれて,そこも大きな魅力です。「これだけの記述を作り出すためには,調査にめちゃくちゃ時間がかかっただろうなぁ」と思わずにはいられない部分もたくさんあります。僕ら弁護士も仕事上よく経験しますが,調査にめちゃくちゃ時間をかけたのに,最終的な結論が意外なほどにあっさりしていたりします。あっさりした結論ですら,そういった結論に至るまでには,気の遠くなるような調査が先立っていたりするんですよね(笑)。

だから,本当に純粋に考えると,自分で一生懸命調べて手に入れた知見を,他の人に知らせたくないんですよね(笑)。だって,自分はめちゃくちゃ苦労して手に入れたのに,それをほかの人に知らせてしまうと,長時間の苦しい調査過程をすっとばしてフリーライドされちゃうわけで,そのフリーライドはめちゃくちゃ不愉快です。「お前も俺と同じくらい苦労して調べろよ。じゃないと俺がバカらしいだろ」という感情が出てきちゃうからです。

でも,ジャレドダイヤモンドは,そんなことありません(笑)。読者にフリーライドさせてくれます。もちろん,その調査結果を伝えることが,本の印税として自身の収入になるという側面はありますが,とはいえ,こんなおじいちゃんが,今さら莫大な印税をもらっても,それほど使い道はないでしょう(笑)。

自分の調査結果を,本として世間に発表し,その読者が,自分が苦労して手に入れた知見にフリーライドすることに,全く不快な思いは感じていないのでしょうね。むしろ,自分の生きがいとも思っているような気がします。

そんな,僕のような「フリーライド」したい読者にとって非常にありがたいジャレドダイヤモンドおじいちゃんの最新作が『危機と人類』なのですが,これは,国家の危機を,人間個人の危機と比較して書いたものです。

まず,序章部分で,人間個人が陥る危機的状況を乗り超える手段について書かれています。この部分は,医学部の教授よろしく,心理療法士から聞いた話がたくさん書いてあります。「危機に陥っていることを認める」「行動を起こすのは自分という責任を受け入れる」「囲いを作って,現状維持でいい部分と,変化させるべき部分を区別する」など,今の僕にピッタリな言葉が並んでいて,自己啓発本,または,心理学の本と見まがうような記述をするために,冒頭部分の紙面が割かれています(しかも,結構なページ数)。

この記述だけなら,よくある自己啓発本で終わるんですが,そのあとに出てくる情報量が,著者が1人であるとは到底思えないほど膨大で多岐にわたっているので,説得力が跳ね上がるですよね(笑)。

なんか,とある学術雑誌で,ジャレドダイヤモンドの専門分野が広すぎるため,「ジャレドダイヤモンド」というのは,単一の個人ではなく,専門家集団のペンネームなんじゃないかと,疑いの目が向けられたこともあったそうです(笑)。

そもそも1人かどうか疑われてしまうほどの存在で,僕にとっては雲の上の存在なんですが,いつの日か,ジャレドダイヤモンドと同じくらいの情報量で,説得的な結論を示すことができる本を書いてみたいなと,漠然と思っています(#多分一生できないと思う)。

まあ,今はとりあえず,弁護士の仕事に復帰できるよう,少しずつ準備を進めています。

さて,前置きはこれくらいにして,今日もうつ病の経過を記録していきます。(第1回目はこちら。第2回目も大事なのでこちらからどうぞ)

【過去のこと・思い出したこと(発症37日目)】

・8月14日㈬:7月22日㈪に実家にとんぼ返りして,この日で24日目です(とんぼ返りした経緯についてはこちら)。この日は,午前0時30分~6時までの睡眠が記録されています。この日は睡眠時間が短く,それが原因となってメンヘラを発揮しています。というのも,朝の6時に目が覚めて,すぐさま彼女に「朝早く目覚めてしまった」「不安だ」というメッセージを送っています。なおかつ,この日は食欲もなく,朝食もとっていないようです。

この日はかなり怖かったでしょう。実家に帰って以降,睡眠に問題はなかったのに,この日初めて実家でも睡眠に問題が出ました。正確にいえば,5時間30分は眠れているので,それほど強い不眠症状があったわけではありません。しかし,前日までは,8時頃までぐっすり眠れていて,この日も同じくらいぐっすり眠れるだろうという(無意識の)期待があったところに,その期待が裏切られた形になったので,大きな不安・恐怖を覚えてしまいました。

この日は,前日までしていたブドウ出荷の手伝いもできませんでした。調子が悪く,部屋でゴロゴロしていました。

そして,なんか,母親に「子ども」と言われたことを,彼女にグチグチ愚痴っています。当時の僕なんて「子ども」でしかなかったので,母の指摘は完全に当たっていましたのですが,とはいえ,そういうマイナス評価を素直に受け入れられるほど,当時の僕は成長できていませんでした。

今はだいぶ成長してきていますが,精神的な成長にはどうしても時間がかかりますね(汗)。

→今日はここまで

【今日経験したこと・経験して考えたこと(発症359日目)】

・今日できた仕事・勉強

今日は出勤しました。9時~18時30分ころまで滞在できました。冒頭で書いたように『危機と人類』を読んでいました。

・仕事・勉強以外に今日やったこと

特になし!

【今日のうつ病】

昨晩は11時頃に布団に入りました。布団に入って30分ほどは寝付けなかったような気がしますが,ほどなく寝付けました。ところが,朝の4時半頃に電車の音で目が覚めてしまいました。起きた直後は電車の音が気になって二度寝できませんでしたが,耳栓をはめるとすぐに寝付けました。その後は,7時30分のアラームまでぐっすり眠れました。こういった中途覚醒がありましたが,それほど調子は悪くありません。『危機と人類』の上巻も,今日1日で読み終えましたし。ただ,朝から疲労感があったので,バーピージャンプはやめておきました。

今日もブログ書けてよかった!

それではまた明日!

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